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2026-03-07 23:30:00
- 原油高による混乱を投資家が注視する中、市場では「スタグフレーション」が議論の的となっている。
- 原油高がインフレ率を押し上げる一方で、経済活動を抑制しかねないことが懸念されている。
- 先週発表されたインフレ率とGDPのデータも、すでにスタグフレーションへの懸念を掻き立てていた。
昨年、関税をめぐる混乱の中で、投資家を震え上がらせたスタグフレーション、すなわち「高インフレと低成長」という最悪の組み合わせが、イランをめぐる戦争を新たな引き金として、再び表面化してきている。
スタグフレーションは、政策立案者にとって通常の景気後退よりも解決が困難なため、経済における「最悪のシナリオ」とされることが多い。通常の不況であれば、アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)は利下げによって景気を下支えできるが、スタグフレーション下では、利下げがさらなるインフレを助長するリスクがあるため、対応策が限られてしまうからだ。
3月に入ってから、原油価格の動きがインフレをめぐる議論の新たな材料となっている。一方、先週発表された経済指標は、今年の成長見通しに暗い影を落としている。
イランでの紛争が4日目を迎える中、国際的な指標である北海ブレント原油の価格が、3月3日の時点で1バレル=84ドルまで上昇した。
この原油価格は2024年以来の高値であり、1970年代に経済をスタグフレーションの悪循環へと陥らせたオイルショックとの類似性を指摘する声も出ている。スタグフレーションとの関係で懸念されているのは、原油高がインフレを押し上げる一方で、経済活動を抑制しかねないことだ。
オンライン証券会社Interactive Brokersのシニアエコノミストであるホセ・トレス(José Torres)は、スタグフレーションのリスクは「間違いなく」高まっているとの見方を示し、中東での紛争が2月末から激化して以降、米国債利回りが急上昇していると指摘している。これは、投資家がインフレ加速と金利上昇を予見し、政府債券を売却している兆候であり、結果として経済成長の重石となる可能性がある。
地政学的な混乱期に国債利回りが上昇するのは異例の事態であり、今回の急騰は投資家の間でインフレ懸念が強まっていることを示唆している。トレーダーは、債券を「安全な避難先」として買い入れるのではなく、インフレ再燃に伴う高金利の長期化を織り込み、売却に動いている。
10年物米国債利回りは、3月3日に4.1%まで急上昇し、2月27日から13ベーシスポイント上昇した。
著名なエコノミストであるモハメド・エルエリアン(Mohamed El-Erian)は3月2日、「これら一連の混乱が積み重なった結果、世界経済にはスタグフレーション再燃の兆しが吹き荒れている」と指摘した。
投資会社Siebertの最高投資責任者(CIO)であるマーク・マレック(Mark Malek)は、現在の市場環境に「スタグフレーションの兆しを感じている」とBusiness Insiderに語っている。原油価格が6カ月間にわたって高水準で推移する場合や、株式市場の低迷が1カ月以上続く場合には、特に懸念が強まるとの認識を示した。スタグフレーションのシナリオについては、「消費が目に見えて後退する可能性があり、さらに深刻な問題になりかねない」と述べた。
イランでの紛争が始まる前から、市場ではすでに、インフレ率の上昇と経済成長の鈍化に対する懸念が広がっていた。
2月下旬に公表された統計によれば、実質GDPは第4四半期に前年同期比1.4%の増加にとどまり、市場予想の2.8%を大きく下回った。
消費者物価は総じて低下傾向にあるものの、卸売物価の指標である生産者物価指数(PPI)は1月に前月比0.8%上昇し、市場予想の0.3%を大きく上回った。
これらの数値はすでに「懸念すべき内容」であり、「スタグフレーションを示唆している」と、TradeStationのグローバル市場戦略責任者であるデビッド・ラッセル(David Russell)が3月2日のノートで述べている。
「紛争が長期化すれば、インフレ期待が定着し、企業の信頼感が損なわれる可能性がある。時間の経過とともに、物価高騰と失業率の上昇が同時に進行するスタグフレーション的なショックへと発展しかねない」
フランスの大手銀行Société Généraleのエコノミストは、原油価格が少なくとも3カ月にわたり1バレル=90ドルを上回る水準で推移した場合、世界のインフレ率は最大1パーセントポイント押し上げられる一方、世界経済の成長率は最大0.2パーセントポイント押し下げられる可能性があるとの見方を示した。
また、JPモルガン・チェース(JPMorgan Chase)のマーケット・インテリジェンス・チームに所属するストラテジストも、3月1日のメモで、同行が提供するスタグフレーションをテーマとした投資バスケット(銘柄群)を注視していると述べた。
一方で、「とはいえ、現在の市場はファンダメンタルズから乖離している」とも指摘し、その要因のひとつとしてアメリカとイランの紛争を挙げている。
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