日本語版
最新ニュース
科学&テクノロジー

70歳男性を長年の孤独から救った「シニア・ビレッジ」 | Business Insider Japan

孤独を解消したいと思っていた70歳のリック・グロスマンさんは、「シニア・ビレッジ」に参加した。 モヨスタジオ/ゲッティイメージズ 70歳のリック・グロスマンさんは、人生の大半を孤独に苦しんできた。 しかし、「シニア・ビレッジ」に参加したことで状況は一変し、バーチャルや対面でのサポートにつながった。 安定した友人関係を得たグロスマンさんは今、高齢者の孤独にもっと焦点が当たることを願っている。 70歳の男性、リック・グロスマン(Rick Grossman)さんは、パンデミックが始まった当初、孤立を避けるよう助言するメールがたびたび届くことにあきれていた。 「『しっぽを生やすな』というのと同じくらい、役に立つと思ったよ」とグロスマンさんはBusiness Insiderにそう皮肉を言う。 「ほとんど内容のないアドバイスだ」 グロスマンさんはこれまでの人生で「12回の再スタート」を経験し、学校教員、コンピューターの技術サポート、営業職、企業広報、玩具店主などの職を転々としたという。転職に伴い、ペンシルベニア州、テキサス州、カリフォルニア州、ニュージャージー州と移り住み、現在はワシントン州シアトルで暮らしている。 引っ越しを繰り返した結果、人間関係を維持するのが難しくなった。また、自閉スペクトラム症のゲイとして育ったため、自分が所属できると思えるコミュニティを見つけることはなおさら困難だとグロスマンさんは話す。 「私と同年代のゲイの多くは、成長過程で家族とのあいだに大きな問題を抱え、家族に捨てられたり、受け入れてもらえなかったりして、完全に縁が切れてしまっている」とグロスマンさんは言う。 「ゆくゆくは状況も変わるだろうが、LGBTQIAコミュニティには、必要なサポートや友情を得られない独身者が大勢いる」 しかし、3年ほど前に大きな変化が訪れた。シアトルで友人を作るのに苦労していたグロスマンさんは、新しい出会いを求めてさまざまなグループに参加してみたが、どれも長続きしそうになかった。しかし、ある人からシアトルの「シニア・ビレッジ」の話を聞き、試してみることにした。それ以来、グロスマンさんは自分の居場所を見つけ、親しい友人関係を築いている。 シニア・ビレッジは、コミュニティベースの非営利団体が、サポートや活動を通じて、高齢者を地域の人々と結びつける取り組みだ。全国的なネットワークを形成しており、アメリカには400を超えるシニア・ビレッジが存在する。 リタイアメント・コミュニティ(高齢者が集まって街を形成し暮らすコミュニティ)とは異なり、これらのビレッジでは、高齢者が自分の住みたい場所に住みながら、ビレッジが提供するバーチャルおよび対面でのサポートを利用できる点がユニークだ。 「すぐに、多くの機会や活動を通じて助けが得られ、人と接することができるようになった。私を知っていて、気にかけてくれる人たちがそこにいる」とグロスマンさんは話す。 「私が何かに申し込んだのに顔を見せなかったら、誰かが電話をかけてきて、『何かあったの?』と尋ねてくれるんだ」 シニア・ビレッジの運営資金は、助成金、寄付金、会費によって賄われており、利用者は、参加の度合いに応じて年間150~425ドル(約2万2400~6万3400円)の会費を支払う。グロスマンさんにとって、それは十分に価値のある出費だ。 「家で一人で過ごしていたはずの時間を、今では、映画やディナーに出かけるなど、以前からやりたかったことに費やすことが増えた」とグロスマンさんは話す。 「まるで家族のようだ」 「我々はもっと他人を気にかけるべきだ」 孤独は、ここ数年、あらゆる年代の米国人にとって特に深刻な問題となっている。アメリカの公衆衛生政策を指揮するビベック・マーシー医務総監は2023年5月、この問題について、「孤独と孤立という疫病」と表現し、これを放置すれば人々の心身の健康に悪影響を及ぼしかねないとの見解を示した。 Z世代には、新しい出会いを通じて友情を築こうとしてさまざまな活動にお金を費やす人もいるが、シニア世代には選択肢が少ない傾向がある。ミシガン大学が1月に行った健康的な老いに関する全米調査(National Poll on Healthy Aging)では、50~80歳の成人の3人に1人が孤立感を抱いていると回答している。 グロスマンさんは、この問題についてもっと議論が行われるべきだと考えている。 「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が流行し、誰もが孤立したとき、私は、本当にこのままではいけないという意識が強くなった」とグロスマンさんは話す。 「もし私がここで転んでケガをしたらどうなるのか。誰が、どのくらいの時間で気づいてくれるのか。それに、食料品店で売り出しの品を買いすぎてしまったときには、みんなと分け合えるようにしたい。そうしたことから、単身での暮らしがいかに孤立したものであるかに気づいた」 シニア・ビレッジは、高齢者がコミュニティに参加して他の人々と出会うための、ひとつの手段を提供している。支援団体の「ビレッジ・トゥ・ビレッジ・ネットワーク」(Village to Village Network)のウェブサイトでは、関心のある人が、自分の住む地域のビレッジを検索できるようになっている。 そのほか、人生の後半につながりが生まれるよう、これまでにない方法に取り組む高齢者もいる。Business Insiderが取材した75歳の退職者、ジョー・ラミー(Joe…

70歳男性を長年の孤独から救った「シニア・ビレッジ」 | Business Insider Japan

1708882050
2024-02-25 06:00:00

孤独を解消したいと思っていた70歳のリック・グロスマンさんは、「シニア・ビレッジ」に参加した。

モヨスタジオ/ゲッティイメージズ

  • 70歳のリック・グロスマンさんは、人生の大半を孤独に苦しんできた。
  • しかし、「シニア・ビレッジ」に参加したことで状況は一変し、バーチャルや対面でのサポートにつながった。
  • 安定した友人関係を得たグロスマンさんは今、高齢者の孤独にもっと焦点が当たることを願っている。

70歳の男性、リック・グロスマン(Rick Grossman)さんは、パンデミックが始まった当初、孤立を避けるよう助言するメールがたびたび届くことにあきれていた。

「『しっぽを生やすな』というのと同じくらい、役に立つと思ったよ」とグロスマンさんはBusiness Insiderにそう皮肉を言う。

「ほとんど内容のないアドバイスだ」

グロスマンさんはこれまでの人生で「12回の再スタート」を経験し、学校教員、コンピューターの技術サポート、営業職、企業広報、玩具店主などの職を転々としたという。転職に伴い、ペンシルベニア州、テキサス州、カリフォルニア州、ニュージャージー州と移り住み、現在はワシントン州シアトルで暮らしている。

引っ越しを繰り返した結果、人間関係を維持するのが難しくなった。また、自閉スペクトラム症のゲイとして育ったため、自分が所属できると思えるコミュニティを見つけることはなおさら困難だとグロスマンさんは話す。

「私と同年代のゲイの多くは、成長過程で家族とのあいだに大きな問題を抱え、家族に捨てられたり、受け入れてもらえなかったりして、完全に縁が切れてしまっている」とグロスマンさんは言う。

「ゆくゆくは状況も変わるだろうが、LGBTQIAコミュニティには、必要なサポートや友情を得られない独身者が大勢いる」

しかし、3年ほど前に大きな変化が訪れた。シアトルで友人を作るのに苦労していたグロスマンさんは、新しい出会いを求めてさまざまなグループに参加してみたが、どれも長続きしそうになかった。しかし、ある人からシアトルの「シニア・ビレッジ」の話を聞き、試してみることにした。それ以来、グロスマンさんは自分の居場所を見つけ、親しい友人関係を築いている。

シニア・ビレッジは、コミュニティベースの非営利団体が、サポートや活動を通じて、高齢者を地域の人々と結びつける取り組みだ。全国的なネットワークを形成しており、アメリカには400を超えるシニア・ビレッジが存在する。

リタイアメント・コミュニティ(高齢者が集まって街を形成し暮らすコミュニティ)とは異なり、これらのビレッジでは、高齢者が自分の住みたい場所に住みながら、ビレッジが提供するバーチャルおよび対面でのサポートを利用できる点がユニークだ。

「すぐに、多くの機会や活動を通じて助けが得られ、人と接することができるようになった。私を知っていて、気にかけてくれる人たちがそこにいる」とグロスマンさんは話す。

「私が何かに申し込んだのに顔を見せなかったら、誰かが電話をかけてきて、『何かあったの?』と尋ねてくれるんだ」

シニア・ビレッジの運営資金は、助成金、寄付金、会費によって賄われており、利用者は、参加の度合いに応じて年間150~425ドル(約2万2400~6万3400円)の会費を支払う。グロスマンさんにとって、それは十分に価値のある出費だ。

「家で一人で過ごしていたはずの時間を、今では、映画やディナーに出かけるなど、以前からやりたかったことに費やすことが増えた」とグロスマンさんは話す。

#70歳男性を長年の孤独から救ったシニアビレッジ #Business #Insider #Japan

執筆者について: nipponese

Nipponese News編集部は、国内外のニュースを日本語で分かりやすくお届けします。