訪日外国人旅行者の間で、日本の物価に対する評価が分かれている。オーストラリアから南米を経由して来日した旅行者が「けっこうする」と語る一方、スイスからの旅行者は外食価格の安さに驚きを示している。Hint-Potが報じた。
南米周遊から来日した旅行者の実感
オーストラリア出身のロビナさんは、大学卒業後の長期旅行の一環として日本を訪れた。10か月にわたる旅の行程には、ペルー、ボリビア、チリ、アルゼンチンといった南米の国々が含まれている。日本には約2週間半滞在する予定で、現在は大分県別府市で暮らす友人のリリーさんとともに各地をめぐっている。
Hint-Potの取材に対し、ロビナさんは日本の物価について「母国オーストラリアよりは少し安い」と認める。しかし、直前まで滞在していた南米地域の物価水準が非常に低かったため、日本での支払いに際しては「けっこうするんだな」という印象を受けることが多いと明かした。単なる「安い」という一言では括れない、長期間の旅行者ならではの金銭感覚が浮き彫りとなっている。
スイス人旅行者が感じた価格差
一方、同じくHint-Potが報じたスイス出身のフィオナさんとルカさんの事例では、日本を「安すぎる」と評価する声が上がっている。ふたりにとって今回が初めての日本旅行であり、東京や京都、大阪など日本各地を巡る4週間の滞在を計画している。
スイスから来たルカさんは、日本の飲食店の価格について「驚きしかない」と語る。具体的には、前夜に居酒屋で刺身や寿司などを楽しんだ際の支払額が約3200円(17スイスフラン)だったことを挙げた。フィオナさんは、これと同じ食事をスイスで行った場合、約9500円(50スイスフラン)はかかると指摘する。両国の外食価格には約3倍の開きがあると、ふたりは実感している。
日本旅行がトレンドとなる背景
日本を訪問先に選んだ理由について、フィオナさんは周囲の影響を挙げている。彼女の友人たちの間で日本旅行がトレンドとなっており、実際に訪れた人々から「良いことしか聞かない」という評判が、日本への関心を高めたという。2年前に来日した姉からもポジティブな感想を聞かされており、念願の初訪日を実現させた形だ。
- ロビナさん(オーストラリア出身):南米を経て来日し、日本は「けっこうする」と評価。
- フィオナさん・ルカさん(スイス出身):スイスとの比較で、日本の外食は「約3分の1の価格」と驚きを示す。
多様化する物価の捉え方
今回の事例からわかるように、訪日外国人が感じる「日本の物価」は、出発地や直前の滞在国によって大きく左右される。南米のような低物価圏から訪れる旅行者と、スイスのような高物価圏から訪れる旅行者とでは、同じ飲食店を利用してもその受け止め方に決定的な差異が生じている。
今後も、円安や各国の経済状況の変化に伴い、インバウンド客の消費行動や日本に対するコスト意識は変動し続けることが予想される。旅行者それぞれが持つ直近の体験が、日本という国の物価に対する評価を形作る重要な要因となっている。