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2025-05-19 22:30:00
トヨタ:中国向けEV「bZ3X」がスマッシュヒット
2025年3月号のトヨタの世界界販売台数は前期比0.9%減の936万2000台(レクサスを含めると同0.3%減の1027万4000台)。このうち、中国の販売台数は同5.9%減の178万9000台だった。中国事業の営業利益は2896億円で、前期から4割近く減少した。

中国市場の販売台数は年々減少し、減少幅も拡大しているが、日産やホンダほどは落ち込みんでおらず、トヨタの宮崎洋一副社長は「ぎりぎり台数も維持できている。収益についても評価の高いローカル企業と比べても遜色ない」と従来通りの見解を示した。
また、「14億人の消費者全てをビジネスとしてケアできるわけではない。沿岸部、大都市を中心に中国市場を見ていくべき。市場を細かく見て行けば、(中国勢との)直接的な競合を避けながら共存できるエリアが多い」と述べ、中国の中でも消費力の高い市場にフォーカスすると強調した。

中国のEVシフトについて、佐藤恒治社長は「明らかに進化が速く、知能化とセットになってモビリティの進化を促している。風速の速いところに身を置いて先端技術を取り込みたい」と話した。
トヨタは今年に入って中国市場の販売台数を伸ばしており、2~4月まで3カ月連続で前年同月を上回っている。ホンダ、日産は下げ止まっておらず、トヨタの好調さが際立つ。
要因の一つは3月に投入したSUV・EV「bZ3X」のヒットだ。
内部の居住性を高め、中級グレード以上では先進運転支援機能(ADAS)を搭載。中国市場のトレンドを網羅し、販売価格は10万9800〜15万9800元(1元20.2円で計算、約220万〜320万円)と、3年前に投入した「BZ3」より100万円以上安くした。
性能に対する低価格は大きな反響を呼び、発売1カ月で販売台数は2万台を超えた。ファーウェイのOSをトヨタで初めて搭載した現地開発モデルのセダンEV「BZ7」も今後投入予定で、4~6月期の決算発表でも明るい話題が聞かれそうだ。
ホンダ:「非常に厳しい」繰り返す

。中国市場が足を引っ張り、2025年3月期の自動車世界販売は前期比9.6%減の371万6000台だった。
三部敏宏社長はアナリスト向けの質疑応答で、中国市場について
「前期でいうと78万6000台、前年比でいうとマイナス34%と台数を大きく落としている。ICE(ガソリン車)主体のホンダとしては非常に厳しい状況」
「値引き合戦の業界トレンドは継続しており、台当たり4万元ぐらいのインセンティブが必要となっている。足元、BYD筆頭に実勢価格を下げているのが現状であり、ホンダを取り巻く環境は非常に厳しい」
と、「厳しい」を繰り返した。
ホンダは2027年までに中国市場にEVを10車種投入し、2035年までにEV販売比率を100%とするターゲットを掲げている。2024年に「E:np2」「E:NS2」を発売したが、「販売は低位にとどまっている」(三部社長)。
2025年春には中国市場向けに開発した燁(yè:イエ)シリーズのP7、S7を発売した。しかしこちらも中国勢の新車発売ラッシュに埋もれ、三部社長は「商品としては高評価をいただいているものの、実際の販売計画を下回っているという現状、その要因としては、上市売価が競合に対して高い位置づけであるということと認識している」と認めている。
現時点ではサプライズ価格を打ち出したトヨタと明暗が分かれている。
EV市場の失速で、自動車メーカーがEVの投資計画を見直しPHVにシフトする動きもあるが、三部社長は
「 2030年以降、グローバルの車の大半がSDV(ソフトウェアに定義された車)という位置づけになると想定しており、その辺も含めて、中国で勝てないものはグローバルでも勝てないという時代になると認識している」
と述べた。中国市場の知能化を重視している点はトヨタと共通している。
日産:中国からの輸出を視野

日産の2025年3月期の世界販売台数は前期比2.8%減の334万6000台。中国を除いた販売台数は前年並みで、中国の落ち込み(同12.2%減の69万7000台)がそのまま全体に反映された。
2025年1~3月期の中国での販売台数は19.2%近く減少しており、減少幅は期を追うごとに拡大している。

2026年3月期の見通しは関税の影響を含んでおらず、中国が18.2%減、それ以外のグローバルが1.1%増。
日産は経営危機に直面しており、工場閉鎖、人員削減などのリストラ計画が連日報道されているが、中国市場については「攻め」の姿勢だ。合弁を組む東風汽車と共同開発し4月末に発売したセダンEV「N7」の輸出を視野に入れる。N7にはディープシーク(DeepSeek)の生成AI技術を導入し、今後、既存車種にファーウェイのコックピット技術を採用する予定だ。

4月に就任したイヴァン・エスピノーサ社長は決算会見で「中国市場のサプライヤーを見直し、中国外に招待する可能性がある」と述べた。これまで中国で生産した自動車は輸出しておらず、拠点の位置づけを変えようとしている。

N7の価格は11.99万~14.99万元(約240万~300万円)で、日産によると発売即1万台を受注した。ピックアップトラックのプラグインハイブリッド車(PHV)「フロンティア プロ」も年内の投入を予定しており、巻き返しの一歩になるか注目される。
マツダ:中国専用EV相次ぎ投入
マツダの2025年3月期の世界販売は前期比1%減の120万7000台。ただ、中国市場は同23%減の7万4000台だった。

マツダは販売台数に占める北米市場の割合が大きく、2026年3月期の業績予想開示を先送りしたが、中国市場の業績も数年前から瀬戸際にある。
同社は2024年秋、長安汽車と共同開発したセダンEV・EREV「 EZ-6」を発売し、年内にクロスオーバーSUV「非60」も投入、起死回生を図る。
BYDをはじめとする中国勢の猛攻を受け、日系、独系など外資系自動車メーカーは苦しい戦いが続いている。日系各社が中国の消費者にフォーカスしたEVを投入した2025年は、きわめて重要な1年になる。
浦上早苗: 経済ジャーナリスト、法政大学MBA実務家講師、英語・中国語翻訳者。早稲田大学政治経済学部卒。西日本新聞社(12年半)を経て、中国・大連に国費博士留学(経営学)および少数民族向けの大学で講師のため6年滞在。「新型コロナ VS 中国14億人」「崖っぷち母子 仕事と子育てに詰んで中国へ飛ぶ」(大和書房)。未婚の母歴13年、42歳にして子連れ初婚。
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