日本語版
最新ニュース
日本

米司法省が主要テレビ局5社を独占禁止法違反の疑いで調査開始、取材拒否が対象

米国司法省は10月10日、ドナルド・トランプ大統領の報道陣に対するアクセス制限に抗議してホワイトハウスの共同取材(プール取材)を一時停止した主要テレビ局5社に対し、独占禁止法違反の疑いで調査を開始した。当局は、報道機関によるこの協調的な取材拒否がシャーマン法に抵触する可能性があると指摘している。…

トランプ政権、2030年国勢調査で非米市民を除外する規則案を公表

米国司法省は10月10日、ドナルド・トランプ大統領の報道陣に対するアクセス制限に抗議してホワイトハウスの共同取材(プール取材)を一時停止した主要テレビ局5社に対し、独占禁止法違反の疑いで調査を開始した。当局は、報道機関によるこの協調的な取材拒否がシャーマン法に抵触する可能性があると指摘している。

調査対象となった5つのテレビネットワーク

今回、司法省の調査対象となっているのは、ABC、CBS、CNN、NBC、そしてFox Newsの5社です。司法省の広報担当者エミリー・コビントン氏は、10月10日の声明で、今回の調査が「グループによるボイコット」に焦点を当てていることを明らかにしました。同氏は、「テレビのプレスプールのメンバーは、ホワイトハウスのイベント取材をボイコットしてきました。商業的な競合他社間でのグループによるボイコットは、シャーマン法に違反する可能性があります」と述べ、独占禁止法部門が取材拒否の調整過程を精査していると説明しています。司法省は金曜日に各ネットワークに対し、プール取材に関する通信記録や資料の提出を求める「民事調査命令」を送付しました。

ホワイトハウスによるCNNらの取材制限が発端

この紛争は、9月18日にホワイトハウスが「意図的にネガティブな報道を行っている」としてCNN、Politico、MS NOWの記者たちの入館資格を剥奪したことに端を発します。これに対し、ホワイトハウスのテレビ・プレスプールを構成するネットワーク各社は、CNNらの排除に抗議し、一時的に共同取材への参加を停止しました。プール取材とは、限られたスペースでの取材において、ネットワーク各社が費用を分担し、交代で映像や音声を収集・共有する長年の慣習です。このボイコットの結果、トランプ大統領と習近平国家主席との首脳会談の一部や、新たなホワイトハウス専用ヘリポートの公開といった主要イベントにおいて、予定されていたテレビ取材が実施されませんでした。

米司法省が主要テレビ局5社を独占禁止法違反の疑いで調査開始、取材拒否が対象
写真:BBC

このアクセス制限に対しては、CNN、Politico、MS NOWが連邦地方裁判所に提訴しました。9月24日、ティモシー・ケリー連邦地方判事は、ホワイトハウスに対しアクセス権の回復を命じる一時的な差し止め命令を下しました。この命令は当初14日間有効とされ、その後10月13日火曜日まで延長されました。司法省は法廷において、このアクセス制限の決定は「国家安全保障」上の理由によるものだと主張しています。

言論の自由と独占禁止法の適用をめぐる対立

報道機関の代表者や専門家からは、今回の司法省の動きに対して強い批判の声が上がっています。レポーターズ・コミッティー・フォー・フリーダム・オブ・ザ・プレスのブルース・D・ブラウン会長は、今回の調査を「ジャーナリストを威嚇するためのさらなる、そしてより厚かましい試み」と非難し、報道機関の取材方針は憲法修正第1条によって保護されていると強調しました。フリーダム・オブ・ザ・プレス財団のセス・スターン氏も、この調査を「ナンセンス」と切り捨て、 antitrust法(独占禁止法)は競争上の影響がある場合でも、長年にわたり憲法修正第1条の例外を認めてきたと指摘しています。

米司法省が主要テレビ局5社を独占禁止法違反の疑いで調査開始、取材拒否が対象
写真:Aljazeera

一方で、トランプ大統領と密接な関係にある政治活動家のローラ・ルーマー氏は、先月SNS上で「こうした協調的な取材撤回は、司法省の独占禁止法部門が真剣に調査すべき種類の結託である」と主張し、調査を促す投稿を行っていました。なお、司法省の決定にルーマー氏が関与したかどうかは現時点で不明です。

今後の法的手続きと不透明な見通し

現在、プール取材は再開されていますが、司法省の調査がどのような結果を招くかは不透明です。シャーマン法は1890年に制定された独占禁止法の柱であり、違反した場合は企業に対して最大1億ドル、個人に対しては100万ドルの罰金や禁錮刑が科される可能性があります。これまでのところ、ABCは司法省から通知を受けていないものの、いずれ受領するだろうと述べています。メディア界では、トランプ政権が政府権力を行使してメディアを威嚇しているのではないかという懸念が強まっており、今後の司法当局の動きが注目されています。

米司法省が主要テレビ局5社を独占禁止法違反の疑いで調査開始、取材拒否が対象
写真:NZ Herald
執筆者について: nipponese

Nipponese News編集部は、国内外のニュースを日本語で分かりやすくお届けします。