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高市首相は「一国の指導者」なのか? 中国の”呼び捨て”への反論が思わぬ論争に…弁護士が指摘する違和感 – 弁護士ドットコム

中国外務省の定例会見で高市早苗首相が肩書なしで呼び捨てにされた問題をめぐり、日本政府が公式X(旧Twitter)で「一国の指導者」と表現したことが、国内で思わぬ論争に発展している。国際儀礼上の礼節を求める姿勢の一方で、憲法上の国民主権との整合性に疑問の声が上がっていると、弁護士ドットコムニュースなどが報じた。 中国外務省の会見と日本政府による反論の経緯 9月30日に開かれた中国外務省の定例記者会見で、郭嘉昆副報道局長は小泉進次郎防衛相の核兵器や原子力潜水艦の保有をめぐる発言に関する質問に対し、高市早苗首相を「日本首相」などの肩書を付けずに「高市早苗」と呼んだ。これを受け、10月7日の外務報道官会見で記者が質問し、北村俊博外務報道官は立場の違いがあっても一国の指導者に対してしかるべき敬意を払うことは国際儀礼上当然であり、中国側にもしかるべく申し入れていると述べた。外務省は同日夜、公式Xに「高市総理の呼称に関する日本政府の見解」と題してこの質疑を投稿した。 「一国の指導者」という表現に向けられたSNSの違和感 外務省による中国側への抗議や礼節を求める姿勢そのものよりも、政府が首相を「一国の指導者」と表現したことに対して、SNS上では「権威主義的な響きがある」「『首脳』で十分ではないか」といった違和感や批判の声が相次いでいる。弁護士ドットコムニュースの取材に対し、憲法問題に詳しい猪野亨弁護士は、他国の首相の呼び捨てが適切ではないとしつつも、日本政府が「一国の指導者」という表現を用いたことについて別の問題があると指摘している。 写真:AERA DIGITAL 国民主権の原理と「指導者」という言葉の語感 猪野弁護士は、日本国憲法が採用する国民主権の原理と中国の政治体制の間にある違いを強調する。日本では主権が国民にあり、内閣総理大臣は国会の議決によって指名されるため、首相は国民を「指導」する立場にはない。一方、中国の憲法前文には中国共産党の指導のもとで歩むという政治体制の原理が示されており、両国の政治的背景は異なる。政府が従来の慣行と異なる表現を使う場合、その妥当性が問われることになると猪野弁護士は説明している。 「内閣総理大臣」という規定用語を使うべきだった理由 憲法問題に詳しい猪野弁護士は、日本政府が首相を「一国の指導者」と表現したことが直ちに憲法上の問題になるわけではないとの見解を示している。しかし、「指導者」は憲法に明記された用語ではなく、「元首」の定義をめぐる議論と同様に、法的な意味合いが薄いとはいえ一定の評価を伴う言葉である。中国政府の礼を失した態度に対して見解を示すのであれば、憲法にも規定のある「内閣総理大臣」などの言葉を使うことで十分だったはずだとし、政府にはなぜこの表現を用いたのか説明する責任があると指摘している。

高市首相は「一国の指導者」なのか? 中国の"呼び捨て"への反論が思わぬ論争に…弁護士が指摘する違和感 - 弁護士ドットコム

中国外務省の定例会見で高市早苗首相が肩書なしで呼び捨てにされた問題をめぐり、日本政府が公式X(旧Twitter)で「一国の指導者」と表現したことが、国内で思わぬ論争に発展している。国際儀礼上の礼節を求める姿勢の一方で、憲法上の国民主権との整合性に疑問の声が上がっていると、弁護士ドットコムニュースなどが報じた。

中国外務省の会見と日本政府による反論の経緯

9月30日に開かれた中国外務省の定例記者会見で、郭嘉昆副報道局長は小泉進次郎防衛相の核兵器や原子力潜水艦の保有をめぐる発言に関する質問に対し、高市早苗首相を「日本首相」などの肩書を付けずに「高市早苗」と呼んだ。これを受け、10月7日の外務報道官会見で記者が質問し、北村俊博外務報道官は立場の違いがあっても一国の指導者に対してしかるべき敬意を払うことは国際儀礼上当然であり、中国側にもしかるべく申し入れていると述べた。外務省は同日夜、公式Xに「高市総理の呼称に関する日本政府の見解」と題してこの質疑を投稿した。

「一国の指導者」という表現に向けられたSNSの違和感

外務省による中国側への抗議や礼節を求める姿勢そのものよりも、政府が首相を「一国の指導者」と表現したことに対して、SNS上では「権威主義的な響きがある」「『首脳』で十分ではないか」といった違和感や批判の声が相次いでいる。弁護士ドットコムニュースの取材に対し、憲法問題に詳しい猪野亨弁護士は、他国の首相の呼び捨てが適切ではないとしつつも、日本政府が「一国の指導者」という表現を用いたことについて別の問題があると指摘している。

高市首相は「一国の指導者」なのか? 中国の"呼び捨て"への反論が思わぬ論争に…弁護士が指摘する違和感 - 弁護士ドットコム
写真:AERA DIGITAL

国民主権の原理と「指導者」という言葉の語感

猪野弁護士は、日本国憲法が採用する国民主権の原理と中国の政治体制の間にある違いを強調する。日本では主権が国民にあり、内閣総理大臣は国会の議決によって指名されるため、首相は国民を「指導」する立場にはない。一方、中国の憲法前文には中国共産党の指導のもとで歩むという政治体制の原理が示されており、両国の政治的背景は異なる。政府が従来の慣行と異なる表現を使う場合、その妥当性が問われることになると猪野弁護士は説明している。

「内閣総理大臣」という規定用語を使うべきだった理由

憲法問題に詳しい猪野弁護士は、日本政府が首相を「一国の指導者」と表現したことが直ちに憲法上の問題になるわけではないとの見解を示している。しかし、「指導者」は憲法に明記された用語ではなく、「元首」の定義をめぐる議論と同様に、法的な意味合いが薄いとはいえ一定の評価を伴う言葉である。中国政府の礼を失した態度に対して見解を示すのであれば、憲法にも規定のある「内閣総理大臣」などの言葉を使うことで十分だったはずだとし、政府にはなぜこの表現を用いたのか説明する責任があると指摘している。

執筆者について: nipponese

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