ホルムズ海峡周辺での軍事衝突と死傷者
アメリカ軍によるイランへの攻撃は6日連続で継続しており、イラン国内のインフラを標的とした軍事行動が激化している。米国中央軍(CENTCOM)は、最新の攻撃は16日木曜日の18:00 GMTに開始されたと発表し、今回の作戦の目的を「イランの軍事能力をさらに低下させること」であると説明した。CENTCOMによると、15日水曜日の02:00 GMTから7時間にわたって行われた別の攻撃では、ホルムズ海峡周辺およびイラン沿岸部の「数十の軍事目標」に対し、戦闘機やドローン、艦船を用いて精密誘導兵器による攻撃が実施された。
この攻撃により甚大な被害が出ており、イラン保健省のホセイン・ケルマンプール報道官は、一連の攻撃で260人以上が負傷したと発表した。テヘラン側は、これまでの攻撃で30人以上の民間人が死亡したと報告している。特にホルモズガンのバンダル・エ・ハミール橋への攻撃では、イランのファルス通信によると、少なくとも7人が死亡し、9人が負傷した。イランのメディアは他にも、チャバハールの海上保安や救助活動に使われる民間施設である海軍監視塔や、南東部のシスタン・バルチェスタン州バンプールの軍事基地などが標的になったと伝えている。
また、米軍はオマーン湾において、イランへの封鎖を回避しようとした商船3隻をリダイレクトし、従わなかった1隻を無力化し、別の1隻に乗り込む措置を講じた。
イランによる報復攻撃と周辺国への影響
イラン側の報復も拡大している。イスラム革命防衛隊(IRGC)は、バハレーンの米軍使用基地に対する攻撃を主張した。これは、イランの南西部アフワーズにある小児がん病院の避難を余儀なくさせた米軍の攻撃への対抗措置であるとしている。さらに、イランはクウェートやヨルダンへの攻撃も主張した。クウェート軍は、32機のドローンが主要施設を標的にし、物的損害を与えたと報告した。クウェート国防省によると、今回の衝突でクウェート海軍の艦船が攻撃を受け、4人の隊員が負傷した。

アルジャジーラのアクセル・ザイモビッチ記者は、ドーハから、カタール、ヨルダン、バハレーンといった国々が標的になっていると報じた。カタールは金曜日にイランによる攻撃を迎撃したが、その際、子供1人が破片により負傷したと発表した。バハレーンでも空襲警報が発令され、内務省が住民に安全な場所への避難を呼びかける事態となっている。
外交的停滞と「相互不信」の深まり
今回の軍事衝突は、わずか1ヶ月前に両国が平和への一歩として署名した覚書(MoU)の維持を困難にしている。双方が相手による合意違反を主張し、敵対関係が急速に深まっている。イラン軍の報道官は、ワシントンがホルムズ海峡の安全を不安定にしていると非難し、同海峡の状況は「二度と以前の状態には戻らない」と宣言した。

イラン軍のモハマド・アクラミニア准将は、米国の攻撃が続く限り、イランの反撃は「新たな地域へ拡大する」と警告している。ジュネーブ安全保障政策センターのアリ・アフマディ氏は、この状況について分析を行っている。また、米国内ではドナルド・トランプ大統領がイランのインフラを攻撃すると示唆したことが、現在の緊張の背景にあるとされている。
今後の見通し
米国は火曜日からイランの港湾に対する海軍封鎖を再開した。これに対し、イラン側はホルムズ海峡の支配権は譲歩しないとの姿勢を崩していない。軍事作戦が継続する中、米軍の兵器在庫が減少しており、将来の紛争遂行能力にリスクが生じているとの指摘も出ている。現時点で、事態の沈静化に向けた具体的な交渉再開の見通しは立っていない。
