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2025-09-22 08:30:00
- 10月1日を効力発生日として、67もの銘柄が「株式分割」を行う。
- そのなかには、USスチールの買収で話題となった日本鉄鋼や、規模拡大を加速させるドン・キホーテのPPIHなども含まれる。
- 67銘柄の一覧リストと、そのなかで注目したい9銘柄について解説する。
日経平均が最高値を維持し続けるなか、株式市場の活性化も進んでいる。
10月1日を効力発生日として、67もの銘柄が「株式分割」を行う予定なのだ。そのなかには、USスチールの買収で話題となった日本鉄鋼や、規模拡大を加速させるドン・キホーテのパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)なども含まれる。
日本の株式市場では「単元株制度」が採用されており、1単元=100株のまとめ買いが基本だ。そのため、購入のハードルが高くなる銘柄が多い。そのため、株価上昇に伴って、株式分割が相次いでいるのだろう。
本記事では67銘柄の一覧リストと、そのなかで注目したい9銘柄について解説する。
10月1日に株式分割する67銘柄【全リスト】
1. 大東建託|配当次第で検討したい銘柄
分割日:2025/10/1
分割比:1/5
配当利回り:4.31%
株主優待:なし
今回、5分の1の株式分割を行う大東建託。その目的は投資家層の拡大と株式の流動性の向上である。現在の株価は1万6000円程度で、最低投資金額は160万円と大きい。この水準が続けば、株式分割によって、1単元を30万円台で購入できるようになる。
同社の収入源は、賃貸アパート・マンションの建設事業と不動産賃貸事業だ。不動産賃貸事業では、オーナーが所有する物件を借り上げ、入居希望者に転貸する(サブリース)。賃貸物件が多いほど大東建託も儲かる構図だ。
同社は増収が続いており、26年3月期は売上高1兆9700億円の見込みだ。一方の株価は17年末の2万2000円台をピークに減少し、コロナ禍では8000円台まで下がったが、現在では持ち直している。
都内では不動産価格の高騰で賃貸へのシフトが進んでいる。業績と株価は必ずしも一致しないが、配当利回りは4%台と、プライム全体平均(2%台後半)より高いため、配当目的で検討したい銘柄である。
2. フライングガーデン|新規出店で大化けするか?
分割日:2025/10/1
分割比:1/2
配当利回り:1.08%
株主優待:2000円相当の優待券または商品(100株)
東京都心や地方在住の方はフライングガーデンを知らないかもしれない。同社は郊外型レストランチェーン「フライングガーデン」を運営する企業だ。
爆弾ハンバーグが看板商品で、セットのライスはお代わり自由。客単価は1500円前後とみられる。北関東や埼玉県を中心に90年代に店舗数を伸ばし、2010年ごろをピークに減少に転じたが、近年では約60店舗で落ち着いている。
すかいらーくやサイゼリヤなどと比較すると小規模だが、筆者としては注目している。店舗数が増えていないにもかかわらず、近年の売上高が伸びているためだ。コロナ禍で70億円から50億円台まで減少したものの、24年度に過去最高を更新し、今期は90億円を予想している。昨年末には14年ぶりの新規出店を果たした。
現在の株価は約3000円で、2分の1に分割後は1単元が15万円程度で購入が可能となる。配当利回りは約1%と低いが、近年では他社のハンバーグチェーン「さわやか」が話題になることもあり、同様に注目を浴びればフライングガーデンの株価も伸びるかもしれない。
3. 日本製鉄|USスチール買収で話題に
分割日:2025/10/1
分割比:1/5
配当利回り:3.63%
株主優待:サッカーや演奏会の招待券
日本製鉄は2012年に新日本製鐵と住友金属工業が合併して誕生し、19年に現社名に変更した。国内の鉄鋼業界ではトップの規模である。日本の粗鋼生産量は2007年の1億2020万トンをピークに減少し続けており、近年では24年度は8295万トンとなった。中国の過剰生産もあり、業界としては期待できない。
とはいえ、日本製鉄は6月にUSスチールの買収を完了した。投資額は約2兆円に達する。本件によって日本製鉄は米国での大規模な生産拠点を確保することになり、現地の製造業向けの供給体制が整う。米国では現トランプ政権の方針で製造業回帰の動きがあり、鉄鋼への関税を最大50%に引き上げた。政権次第だが、米国拠点の確保は日本製鉄に一定のメリットをもたらすかもしれない。
日本製鉄の株価は3〜4月に下落したが、USスチール買収完了をうけて回復し、現在では3000円台を推移している。株の最低購入金額は30万円台だが、5分の1分割によって6万円台まで縮小する見込みだ。
4. 北國FHD|地銀衰退時代にどう動くか
分割日:2025/10/1
分割比:1/10
配当利回り:3.16%
株主優待:なし
北國フィナンシャルホールディングス(北國FHD)は、石川地盤の北國銀行を運営する持株会社だ。21年にホールディングス体制となった。
同社の株価は約6000円で、最低投資金額は60万円台。10月1日に10分の1の分割を予定しており、実現すれば他の銀行株と同様、数万円単位で購入できるようになる。
北國FHDの株価は設立日(21年10月)の2000円台から、22年には4000円を突破した。最大90億円の自社株買いを実施したことが背景にある。とはいえ、地銀は人口減少と企業数減少で衰退時代に入ったと言われる。金利上昇を背景に直近の銀行株は好調だが、長期の上昇はあまり期待できないだろう。
5. PPIH|食品強化型「ドンキ」の将来性
分割日:2025/10/1
分割比:1/5
配当利回り:0.83%
株主優待:「majica」ポイント2000ポイント分(100株以上)
パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)はドン・キホーテを展開する企業だ。2000年代から急成長を遂げたが、現在でも規模拡大は止まらない。19年に「アピタ」「ピアゴ」などを運営するユニーを子会社化し、200店舗超を取得。24年6月期に売上高は2兆円を突破し、現在では800店舗弱を展開する。
ドン・キホーテにおける商品の陳列方法は「圧縮陳列」と呼ばれ、その面白さが消費者を惹きつけてきた。食品も取り扱い、以前のような雑貨屋ではなく必需品を買う場所になっている。PPIHの将来を左右するのは海外事業と「食品強化型ドンキ」だ。
現在は収入・収益のほとんどが国内事業であり、海外事業からの利益はあまり出ていない。25年6月期の営業利益は国内が1581億円で、北米・アジアはそれぞれ20億円前後だ。海外事業の収益性が高まれば株価も上昇するだろう。また、非食品の比率を25%に抑えた食品強化型ドンキを新たに出店するとしており、安さで消費者をどの程度確保できるか注目される。
PPIHの株価はコロナ禍以降を通じて上昇し続けており、現在では5000円を突破している。株の最低購入金額は分割によって50万円台から10万円台に下がる見込みだ。
6. 安楽亭|高知名度だがやや低迷気味か
分割日:2025/10/1
分割比:1/2
配当利回り:0.40%
株主優待:1万3000円相当の優待券(100株)
焼肉チェーンの安楽亭は10月1日に2分の1の株式分割を行う予定だ。株価は23年以降、7000円台を安定して推移しており、最低投資金額は70万円台から30万円台に縮小することになる。
かつて焼肉チェーンといえば安楽亭が代表格だったが、牛角や焼肉きんぐなどが台頭し、存在感が薄れてしまった。「安楽亭」単独で約140店舗、焼肉業態としては業界4位の規模である。
20年にはステーキチェーン「フォルクス」を運営するアークミール社を子会社化し、現在の店舗数はグループで約300店舗となった。近年の売上高は300億円台を推移する。
ベトナムにも展開しているが、数店舗にとどまり、本格的な海外展開には至っていない。現状の方針が続けば、株価も変化せずこれまで通りの状況が続きそうだ。
7. ゴ-ルドウイン|アウトドアウェア人気の寿命は?
分割日:2025/10/1
分割比:1/3
配当利回り:2.25%
株主優待:Tシャツなどの贈呈品
ゴールドウインは自社ブランドのスポーツウェアを製造・販売するほか、ザ・ノース・フェイスなどの他社ブランド品も取り扱う。同社は10月1日に1/3の株式分割を実施する予定だ。現在の株価は8000円前後で最低投資金額は80万円程度であり、分割後は30万円弱で購入できるようになる。
近年の業績は売上高・利益ともに上昇が続いた。アウトドア・スポーツウェアの人気が続いたほか、直営店ではインバウンド比率が25%となり、訪日客による影響を受けた。海外へ攻勢をかけており、海外売上高比率は現状の5%台から10%を目指している。
観光地付近の店舗は外国人客の存在が目立つ。今後の株価は国内のアウトドアウェア人気と海外事業に左右されるだろう。
8. スクウェア・エニックス・HD|巣ごもり需要は終了
分割日:2025/10/1
分割比:1/3
配当利回り:1.28%
株主優待:なし
スクウェア・エニックス・HDは10月1日に3分の1の株式分割を実施する予定だ。現在の株価は1万円前後を推移し、最低投資金額は100万円程度だ。株式分割によって30万円台で購入できるようになる。
株価は2020年代以降、5000円〜6000円台を推移し、25年から急上昇した。シンガポールの”物言う株主”として知られる投資ファンド、3Dインベストメント・パートナーズが買い増しし、経営陣への助言や自社株買いの期待が高まっているためだ。
足元の業績はコロナ禍の巣ごもり需要で売上高が3000億円を突破し、好調が続いた。しかし、巣ごもり需要の反動により25年3月期は前年比9%減の3200億円台となり、今期はさらに下回る2800億円を見込む。量より質を求め、利益率を改善する方針だ。
利益率の改善が株価を押し上げるかもしれない。だが、新たなヒット作を生み出す攻めの姿勢が無いとして、株価が下落する可能性もある。
9. ニトリホールディングス|収益性を改善できるか
分割日:2025/10/1
分割比:1/5
配当利回り:1.08%
株主優待:10%の割引券
ニトリHDは25年3月期末時点で国内835、海外213店舗の1000店舗超を展開している。売上高は年々上昇し続け、24年度は9288億円だ。
規模拡大が続いてきたが、2万円超あった株価は直近の1年で下落し続け、現在では1万4000円台を推移する。投資家が避けるようになったのは、国内成長の鈍化や、円安やコスト高に伴う減収が起きたためだ。国内は店舗数が増え続けたが、閉店も目立つ。既存店売上高も芳しくない。
幸い、国内にはニトリに匹敵するライバルが居ないため、すぐに業績が悪化することは無いだろう。注目は海外事業の動向だ。近年では東南アジアに進出しており、アジア圏で勢力を伸ばしている。
国内外を問わず、ニトリのように画一的な家具を提供する店舗は少ない。ユニクロのように海外事業が化ける可能性もある。収益改善のために中国でスクラップ&ビルドを繰り返している点は評価できる。
現在の最低購入金額は140万円と、初心者にはとても届かない金額だ。5分の1の分割後は30万円弱で購入でき、東証が目標とする目安に近づく。
まとめ
正直なところ、今回の銘柄は「賭け」の側面があると考えている。冷静に見れば、60店舗のレストランチェーンが数百店舗になるかは、認知度や流行次第だ。安楽亭も現状のままでは伸びる見込みが小さい。日本製鉄は米国事業が左右することになり、ドン・キホーテ、ニトリは両社とも海外事業が今後の株価を左右する。配当利回りが大きいが、その分、リスクは大きいといえそうだ。
筆者は海外事業が有望なゴールドウインに注目している。だが、どの程度伸びるかは未知数だ。配当利回りが大きい大東建託は、短期・中期の保有で検討したいところ。だが、人口減少も懸念される。地方衰退が加速する現状、地銀株は避けた方が良いかもしれない。
安定性志向で考えれば、個別株ではなくオルカン型投資信託を選ぶべきだろう。だが、仕込んでおけば、1.5倍、2倍の利益を狙えるのが個別株も良さでもある。投資にはある種の遊びも必要だ。ポートフォリオの一部であれば個別株でも問題ないだろう。
※本記事は取材対象者の知識と経験に基づいて投資の選定ポイントをまとめたものですが、事例として取り上げたいかなる金融商品の売買を勧めるものではありません。本記事に記載した情報や意見によって読者に発生した損害や損失については、筆者、発行媒体は一切責任を負いません。投資における最終決定はご自身の判断で行ってください。
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