保守党党首のケミ・バデノック氏は、バーミンガムで開催された党大会で、政権獲得時には家族の家に対する相続税を完全に撤廃すると公約した。この政策は、住宅所有を重視する保守党の伝統的な路線への回帰を鮮明にしている。
ケミ・バデノック氏による相続税撤廃の公約
保守党党首のケミ・バデノック氏は、次期政権下で「家族の家」を課税対象から外すと明言した。この公約には、夫婦がさらに100万ポンドの資産を非課税で相続可能にする措置も含まれている。バデノック氏は、この改革により「すべての相続税の請求書」を削減すると約束した。現在のルールでは、相続税の非課税枠は2029年から2030年度末まで固定されているが、バデノック氏はこれを覆す姿勢を示した。
福祉制度と防衛費
バデノック氏は福祉制度を「壊れている」と断じ、厳格な「タフ・ラブ(厳しい愛)」のアプローチを掲げた。「私たちは所得税で徴収する額よりも多くの額を福祉に費やしている」と指摘し、就労可能な者には就労を求める仕組みを構築すると述べた。就労しない者には、アルコールやタバコ、ギャンブルには使用できない、必需品購入専用のカードを支給する方針を示した。また、防衛面ではGDPの3%を支出する公約を再確認し、「平和の時代は終わった。平和を望むなら、戦争に備えなければならない」と訴えた。さらに、5万戸の刑務所収容施設を増設し、凶悪犯罪に対する最低刑を厳格化する計画も明かした。
ビジネス界の反応と今後の展望
英国産業連盟(CBI)のレイン・ニュートン=スミス最高経営責任者(CEO)は、バデノック氏の演説に対し、「ビジネス界は、繁栄の原動力としての企業への強い支持や、健全な公的財政、過度な規制への取り組みを歓迎するだろう」と述べた。特に若者の雇用を容易かつ安価にするという保守党の姿勢を評価している。また、エネルギー価格の高騰に苦しむ企業に対し、安価でクリーンなエネルギー供給を目指す提案も歓迎されると指摘した。
バデノック氏は党大会で、保守党が「この国の魂をかけた戦い」に臨む準備ができていると強調した。党内では、これらの政策を掲げることで改革党や自由民主党に流出した有権者を取り戻したい考えがある。一部では、バーナム首相が来春にも解散総選挙に踏み切る可能性があると予測されており、バデノック氏は「いつ選挙が行われようとも、戦い、勝利する準備はできている」と宣言した。