2026年9月21日に千葉県を襲った台風25号の影響で、木更津市をはじめとする県内の広範囲で停電が発生した。停電は最大で約6万2704戸に達し、倒木や土砂崩れによる道路寸断が復旧作業を阻む事態となった。住民は長引く停電への対応を余儀なくされている。
台風25号による停電被害の全容
2026年9月21日夜、関東地方に最接近した台風25号は千葉県内に甚大な被害をもたらした。電気新聞によると、停電戸数はピーク時に6万2704戸を記録した。東京電力パワーグリッド(PG)は復旧作業を急ぎ、9月28日午後2時時点では6460戸まで減少したものの、依然として一部地域で停電が続いている。被害が長引く背景には、大雨による土砂崩れや倒木で道路が寸断され、重機や高所作業車が現場へ立ち入れない状況がある。
復旧作業を阻む山間部の地理的要因
千葉県南部の大多喜町などでは、山肌が露出し電線がちぎれて垂れ下がる被害が確認されている。電気新聞の報道では、現地に入った作業員が、道路の陥没や土砂による遮断で高所作業車の進入が困難であると報告した。東電PGと協力会社であるさいでんの社員らは、重機が入れる範囲で電線の張り替えや樹木の伐採を進めているが、作業は難航している。現場の作業員は「重量のある作業車が入れない道が多い」と、復旧の遅れに苦悩をにじませた。

住宅用蓄電池の活用と切り替えの教訓
木更津市へ移住して3年半になる住民の記録によると、21日の19時ごろに始まった停電は、翌々日の午前1時まで約30時間続いた。住宅用蓄電池を設置していた世帯では、通常時の「連系」モードから、停電時の「自立」モードへの切り替えが必要となる。しかし、パワコンのリモコン操作だけでは供給が始まらないケースもあり、分電盤付近にある特定負荷機器切替スイッチの確認が不可欠だった。この住民は、台風接近時に不用意な外出を避けて自宅で待機する判断を下していた。
各地で続く停電と復旧への道のり
千葉日報オンラインおよびdメニューニュースの速報によると、10月3日や5日の時点でも、木更津市、市原市、袖ケ浦市、千葉市稲毛区などで停電が継続している。

- 市原市:約160軒~180軒
- 木更津市:約90軒~110軒
- 袖ケ浦市:約70軒~90軒
- 長柄町:約50軒~100軒
- 君津市:約40軒~80軒
これらの数値は各報道時点での概数であり、復旧時間は未定とされている。東電PGは、東京電力ホールディングスおよび協力会社を含め、総勢1700人以上の要員を動員し、電源車23台を投入して復旧に当たっている。
長期化する停電への住民の備え
大多喜町の集落に住む住民は、今回の停電について「2019年の台風以来の長さだ」と語った。ポータブル電源などで明かりを確保しつつも、食料の冷蔵保存が困難になるなど、生活への影響は深刻化している。東電PGの復旧前線拠点がイオンモール木更津に置かれるなど、組織的な対応は進められているが、山間部の細い道路など、物理的な制約がある地点の復旧がいつ完了するのか、現時点では見通しが立っていない。