英南部ゴスポートで4日、小舟で英仏海峡を渡った難民・移民149人が上陸した。これに反発するデモ隊約350人が集結し、警察官への暴行などで12人が逮捕された。一方、フランス側では同夜、フランス北部ベルクから出発した別の小舟が遭難し、男性2人が死亡、女性2人が重度の火傷を負って病院へ搬送された。
ゴスポートのマリーナ到着と抗議デモの衝突
到着の動きを察知した抗議グループ約350人が現地に集結し、警察との間で衝突が発生した。ハンプシャー・アンド・アイ・オブ・ワイト警察によると、警察官や緊急援助員への暴行、騒乱罪、人種的な動機に基づく公衆妨害の疑いなどで12人が逮捕された。現場では数人の警察官が軽傷を負ってその場で手当を受けたほか、フレア弾が打ち上げられるなどの混乱が生じた。二隻のRNLI(王立生命救助艇協会)の生命救助艇によって難民らがハスラー・マリーナへと連れてこられたあと、彼らはコーチバスでドーバーへと移送された。
こうした混乱を受け、国境警備司令部は国境を守るために昼夜を問わず活動を続けていると述べている。

暴力や器物破損は平和的な抗議とは何の関係もありません。私たちの立場は明確であり、徹底的に調査を行い、責任を負う者に対しては毅然とした措置を取ります。
サイモン・ドッズ(Simon Dodds)、ハンプシャー警察準管区長
ハンプシャー警察は、ゴスポートの町全域を対象とする立ち退き命令の分散ゾーンを設定し、命令に従わない場合の逮捕や、身元を隠すためのフェイスカバー着用を禁止する措置を講じた。また、日曜日の夜には別のボートの到着を予想して南部ハンプシャーのゴスポートにデモ隊が集結する動きも見られた。
フランス沿岸での致命的な遭難事故
同じ夜、フランス北部のパス=ド=カレー地域圏では、英本土を目指してベルクの海岸を出発した別の小舟が事故に見舞われた。フランス当局によると、30代の男性1人と40代の男性1人が死亡し、2人の女性が全身の広範囲に火傷を負って病院に搬送された。
ブローニュ=シュル=メールの検察当局が事故の経緯を調べるため捜査を開始している。パス=ド=カレー県知事のフランソワ=ザビエ・ラッシュ氏は、消防士をはじめとする救助活動に関わったすべての関係機関の尽力に謝意を表明した。
海峡横断の統計動向と新たなルートの変化
フランス北部のカレー周辺からドーバーへ向かう従来ルートとは異なり、ノルマンディー地方などより西側の地点からの出発は近年では珍しいケースとされる。しかし、こうした遠距離のルートを取る事例は、過去1ヶ月間で3度目の発生となった。
| 指標・時期 | 数値・状況 |
|---|---|
| 今年これまでの暫定渡海者数 | 19,451人(ガーディアン紙の報道による) |
| 昨年同期比の増減 | 43%減少 |
| 2024年同期比の増減 | 23%減少 |