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2025-01-28 00:30:00
コストも抑えて導入。課題は「導線」か
特徴的なのは、チケット購入時点では乗車する列車・座席を指定せずに、料金だけを決済する点。
乗車する列車は、顔認証でチケットを発券する段階で、最も発車時刻の近い列車が自動的に指定される。座席も指定されるので、あとは発券されたチケットを見て乗車すればいい。
この仕組みを実現するために、京成電鉄の座席予約システムとも連動している。

ユーザーが任意の列車を予約するのではなく、最も発車の近い列車が自動的に指定される仕様は、空港到着から実際にスカイライナーに乗車できるまでどのぐらいの時間がかかるか読めないためだ。
待ち時間が長くなるなどの課題があり、駅に到着した時点で最も早い列車に乗車できるようにした。

顔認証に使うのは一般的なタブレット端末で、Saffeの技術は「一般的なタブレットのカメラでも高精度で安全性高く認証できるのが優位点」だと、丸紅の交通インフラプロジェクト部長である山河宏和氏は説明する。
さらに、今回は改札機とは連動せず、改修を最小限に抑えた。
クレジットカードに対応するためには改札やシステムの改修が必要になること、同社が導入を計画しているQRコード乗車券では、まだ座席指定などの課題が解決できていないといった問題があり、導入にはコストも時間も必要になる。
特に、早期の混雑緩和を図りたかった京成電鉄にとっては、比較的簡便で低コストの顔認証プラットフォームが有効だと判断したようだ。

丸紅側でも、汎用のタブレットを使うなど、安価にキャッシュレス化を実現するソリューションとしての位置づけを狙っている。
これまで実証実験をしていた熊本市電などでは決済システムも同時に導入したが、京成電鉄では既存のシステムに接続する形にしており、こうした事業者ごとに応じたカスタマイズにも対応。
今回は導入されていないが、改札機と連動した顔認証のシステム構築も可能だという。
利用時は、タブレットの前に行くと自動的に顔認証が実行され、数秒で認証が完了し、チケットが発券される。
認証はオンラインで実行され、トータルではおおむね4秒と決して早くはないが、通常の改札機の置き換えではなく、あくまでスカイライナーの乗車に特化した仕組みなので「窓口の混雑緩和に向けた時間短縮の効果は確実にある」というのが長塚氏の判断だ。

とはいえ、「外国人旅行客でスカイライナーのチケット予約をしている人は非常に少ない」(長塚氏)というのが現状だ。
スカイライナー利用者は代理店経由のチケットや当日予約が多く、即座に窓口の混雑緩和につながるわけではなさそうだ。
長塚氏は、「非常に便利なシステムなので広くPRして、利用者の数字が伸びてくれれば」と期待する。顔認証導入に伴い、スカイライナーのオンライン予約を日本人向けにも提供することで、窓口を使う日本人の利用にもつなげたい考えだ。
波及する「コスト軽減」&「混雑緩和」重視の動き

国内では、「Suica」などの交通系ICが広く普及したものの、システム更新の負担が重く、コストを懸念する声もあり、コストに加えてインバウンドへの対応を目的に、クレジットカードのタッチ決済を導入する事業者が増えている。
京成電鉄では、そうした取り組みは比較的長期の取り組みと位置づけているようで、まずは当面の窓口や券売機の混雑緩和を目指し、顔認証改札によってコストを抑えつつ早期の対策を図る。
顔認証を使った乗車サービスは、丸紅のプラットフォームを導入して実験をする各社以外にも、千葉・ユーカリが丘で山万が鉄道・バスで本格導入をしているほか、Osaka Metro、JR西日本が実証実験をしている。
京成電鉄は実験ではなく本導入としてスタートし、利用の状況やニーズを踏まえて、サービスの改善や拡大をしていく考えだ。
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