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国防総省に徹底抗戦したAnthropicのユーザー倍増。AIチャットボット「一夫一妻制」時代の到来 | Business Insider Japan

国防総省はアンスロピックに対する最後通牒として、大統領権限で民間企業に増産や優先供給を命令できる「国防生産法」を発動し、敵対国と直接関係する企業などに適用されてきた「サプライチェーン上のリスク」に指定すると脅迫したものの、協議は最終的に決裂に至ります。直後の2月27日、トランプ大統領は全ての連邦政府機関にアンスロピックの技術使用を停止するよう指示を出し、半年かけて政府契約から段階的に排除すると説明しました。同日、事態が急展開します。アンスロピックの最有力競合企業であるオープンAIが、自社開発のAIモデルを国防総省の機密ネットワークに展開することで合意したと突如発表したのです。2月28日付のBBCの報道によれば、その直前の社内メールで「もはやアンスロピックと戦争省だけの問題ではありません。業界全体の問題であって、私たちの立場を明確にすることが重要です」と連帯する意思を示していたにも関わらず。ただし、そうした電撃的な「漁夫の利」劇には前段がありました。数週間前に開催された全米プロフットボール(NFL)の優勝決定戦スーパーボウルで、ChatGPTの無料版および低価格版を対象に広告配信を計画するオープンAIを揶揄(やゆ)したCMをアンスロピックが流し、オープンAIのサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)はそれを「面白くない、欺瞞(ぎまん)的だ」と批判していました。【独自】グーグル、営業部門にもAIツール活用を要請。週ごとの使用回数ノルマも、人事評価に影響 | Business Insider Japanそうした一種の「前哨戦」を経て、アンスロピックと国防総省が決裂した絶妙のタイミングでオープンAIが割って入ったために、両社の対立は回復不可能なほど決定的になったのです。ただし、一連の出来事の中で世間の注目を浴びたアンスロピックはそれを好機と捉え、驚くべき如才なさを発揮しました。ユーザーの好みや文脈を記憶するメモリ機能を無料版でも利用できるようにした上で、競合チャットボットからメモリを移行しやすくするツールを導入したのです。それと前後して、アンスロピックのClaudeチャットボットはアップル(Apple)が運営する米国のアップストア(App Store)で無料アプリ(ダウンロード数)ランキングのトップに立ちました。同社の広報担当に聞くと、2月の最終週は毎日アカウント登録者数が過去最高を更新する勢いだったそうです。また、調査会社シミラーウェブ(Similarweb)の最新データによると、アンスロピックと国防総省の対立が初めて報じられてからおよそ1カ月でClaudeモバイルアプリの日間アクティブユーザー(DAU)は約1200万人へと倍増を果たしています。無自覚で「そこそこ優秀な」社員にもはや居場所はないかも。猛烈なAIの進化が変える「Bランク」 | Business Insider Japan煎じ詰めれば、こうした全ての動きはAIチャットボット「一夫一婦制」時代の到来を告げる兆候なのかもしれません。AI開発を手がける大手企業がユーザーにより深いコミットメントを求めていることはあらゆる兆候から明らかです。例えば、各社の上位モデルはいずれもペイウォールの向こう側(つまり有料版)にあり、無料版でできることとの差はどんどん広がっています。また、AI開発大手は近い将来に予定している新規株式公開(IPO)を前に、自社のビジネスモデルが確実にワークすることを投資家に向けて示さねばならず、それは足元で大きなプレッシャーとなっています。どっちつかずのフリーライダーに人気のモデルより、(絶対数では見劣りしても)有料版を利用する安定的な顧客基盤を抱えるモデルのほうが、投資家にとっては魅力的に映るでしょう。ユーザー側もいくつかのチャットボットを試しているうち、自然とお気に入りのどれかに引き寄せられていく可能性があります。試行錯誤を経て実用的なものを選ぶ段階になると、複数のチャットボットを行ったり来たりして生産性を上げようという発想がそもそも生産的でない気がしてくるものです。ビデオ会議ツールのZoomやTeams、Google Meetを仕事で併用してきた(そしてまだ併用せざるを得ない)人なら、この感覚分かりますよね。加えて現実論として、有料版を使わないと容量や機能が足りないという段階まで来たら、月数千円、数万円のサブスクリプション契約を複数契約する気になれるでしょうか。OpenAIの評価額8400億ドル資金調達が金融市場の常識を「破壊した」ことが分かる2枚のチャート | Business Insider Japanそのように、これまでさほど大きな問題と見られてこなかった判断や選択の必要性が浮上する中、アンスロピックにとって、国防総省との大々的な対立は顧客獲得にはずみをつける上で絶好の機会と言えるでしょう。AIの利用に際しては(入力した個人情報が不本意に学習データとして使われる可能性など)懸念されることも多いので、今回大規模な市民監視を目的とした技術利用に徹底抗戦したアンスロピックは、安全性を前面に押し出して顧客にアピールすることができるかもしれません。逆に、競争が激化し、技術も加速度的に向上する中、安全性こそ最重要とする顧客の要望に応じ続けるのはもはや不可能であることが証明されてしまう可能性も十分あり得ます。実際、アンスロピックはこれまで、AIが自社の安全対策では制御し切れないペースで進化を遂げた場合、スケールアップを一時中止し、危険性の伴うモデルの展開を遅らせる「責任あるスケーリングポリシー」を掲げてきましたが、3月3日に発表した声明を通じてそうした自己規制を緩和しました。同社のジャレッド・カプラン最高科学責任者(CSO)は2月末に公開されたタイム誌のインタビュー記事で「競合他社が猛スピードで突き進む中、当社だけが一方的な(安全重視の)約束をすることが理にかなっているとは思えませんでした」と語っています。 #国防総省に徹底抗戦したAnthropicのユーザー倍増AIチャットボット一夫一妻制時代の到来 #Business #Insider #Japan

国防総省に徹底抗戦したAnthropicのユーザー倍増。AIチャットボット「一夫一妻制」時代の到来 | Business Insider Japan

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2026-03-05 23:00:00

国防総省はアンスロピックに対する最後通牒として、大統領権限で民間企業に増産や優先供給を命令できる「国防生産法」を発動し、敵対国と直接関係する企業などに適用されてきた「サプライチェーン上のリスク」に指定すると脅迫したものの、協議は最終的に決裂に至ります。

直後の2月27日、トランプ大統領は全ての連邦政府機関にアンスロピックの技術使用を停止するよう指示を出し、半年かけて政府契約から段階的に排除すると説明しました。

同日、事態が急展開します。

アンスロピックの最有力競合企業であるオープンAIが、自社開発のAIモデルを国防総省の機密ネットワークに展開することで合意したと突如発表したのです。

2月28日付のBBCの報道によれば、その直前の社内メールで「もはやアンスロピックと戦争省だけの問題ではありません。業界全体の問題であって、私たちの立場を明確にすることが重要です」と連帯する意思を示していたにも関わらず。

ただし、そうした電撃的な「漁夫の利」劇には前段がありました。

数週間前に開催された全米プロフットボール(NFL)の優勝決定戦スーパーボウルで、ChatGPTの無料版および低価格版を対象に広告配信を計画するオープンAIを揶揄(やゆ)したCMをアンスロピックが流し、オープンAIのサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)はそれを「面白くない、欺瞞(ぎまん)的だ」と批判していました

【独自】グーグル、営業部門にもAIツール活用を要請。週ごとの使用回数ノルマも、人事評価に影響 | Business Insider Japan

そうした一種の「前哨戦」を経て、アンスロピックと国防総省が決裂した絶妙のタイミングでオープンAIが割って入ったために、両社の対立は回復不可能なほど決定的になったのです。

ただし、一連の出来事の中で世間の注目を浴びたアンスロピックはそれを好機と捉え、驚くべき如才なさを発揮しました。

ユーザーの好みや文脈を記憶するメモリ機能を無料版でも利用できるようにした上で、競合チャットボットからメモリを移行しやすくするツールを導入したのです。

それと前後して、アンスロピックのClaudeチャットボットはアップル(Apple)が運営する米国のアップストア(App Store)で無料アプリ(ダウンロード数)ランキングのトップに立ちました

同社の広報担当に聞くと、2月の最終週は毎日アカウント登録者数が過去最高を更新する勢いだったそうです。

また、調査会社シミラーウェブ(Similarweb)の最新データによると、アンスロピックと国防総省の対立が初めて報じられてからおよそ1カ月でClaudeモバイルアプリの日間アクティブユーザー(DAU)は約1200万人へと倍増を果たしています

無自覚で「そこそこ優秀な」社員にもはや居場所はないかも。猛烈なAIの進化が変える「Bランク」 | Business Insider Japan

無自覚で「そこそこ優秀な」社員にもはや居場所はないかも。猛烈なAIの進化が変える「Bランク」 | Business Insider Japan

煎じ詰めれば、こうした全ての動きはAIチャットボット「一夫一婦制」時代の到来を告げる兆候なのかもしれません。

AI開発を手がける大手企業がユーザーにより深いコミットメントを求めていることはあらゆる兆候から明らかです。例えば、各社の上位モデルはいずれもペイウォールの向こう側(つまり有料版)にあり、無料版でできることとの差はどんどん広がっています。

また、AI開発大手は近い将来に予定している新規株式公開(IPO)を前に、自社のビジネスモデルが確実にワークすることを投資家に向けて示さねばならず、それは足元で大きなプレッシャーとなっています。

どっちつかずのフリーライダーに人気のモデルより、(絶対数では見劣りしても)有料版を利用する安定的な顧客基盤を抱えるモデルのほうが、投資家にとっては魅力的に映るでしょう。

ユーザー側もいくつかのチャットボットを試しているうち、自然とお気に入りのどれかに引き寄せられていく可能性があります。

試行錯誤を経て実用的なものを選ぶ段階になると、複数のチャットボットを行ったり来たりして生産性を上げようという発想がそもそも生産的でない気がしてくるものです。

ビデオ会議ツールのZoomやTeams、Google Meetを仕事で併用してきた(そしてまだ併用せざるを得ない)人なら、この感覚分かりますよね。

加えて現実論として、有料版を使わないと容量や機能が足りないという段階まで来たら、月数千円、数万円のサブスクリプション契約を複数契約する気になれるでしょうか。

OpenAIの評価額8400億ドル資金調達が金融市場の常識を「破壊した」ことが分かる2枚のチャート | Business Insider Japan

OpenAIの評価額8400億ドル資金調達が金融市場の常識を「破壊した」ことが分かる2枚のチャート | Business Insider Japan

そのように、これまでさほど大きな問題と見られてこなかった判断や選択の必要性が浮上する中、アンスロピックにとって、国防総省との大々的な対立は顧客獲得にはずみをつける上で絶好の機会と言えるでしょう。

AIの利用に際しては(入力した個人情報が不本意に学習データとして使われる可能性など)懸念されることも多いので、今回大規模な市民監視を目的とした技術利用に徹底抗戦したアンスロピックは、安全性を前面に押し出して顧客にアピールすることができるかもしれません。

逆に、競争が激化し、技術も加速度的に向上する中、安全性こそ最重要とする顧客の要望に応じ続けるのはもはや不可能であることが証明されてしまう可能性も十分あり得ます。

実際、アンスロピックはこれまで、AIが自社の安全対策では制御し切れないペースで進化を遂げた場合、スケールアップを一時中止し、危険性の伴うモデルの展開を遅らせる「責任あるスケーリングポリシー」を掲げてきましたが、3月3日に発表した声明を通じてそうした自己規制を緩和しました。

同社のジャレッド・カプラン最高科学責任者(CSO)は2月末に公開されたタイム誌のインタビュー記事で「競合他社が猛スピードで突き進む中、当社だけが一方的な(安全重視の)約束をすることが理にかなっているとは思えませんでした」と語っています。

#国防総省に徹底抗戦したAnthropicのユーザー倍増AIチャットボット一夫一妻制時代の到来 #Business #Insider #Japan

執筆者について: nipponese

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