政府は7月24日、皇族数の確保を目的とした改正皇室典範を公布した。3カ月後の10月24日に施行される予定だが、女性皇族の身分保持や旧宮家の男系男子の養子縁組を盛り込んだ内容に対し、世論調査では6割が理解を得られていないと答えるなど、議論が続いている。(dot.asahi.com報道)
改正皇室典範の公布と今後のスケジュール
政府は皇族数の確保に向けた改正皇室典範を7月24日に公布し、3カ月後の10月24日に施行することを明らかにした。今後、宮内庁を中心に準備が進められる見通しである。今回の改正では、男系男子限定による皇位継承の原則が維持される一方で、皇族数を維持するための具体的な制度変更が盛り込まれた。dot.asahi.comの報道によると、成立直後の7月18日から19日にかけて朝日新聞が実施した電話世論調査では、「法律改正は、国民の理解を得られていると思いますか」との問いに対し、6割が「国民の理解を得られていない」と回答している。
改正法が認めた二つの新しい仕組み
7月17日に成立した改正皇室典範は、皇族数を確保するために二つの点を可能にしている。一つ目は女性皇族が結婚後も皇族の身分を保つことであり、二つ目は旧宮家の男系男子を養子として皇族に迎えることである。ただし、女性皇族については夫や子どもが皇族にはならず一般の国民のままであるため、男の子が生まれても皇位継承資格は持たない。一方で、旧宮家の男系男子が養子となった場合に男の子が生まれたときは、その子孫も含めて皇位継承資格を持つ仕組みとなっている。京都産業大名誉教授の所功氏は、dot.asahi.comの取材に対し、「法律が成立してしまってから、エーこんな内容だったのか、と驚いている人も少なくないのでは」と指摘している。
歴史的経緯と現行制度への批判
ノンフィクション作家の保阪正康さんは、Yahoo!ニュースのインタビューにおいて、今回の改正を「歴史に逆行する」と強く批判している。明治22年に制定された皇室典範は、大日本帝国憲法のもとで男系男子や終身在位を定めていたが、戦後の新憲法下で象徴天皇制となった際に見直されるべきだったという。天皇や国民の意見を十分に聞かせることなく、男系男子にこだわる一部の政治勢力の考え方だけで進められた点に強い怒りを示している。さらに、2016年に当時の天皇が示した生前退位の意向にも表れているように、制度の矛盾が長年続いてきたと指摘している。
今後の宮家継承と制度運用の行方
男系男子限定の皇位継承が維持される中、近く実現するとみられているのが旧宮家の子孫の男子と現宮家との養子縁組第一号である。どのような養子宮家が創設されるのか、宮内庁の具体的な準備や該当者の選定作業に注目が集まっている。政府は10月24日の施行に向けた作業を進める構えだが、皇室関係者や有識者の間では制度に対する戸惑いの声も伝えられており、国民的な合意形成が今後の大きな課題となっている。
