1720592894
2024-07-10 02:00:00
このシナリオでは、低中所得層の消費者は税引き後所得が減少し、減税の恩恵をほとんど受けないが、所得が上位1%の富裕層ではその逆になっている。
クルーグマンはその理由を2つ挙げた。
第一に、所得税は主に富裕層が払っている。アメリカ国民の約半数はまったく払っておらず、代わりに他の税金を負担している。
第二に、関税によって輸入業者のコストが上昇すると、これらの企業は製品を取り下げるか、製品の価格を引き上げることになる。いずれの行動もインフレを招き、アメリカ製品の価格を上昇させる可能性があることが、超党派税務財団の調査で明らかになっている。
また、低所得層は富裕層よりも収入に占める支出の割合が大きいため、物価上昇による家計への打撃が大きくなる。
「では、トランプが大統領になった場合、ほぼ確実に課されることになる関税を誰が負担するのだろうか。中国や他の外国人ではない」とクルーグマンは言う。
「あらゆるデータは、アメリカ人、主に労働者層と貧困層が負担することを示している」
トランプによる関税引き上げ計画は、所得税と置き換えるという可能性を超えるものになっている。トランプは以前、貿易相手国にかかわらず、すべての輸入品に10%の関税を課す必要があると訴えていた。中にはさらに高い関税が課される国もあるだろう。例えば、対中関税は60%まで引き上げられる可能性がある。
ゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)のジャン・ハツィウス(Jan Hatzius)は、トランプの計画通りに進めば、貿易障壁の拡大によってインフレ率は1.1ポイント上昇すると7月2日に指摘している。物価上昇は消費にも打撃を与え、アメリカのGDPは0.5%落ち込むだろう。
もう1人のノーベル経済学賞受賞者であるジョセフ・スティグリッツ(Joseph Stiglitz)も、インフレの急上昇について同様の懸念を抱いているとBusiness Insiderに語っている。
アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)による利下げへの期待は、2024年における株価上昇の一因となっていたが、インフレの高止まりによってFRBの利下げ能力は弱まることになる。
それどころか、FRBは再びタカ派に転じ、最大1.3%の利上げを行う可能性が高いとハツィウスは予想している。これは約0.25%の利上げ5回分に相当する。
「米中の貿易戦争は、アメリカにおけるインフレ率の上昇、ヨーロッパの成長へのさらなる打撃、金融政策に関するヨーロッパとアメリカの乖離を引き起こす可能性が高まる」とハツィウスは述べている。
#トランプが関税を上げると超富裕層だけが恩恵を受けるノーベル賞経済学者が指摘 #Business #Insider #Japan
