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2024-10-07 10:00:00
リトアニアの首都ビリニュス。
Westend61/ゲッティイメージズ
- リトアニアのスタートアップシーンは活況で、それが首都ビリニュスを変貌させている。
- ユニコーン企業のVintedやNord Securityもビリニュスの工場跡地「サイバー・シティ(Cyber City)」周辺を拠点としている。
- もう1つの古い工場跡地「テック・ジティ(Tech Zity)」はヨーロッパ最大のテック・キャンパスになる見込みだ。
リトアニアの首都ビリニュス旧市街の外れにある工業用ビル群の中に、いくつかの灰褐色のレンガ造りの建物が周囲を見下ろすようにそびえ立っている。
高い大きな煙突は旧ソ連時代の靴下工場の遺物だ。レンガは靴下の柄を模して並べられていて、この歴史を思い出させる。
この建物は今、「サイバー・シティ」として知られている。変化したリトアニアの象徴だ。

サイバー・シティは靴下工場時代の遺物である煙突を中心としている。
ジョシュア・ネルケン・ツィッツァー/Business Insider
すぐ近くのバス停は数メートル先に本社を構えるテクノロジー大手のヴィンテッドやノルドセキュリティを称え、「ユニコーン」と呼ばれている。
Nord Securityの最高技術責任者マリウス・ブリエディス(Marijus Briedis)氏は、このエリアはかつて「立入禁止区域」だったと語った。
「危険な場所だったんです」
Nord Securityは2022年、リトアニアで2番目の10億ドル規模のテック・ユニコーンになった —— Vintedの3年後だ。

サイバー・シティにあるNord Securityの本社。
ジョシュア・ネルケン・ツィッツァー/Business Insider
ブリエディス氏は旧ソ連時代の工場や今にも崩れ落ちそうな建物、そして、かつてこの地域に住んでいたいかがわしい人々について話した。
今はリトアニアの急成長するテクノロジー・スタートアップシーンに後押しされ、急速に変化しているという。Nord Securityのビルは、シリコンバレーのテック企業のキャンパスからインスピレーションを得ている。
「この5年間は全てのスタートアップとスタートアップ・コミュニティーにとって、本当に成長著しい時期だったと言えるでしょう」とブリエディス氏は語った。
「わたしたちはまさに爆発しましたから」

Nord Securityの新しい本社の中の様子。
ジョシュア・ネルケン・ツィッツァー/Business Insider
第二次世界大戦の後、リトアニアは旧ソ連に強制的に吸収され、1990年に独立した。リトアニアは長年、安く楽しめる都市滞在型休暇の目的地として主に知られていたが、近年は様変わりしている。
2018年から2023年にかけて、リトアニアのスタートアップ・エコスシステムは大きく成長し、その企業価値は合計で7倍以上に伸びた。
リトアニアには現在、900を超えるスタートアップがある。少なくとも3つの”ユニコーン”を擁しているというこの国は、バルト諸国の中で最も急速に成長しているスタートアップ・エコシステムを誇り、中東欧におけるVC投資額では第2位だという。
人口300万人弱のリトアニアは、近隣の大国に比べてはるかに市場が小さいとブリエディス氏は指摘する。
「だからこそ、グローバルに考えなければならない」
ヨーロッパ最大のテクノロジー・キャンパス
このスタートアップシーンの中心がリトアニアの首都ビリニュスだ。リトアニアの全ての新興企業の企業価値の約90%をこの街が占めている。
ビリニュスのバルダス・ベンクスカス(Valdas Benkuskas)市長によると、これはリトアニアの国内総生産(GDP)のほぼ半分にあたる。
スタートアップ大国としてビリニュスは今、ベルリンやロンドン、アムステルダムといったヨーロッパの大都市に匹敵する”テックハブ“になろうとしている。ただ、それはまだもう少し先のことだ。
とはいえ、その変貌ぶりはサイバー・シティのようなプロジェクトや現在進行中のさらに野心的なプロジェクトによく表れているとベンクスカス市長はBusiness Insiderに語った。
サイバー・シティから歩いてすぐのところにある野心的なプロジェクト「テック・ジティ」は、リトアニアのテックシーンを活性化させる一助となるだろう。

「テック・ジティ」はヨーロッパ最大のテック・キャンパスになる見込みだ。
ジョシュア・ネルケン・ツィッツァー/Business Insider
「リトアニアが90年代に独立を果たしてから、ここは主に工場、縫製工場、冶金工場でした」とテック・ジティのCOOキプラス・クラソースカス(Kipras Krasauskas)氏は、現在、建設作業が進むこの広大な場所について話している。
「その次に、小売会社や運送会社が作られ始めました。そして今、次の世代がやってきて、NordVPNやVinted、キロヘルスといったグローバルな製品を生み出しています」
すでに複数の企業が、広さ59万2015平方フィート(約5万5000平方メートル)、最大5000人を収容できるヨーロッパ最大のテック・キャンパスになる予定のテック・ジティでスペースを確保している。
現時点では埃っぽい床、鉄の支柱、むき出しの木の梁があるだけだ。

テック・ジティは現在、建設中だ。
ジョシュア・ネルケン・ツィッツァー/Business Insider
だが、クラソースカス氏は起業家がスタートアップを立ち上げ、ベンチャーキャピタルとつながり、資金を確保し、取引を成立させることのできる、活気あるコミュニティーとしてのテック・キャンパスを構想している。
同氏はテック・ジティがヨーロッパのイノベーションの中心地となり、未来の”ユニコーン”が数多く生まれる場所となることで、リトアニア経済が力強く発展することを願っている。
「GDPのますます多くの部分がこのエリアで生み出されるようになるとわたしは信じています」
サイバー・シティ同様、テック・ジティも旧ソ連時代の工場跡地で開発中だ。

テック・ジティはヨーロッパ最大のテック・キャンパスとなる見込みだ。
ジョシュア・ネルケン・ツィッツァー/Business Insider
古い縫製工場は今も近くの小さな建物で操業しているが、もともとの大きな建物はレストラン、スポーツセンター、会議場などを備えたキャンパス・ハブとして生まれ変わろうとしている。
「テック・ジティでは古い建物を取り壊して新しい建物を建てるのではなく、古い建物を改修して新しい命と機能を与えたいと考えています」とクラソースカス氏は話している。
古い窓枠は少人数の会議などに使える個室に、木の梁はコワーキングテーブルに、ハロゲンライトはアート・ディスプレイにアップサイクルされる。

アップサイクルして、新しいオフィスに利用する。
ジョシュア・ネルケン・ツィッツァー/Business Insider
変わりゆく街
テックハブになるという野望を抱く一方で、ビリニュスは旧ソ連時代の痕跡を守ろうともしている。
テック企業は新しいけれど、彼らは意図的に「旧ソ連時代に建てられ、長年放置されていた古い工場を買ったんです」とビリニュスのベンクスカス市長は語った。
「このことは、リトアニアとビリニュスが古い技術、放置された建物が象徴する旧ソ連時代から、新しい技術、新しい経済、そして新たな強みへと、いかに変化したかを物語っています」
「わたしたちがこのように街を変えていることを誇りに思っています」
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