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2026-03-16 10:00:00
- 中国の大手テック系企業の元製品マネージャーが、中国のAI製品は西側の製品と根本的に異なると指摘した。
- この人物は、美団(Meituan)に勤務していたチャン・イーリン氏で、「中国の国内市場とそれ以外の国の市場は根本的に異なっている」と証言する。
- その後、AIスタートアップに転職したチャン氏によると、中国では従来型のキャリアパスより起業の道を選ぶ人が増えていると語る。
この記事は、「美団(Meituan)」で3年以上の勤務経験を持ち、今はデラウェア州のAIスタートアップ「Kuse」でAI製品マネージャーとして働くチャン・イーリン(Yilin Zhang)氏とのインタビューに基づいている。文章は長さやわかりやすさを考慮して編集している。Business Insiderはチャン氏の職歴や学歴について確認した。
私は、2021年に北京の精華大学でコンピューター・サイエンスの修士号を得たのち、中国でも最大級のテック企業、美団に就職して製品マネージャーを務めた。
美団は、中国の生活サービスプラットフォーム企業で、特にフードデリバリーサービスで知られている。ここで私は2つのAI(人工知能)プロジェクトを担当した。一つは消費者向けのAIアシスタントで、食事のオーダーを含めて、ユーザーがさまざまなタスクを実行するのを助けるものだった。
もう一つは、各種サービスを提供する事業者向けのAIエージェントで、日常業務の管理を支援するものだった。具体的には、予約のハンドリングやオーダーの管理、ルーティン的な業務タスクなどのサポートだ。
中国とアメリカでは、こうしたAI製品の設計思想が異なっている。こうした違いが生じる一番の理由は、市場の特質にある。
中国テック系企業の費用対効果が並外れて優れている理由
中国の大手テック系企業では、2025年ごろからAI製品の開発が急加速した。
私が美団で担当していたAIプロジェクトは、2025年の4月から5月にかけて始動した。ちょうど、中国製AIのディープシーク(DeepSeek)への関心が急激に高まり、AIエージェントに関する注目に火がついた時期だ。
大手企業は、先を争うようにしてAIプロジェクトに着手し、ほぼすべての事業体が独自のAIプロジェクトを立ち上げていた。
中国のテック系各社は、長いあいだ、特に2021年ないし2022年より前の時期には、国外への事業拡大よりも、もっぱら国内での競争に注力していた。中国国内での競争が非常に激しかったため、テック系企業は、効率性を極限まで向上させることを余儀なくされた。その結果、これらの企業の業務遂行手法は、空恐ろしくなるほど研ぎ澄まされた。
こうして中国のAI企業は、西側とは異なる道を歩むことになり、オープンソースモデルと費用対効果にひときわ重点が置かれた。制約によって新たな方向の模索を強いられることになった結果、切り開かれた道の先では独自の価値が生まれた。
その好例がディープシークだ。国際的な制約があったため、ディープシークは大量のGPUにアクセスできず、やむを得ず、効率性を主眼にイノベーションを図ることになったからだ。
中国のAI製品が、西側の製品と異なる理由
中国の市場は、国外の市場と根本的に異なっており、ユーザー基盤や、製品に期待される要素、製品設計思想も違う。
中国のユーザーは、ソフトウェアに対価を支払う意向が格段に低い。なので、字節跳動(バイトダンス)のAIチャットボット「豆包(Doubao)」を含む大衆市場向けAI製品は、無料で提供される傾向がある。それらはアクティブユーザーの基盤を拡大することが主な目的となっているケースが多い。
こうしたサービスでは、多くの機能が詰め込まれており、ユーザーからの単一のプロンプトによって呼び出される形をとる。そのほとんどで利用に至る敷居が低いチャットボックス型のインターフェースが採用されている。
一方、中国以外のAI製品は、高付加価値のタスクを行なうユーザーをターゲットとしている。こうした製品は、モバイルデバイスよりもデスクトップ向けに開発されていることが多く、職場での使用により適したインターフェースが採用されている。
これらの製品は、さまざまな仕事の状況において、AIと人間がいかに協力し、接点を持てるかという可能性を追求している。ユーザーが、より効果的・効率的にタスクを完了できるよう、AIが後押しをするのだ。
中国では、こうした目的を持つユーザーグループの規模は比較的小さい。そのため、中国の主要なAI製品がチャット形式を脱却し、より高度な製品へと進化するのは困難になっている。
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