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2025-09-02 22:30:00
- 韓国は、学校でAIを活用したデジタル教科書を導入する計画を撤回した。
- 現場の教師から「AI教科書を使うための準備やサポートが十分ではない」との反発があったからだ。
- アメリカでも同様にAI導入の動きがあるが、生徒の成果に本当に効果があるかどうかの証拠は乏しい。
韓国では人々が機械に反旗を翻した。そして、この戦いでは人々が勝利した。
教師や保護者からの強い反発を受け、韓国の国会は2025年8月4日、教育関連法の改正案を可決した。その結果、これまで正式な教科書として認められていたAIを活用したデジタル教科書「AIDT(AI Digital Textbook)」は格下げされ「教育資料」として再分類された。
韓国教員団体総連合会は、教師たちが「デジタルによる教育の革新に反対しているわけではない」と述べる一方、適切な準備や評価なしにAI教科書を導入した結果、かえって一部の教師の仕事量が増えたと指摘している。
AI教育の普及を目的とする非営利団体「AIエデュケーション・プロジェクト(AI Education Project)」創設者でCEOのアレックス・コトラン(Alex Kotran)は、「アメリカはこの事例に注目すべきだ」と語った。コトランは、教師たちが反発してAI教科書が教育資料へ格下げされたことは、「まったく驚くべきことではない」と話す。
「最も成果が上がるのは教師が中心となった授業だということが研究では示されており、急ぐあまりテクノロジーだけに注目し、教員の研修や専門的な学びへの十分な支援を伴わない取り組みは、成果を損なってしまうリスクがある」とコトランは言う。
この事例は、アメリカの学校がAIを使って生徒一人ひとりに合った学習をどのように実現するかを試行している中で起こった。ドナルド・トランプ(Donald Trump)政権は、教育におけるAI活用を拡大するため、官民連携のアプローチを支持しているが、教育関係者はAIが学習成果に与える影響について十分な証拠がほとんどないことを踏まえて、「学校は慎重であるべきであり、教師の研修が重要だ」と指摘している。
「だからといって、AIに活用の余地がないわけではない。生徒にAIの使い方やスキルを学ばせることは、AIが使われる職場で働くための準備になる。しかし、生徒がAIだけから学ぶことが最もよい方法だという十分な証拠はない」とコトランは話す。
「最も重要な問題は、生徒が労働市場で価値を生み出せる準備ができているかどうかだ。単にAIを使えるだけではなく、コミュニケーション能力や問題解決力、批判的思考といった、長く役立つスキルが必要なのだ。これらのスキルを育てるためには、教師中心の取り組みが欠かせない」
アメリカの教育でのAIの役割
韓国教員団体総連合会が2025年7月に発表した調査によると、教師の87.4%がAI教科書の教材を使うための準備や支援が不足していると回答しているという。回答者の大半は、自分たちのニーズに最も合う形でAI教科書を使う方法を選べるようにすべきだと述べている。
同会はプレスリリースで、教室でのAI活用を進める取り組みを支持すると同時に、「教師の声を無視して技術導入に夢中になってはならない」と述べている。
2025年4月、トランプ大統領は、AIの使い方や知識を小中高(K-12)の教室で広めるため、AI業界の団体と政府が協力する専門チームを作ることを定めた大統領令に署名した。その大統領令では、政府機関に対してAI関連の取り組みに資金を振り向ける可能性についても検討するよう求めている。
アメリカ教員組合連盟(American Federation of Teachers)のランディ・ワインガーテン(Randi Weingarten)会長は声明で、この大統領令について、「この大統領令は却下されるべきだ。なぜなら、研究で最も効果があるとされているのは、生徒と直接関わる教育者が設計した教室と指導に投資することでだ。教育者は生徒のニーズに応える知識と専門性を持っているのだから」と述べた。
AI導入への懸念がある一方で、AIを授業に取り入れて成果を出している教師もいる。ギャラップ(Gallup)とウォルトン・ファミリー財団(Walton Family Foundation)が2025年4月に行った2000人以上の教師を対象とした調査では、AIツールを使用している教師のうち64%が、「AIのおかげで生徒向け教材の質の向上につながった」と回答し、61%が「生徒の学習や成果についてより良い洞察を得るのに役立った」と回答している。
それでも同報告書は、「小中高でAIツールを使うべきかどうかについて、明確な合意は存在しない」と述べている。
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