英保守党は2026年10月5日、英国の防衛力を強化するための新たな統合防空・ミサイル防衛ネットワークとして、「ブリタニア・シールド」の創設を打ち出した。党の発表によると、同計画では今後10年間にわたり毎年10億ポンドが割り当てられる見通しである。
「ブリタニア・シールド」構想の全貌と国防相の発言
バーミンガムで開催される党大会での演説に先立ち、影の国防相ジェームズ・カートリッジは、BBCの報道に対し、この防衛計画について「100億ポンドの予算が投じられれば、これは冷戦以降における英国で最も重要な軍事計画の一つとなるだろう。しかし、私たちが直面する脅威を考えれば、それは完全に必要なものだ」と述べた。
イスラエル型防空システムとの相違と党首の軌道修正
バデノックは、英国が直面する脅威は周囲から日常的な攻撃を受けるイスラエルとは異なると指摘し、「私たちはアイアン・ドームを建設しているわけではない」と明言した。また、メディアによる比較報道について問われた際には、その表現はあくまで人々に議論のイメージを伝えるためのものであり、システム自体をそのまま複製するわけではないと説明している。

3つの階層からなる防空網の具体的な構成要素
計画されている防空網は、英陸軍がすでに保有・運用している「スカイセイバー」などの既存能力を土台としつつ、全土を無差別に守るのではなく、人口密集地や重要インフラ、軍事基地の防衛に焦点を絞る設計となっている。具体的には以下の3つの主要コンポーネントで構成される。
- 侵入する脅威を早期に探知するための先進的なレーダーシステム
- 英国全体の防衛情報を統合し、迅速な迎撃判断を下すアップグレードされた指揮統制(C2)ネットワーク
- ドローン迎撃能力を含む新型の迎撃ミサイルおよび対ドローン兵器
財源と防衛規模をめぐる与野党の応酬
野党労働党および自由民主党からは、今回の野党側の発表に対して厳しい批判が相次いでいる。
労働党の国防相ウェス・ストリーティングは、かつての保守党政権下で陸軍がナポレオン戦争時代以来の小規模な規模にまで縮小され、装備計画に170億ポンドの穴が残されたと反論した。さらに、現在の政権は冷戦以降で最大規模となる防空分野への10億ポンドの投資を含め、防衛投資を継続的に拡大させており、2035年までにNATOの目標であるGDP比3.
自由民主党の防衛担当スポークスパーソンであるジェームズ・マクリアリーも、保守党の財源計画について痛烈に批判した。
マクリアリーは、100億ポンドという金額では全土をカバーする防空システムとしては全く足りないと指摘し、福祉改革による歳出削減が最も貧しく脆弱な子どもたちを標的にしていると主張している。