奈良県香芝市の認定こども園「あけぼの・幼保学院」で、4歳の男の子が提供された凍ったゼリーをのどに詰まらせ死亡しました。市は15日、通告なしの監査に入り、関係書類の押収や職員への聞き取りを行いました。事故の経緯や原因の究明が急務となっています。
香芝市の認定こども園で発生した死亡事故
先月15日、奈良県香芝市の認定こども園「あけぼの・幼保学院」で、3歳児クラスに通う4歳の男の子が園から提供された一口サイズの凍らせたゼリーをのどに詰まらせる事故が起きました。男の子は病院に搬送され治療を受けていましたが、今月上旬に亡くなりました。園の職員は消防に対し「ゼリーをのどに詰まらせて、ぐったりしている」と通報していました。news.ntv.co.jpの報道によると、このゼリーはダンスの練習を終えた園児たちに対して、クールダウンの目的で与えられたといいます。
市による通告なしの監査実施
事故を受け、香芝市は15日午前、当該園に対して通告なしの監査に入りました。市職員が園内に入り、事故当時の状況や園の安全管理体制について調査を開始しています。監査では職員へのヒアリングが行われたほか、関係書類の押収も実施されました。市は今後、調査結果を踏まえた上で、年末をめどに第三者委員会を立ち上げ、より詳細な事故原因の究明を進める方針です。
園側の対応と理事長のコメント
「あけぼの・幼保学院」はホームページ上で、食事について「個人差を配慮し望ましい食事方法になるよう工夫しています」と掲げていました。しかし、なぜ凍らせたゼリーが提供されたのかといった経緯については、詳細が明らかにされていません。同園の楠瀬浩子理事長は、現在、関係機関と連携しながら、事故の経過および原因の確認を進めており、あわせて、再発防止に向けた検証と、必要な改善に取り組んでいく意向を示しています。
他園におけるゼリー提供の判断
今回の事故を受け、他の保育現場では食の安全に対する意識が高まっています。滋賀県にある「湖のこ保育園」の山元均園長は、5〜6年前からゼリーの提供を完全に中止していると語りました。同園では、園児が口の中に吸い込んでしまう恐れがあるゼリーの提供は避けており、凍らせたものを出すことも一度も行っていないといいます。山元園長は、園児の喜ぶものを提供することの重要性を認めつつも、誤嚥リスクに対しては厳格な判断が必要だと指摘しました。
- 果物やブドウなども喉に詰まる危険があるため提供時に注意が必要
- ケーキ類などについても、提供の都度慎重な対応を行っている
- 園児が喜ぶものを提供することと、安全性の確保の両立が求められる
今後の調査と第三者委員会への展望
香芝市が今回実施した監査によって、事故当時の具体的な提供手順や園内の安全管理における課題が整理される見通しです。市は、押収した資料や職員への聞き取り内容を精査し、年末までに設置予定の第三者委員会に報告する構えです。専門家も交えた第三者委員会での検証を通じて、なぜ凍らせたゼリーが提供されたのか、その経緯と構造的な問題がどこにあったのかが焦点となります。再発防止に向けた具体的な改善策の策定が、今後の重要な論点です。