指定暴力団住吉会幸平一家傘下組織の幹部である80歳の男が、千葉県一宮町の海水浴場で無許可で海の家を営業したとして、海岸法違反の疑いで警視庁に逮捕された。2026年6月から8月にかけて営業を行い、約400万円を売り上げたとみられている。警視庁が海岸法を適用して摘発するのは今回が初めてとなる。
無許可営業の実態と「海ノ家中村屋」の運営
警視庁暴力団対策課の発表によると、逮捕されたのは一宮町に住む指定暴力団住吉会幸平一家傘下組織の幹部(80)である。容疑者は2026年6月22日ごろから8月31日ごろまでの間、一宮町の海水浴場において、町長の許可を得ずに「海ノ家中村屋」という名称の海の家を設置し、経営した疑いが持たれている。朝日新聞によると、容疑者は容疑を認めているという。
一宮町への営業申請は、容疑者の親族名義で行われていた。しかし、実際には容疑者本人がレジ打ちや帳簿管理といった実質的な経営を担っていたことが判明している。毎日新聞の報道では、店への呼び込みやラーメン、焼きそば、たこ焼き、おにぎり、酒の提供などは、組員や知人が手伝っていたとされる。同店は2008年から営業を続けており、今年夏の2カ月間で約400万円の売り上げがあったと警視庁はみている。
警視庁による初の海岸法適用
今回の逮捕は、暴力団の資金源を遮断する警察の取り組みの一環として行われた。朝日新聞によると、警視庁が海岸法違反の疑いで摘発に踏み切るのは今回が初めてとみられる。海岸法は、公共の海岸を占用したり、海の家のような施設を設置したりする場合、海岸管理者の許可を受けるよう定めている。
毎日新聞は、この売り上げの一部が組織に上納されていた可能性があると報じた。幸平一家(本部・東京都板橋区)は特殊詐欺を主要な資金源としているとされ、警視庁は組織の壊滅を目指して捜査を進めている。これまで長年にわたり営業を続けてきた海の家が、暴力団の資金源として機能していた疑いが浮上した形だ。
自治体による暴力団排除の取り組み
海の家をめぐっては、暴力団の影響力を排除するために、各地の自治体が独自のルールを設けている。千葉県では、海の家の設置許可に関する審査基準を定めており、暴力団組員やその関係者には許可を与えない方針を明確にしている。
他の地域でも同様の規制が導入されている。神奈川県が策定したガイドラインでは、海の家の責任者や従業員に対して身分確認を求め、暴力団関係者ではないとする誓約書の作成を義務付けている。また、北海道小樽市の「おたるドリームビーチ」でも、暴力団排除のための厳しいルールが運用されている。

- 千葉県:暴力団組員や関係者への設置許可を認めない審査基準を設定。
- 神奈川県:ガイドラインで責任者や従業員の身分確認と誓約書の提出を義務化。
- 小樽市:おたるドリームビーチにて暴力団排除の独自ルールを運用。