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出生動向基本調査で判明した未婚男女の結婚相手の経済力に関する意識と現実

国立社会保障・人口問題研究所が9月11日に発表した最新版の「出生動向基本調査(独身者調査)」によると、女性が結婚相手に求める年収条件がインフレを起こしており、現実の所得水準との乖離が深刻な問題となっている。独身研究家の荒川和久さんは、子育て支援偏重の少子化対策が生んだ残酷な格差が背景にあると指摘している。 女性が求める経済力の基準と年収インフレの実態 女性が「結婚相手の条件で重視・考慮する点」として男の経済力を挙げる割合は、1992年の88.7パーセントから2025年の90.3パーセントへと一貫して9割前後で推移している。ネット系の婚活記事では常に年収条件が話題となり、2019年には「年収500万円くらいの普通の男でいいです」という発言が物議を醸した。当時でも25から34歳の独身男性で年収500万円以上に該当するのは3割未満であり、十分な高望みだった。しかし、男の年収条件はその後もインフレし続け、600万円、700万円と上昇し、2026年には「800万円の普通の年収でいいです」という発言が見られるまでになっている。800万円という額は数パーセントしか存在せず、到底普通とは言えない水準である。 Photo: girlschannel.net 独身男女の中央値と現実の世帯年収の大きな溝 現在の婚活市場において、普通の独身男女が結婚できない背景には明確な数字の隔たりがある。独身男女のそれぞれの中央値を足しても650万円にしか届かない一方で、現在結婚している夫婦の世帯年収中央値は835万円に達している。世帯年収中央値は2010年の506万円から15年で329万円も増加した。夫の給料の増加分だけでは足りず、妻が働かざるを得なくなったと見るのが妥当な状況である。中央値の年収同士の男女ではとても結婚できない構造となっており、これが未婚化に拍車をかけている。 男性側における「女の経済力」への意識の変化 長年にわたり女性側が経済力を求める構図が続いてきたが、男性側の意識にも大きな変化が生じている。かつて1992年時点ではわずか26.7パーセントに過ぎなかった男性が「女の経済力」を求める割合は、2025年の調査で55.6パーセントまで急増した。1992年対比で倍以上の増加を記録している。男女差は依然として残るものの、現在では男性の過半数がパートナーの経済力を重視するようになった。共働きが前提となる生活コストの上昇や物価高を受け、男性側も専業主婦を養う余裕を失いつつある。 理想と現実のミスマッチがもたらす今後の婚姻動向 国の中央調査が示すデータと、婚活現場の体感温度の間には埋めがたい溝が存在している。給与水準が上がらない一方で生活コストが増大する中、男女双方が相手により高い経済力を求める傾向は当分の間収まらない見通しだ。中央値の収入を持つ平均的な男女がそのままでは結婚に至らないという構造的な矛盾を解消しない限り、少子化と未婚化の歯止めをかけることは極めて困難であるといえる。

出生動向基本調査で判明した未婚男女の結婚相手の経済力に関する意識と現実

国立社会保障・人口問題研究所が9月11日に発表した最新版の「出生動向基本調査(独身者調査)」によると、女性が結婚相手に求める年収条件がインフレを起こしており、現実の所得水準との乖離が深刻な問題となっている。独身研究家の荒川和久さんは、子育て支援偏重の少子化対策が生んだ残酷な格差が背景にあると指摘している。

女性が求める経済力の基準と年収インフレの実態

女性が「結婚相手の条件で重視・考慮する点」として男の経済力を挙げる割合は、1992年の88.7パーセントから2025年の90.3パーセントへと一貫して9割前後で推移している。ネット系の婚活記事では常に年収条件が話題となり、2019年には「年収500万円くらいの普通の男でいいです」という発言が物議を醸した。当時でも25から34歳の独身男性で年収500万円以上に該当するのは3割未満であり、十分な高望みだった。しかし、男の年収条件はその後もインフレし続け、600万円、700万円と上昇し、2026年には「800万円の普通の年収でいいです」という発言が見られるまでになっている。800万円という額は数パーセントしか存在せず、到底普通とは言えない水準である。

出生動向基本調査で判明した未婚男女の結婚相手の経済力に関する意識と現実
Photo: girlschannel.net

独身男女の中央値と現実の世帯年収の大きな溝

現在の婚活市場において、普通の独身男女が結婚できない背景には明確な数字の隔たりがある。独身男女のそれぞれの中央値を足しても650万円にしか届かない一方で、現在結婚している夫婦の世帯年収中央値は835万円に達している。世帯年収中央値は2010年の506万円から15年で329万円も増加した。夫の給料の増加分だけでは足りず、妻が働かざるを得なくなったと見るのが妥当な状況である。中央値の年収同士の男女ではとても結婚できない構造となっており、これが未婚化に拍車をかけている。

男性側における「女の経済力」への意識の変化

長年にわたり女性側が経済力を求める構図が続いてきたが、男性側の意識にも大きな変化が生じている。かつて1992年時点ではわずか26.7パーセントに過ぎなかった男性が「女の経済力」を求める割合は、2025年の調査で55.6パーセントまで急増した。1992年対比で倍以上の増加を記録している。男女差は依然として残るものの、現在では男性の過半数がパートナーの経済力を重視するようになった。共働きが前提となる生活コストの上昇や物価高を受け、男性側も専業主婦を養う余裕を失いつつある。

理想と現実のミスマッチがもたらす今後の婚姻動向

国の中央調査が示すデータと、婚活現場の体感温度の間には埋めがたい溝が存在している。給与水準が上がらない一方で生活コストが増大する中、男女双方が相手により高い経済力を求める傾向は当分の間収まらない見通しだ。中央値の収入を持つ平均的な男女がそのままでは結婚に至らないという構造的な矛盾を解消しない限り、少子化と未婚化の歯止めをかけることは極めて困難であるといえる。

執筆者について: nipponese

Nipponese News編集部は、国内外のニュースを日本語で分かりやすくお届けします。