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2025-05-27 08:30:00
- 退職までの数年間は極めて重要だ。この時期にミスを犯すと、手痛いしっぺ返しが待っている。
- 退職までに必要な貯蓄額がわかったら、試しに予定収入額で暮らしてみよう。
- 相続計画が退職後のニーズに合った最新のものであることを確認しよう。
リタイアへの移行はワクワクすると同時に、少し不安を感じるかもしれない。何十年も積み重ねてきたキャリアに別れを告げることだからだ。だがこれは、浜辺で本を読みながらゆったりと過ごしたり、友だちや家族との時間を楽しんだりする月日の始まりでもある。
こうした変化に伴う精神的・感情的な側面を考えるのは大事だが、お金についてもやるべきことがある。ファイナンシャルプランナーは退職前後の5年間を「レッドゾーン(危険区域)」と呼ぶ。この時期の貯蓄や投資の判断が、その後の人生の資金的な安定に多大な影響を与えうるからだ。
ファイナンシャルプランニング企業ファーザー(Father)の副社長兼ウェルスマネージャーのアシュレイ・フォークス氏は、退職計画には長期的な視点が必要と説く。詳細な計画を立てて、医療費、インフレ、予想外の支出に付きまとう不安を解消することが不可欠だ。
ファイナンシャルプランナーが、退職まであと5年に迫った人に贈る、6つのアドバイスを順に紹介しよう。
1. 支出先を把握する
リタイアへの移行の第一歩は、いまの支出額を把握することだ。そうすれば、安定収入がなくなったときに、いくら必要なのかがわかる。
項目別に細かく予算を立てるような面倒は不要だ。エグジット59アドバイザリー(Exit 59 Advisory)の社長兼ウェルス・アドバイザーのエヴァン・ビーチ氏は、その代わりに、過去2年間の銀行口座からの引き落とし額を24で割って、毎月の支出額を算出するようアドバイスする。
「これには一時的支出も含まれているはずだが、それよりも、この数字を見て、リタイアに向けて着実に歩んでいることを確認することが大事だ」
2. 計画予算で暮らしてみる
貯蓄が先に尽きてしまうのではないか、家族に金銭的負担をかけてしまうのではないかといった不安は尽きない。こうした不安に戦略的に対処するには、退職後に計画している予算で暮らしてみるのが一番だと、フォークス氏は言う。
「シミュレーションすると、計画と実際の費用の差が明らかになるので、必要なら修正しよう」と、フォークス氏は言う。子どもの大学費用など、過去の資金負担が原因で貯蓄が進んでいないなら、リタイア前にそれを確認すると良い。退職に向けて貯蓄を加速することはまだ可能だ。
3. 上限金額まで貯蓄に回す
たとえリタイアに向かって着実に進んでいたとしても、この時期に積極的に貯蓄に回すのは良いアイデアだ。退職までの最後の5年は、収入が最も高い一方で、子どもが独立していれば、家計負担は軽減されているだろう。
「高収入と生活費の低下は、貯蓄を大幅に増やしたい人に最適な環境だ。キャリアの最後の5年間は、退職基金への拠出額を上限まで引き上げよう」とシリウス・ウェルス・ストラテジー(Sirius Wealth Strategies)の創業者でウェルスマネジメント・アドバイザーのジェシカ・マクナミー氏は言う。
だが、それが叶わなくてもがっかりしないでほしい。節税効果の高い退職口座に上限まででなくても、出来るだけ拠出することを奨励する。わずかな金額でも、ないよりましだ。
また、手元現金を十分に確保しておこう。社会保障や年金、退職口座からの引出し額といった保証収入で、どのくらいの支出を賄えるかを考えよう。そうすれば、手元現金としていくら保有しておくのが適切かわかる。
4. 投資ポートフォリオを見直す
アセット・アロケーション(投資ポートフォリオにおける株式や債券などへの資産配分額)は定期的に見直した方が良いが、退職時期が近付いたらことさら確認が必要不可欠だ。
「退職前後にリスクの高すぎるポートフォリオを保有していると、文字通り残りの人生に多大な影響を与えるだろう」とハーバード・ファイナンシャル・アドバイザーズ(Harvard Financial Advisors)のシニア・バイスプレジデント兼ウェルス・アドバイザーのモニカ・ドワイヤー氏は言う。
「退職5年前から退職後の数年間に大きな損失を被ると、リタイア後の人生の方向が狂ってしまうことがある。リスクを認識し、それに従って調整しよう」
ポートフォリオのアセット・アロケーションは投資家によって異なる。リスク許容度が低く、貯蓄があまりない人と、リスク許容度は低いが予算に余裕がある人、はたまた相場が変動する中でも積極的に投資できる人は、どれもアプローチが違うはずだ。ポートフォリオを適切に調整できるようファイナンシャルアドバイザーの助けを借りることも有益だろう。
また、ポートフォリオを税金別にきちんと分けておく時期でもある。税引前の投資口座、税引き後の投資口座、非課税口座に分別するのが理想的だ。ドワイヤー氏は「そうすれば選択肢が増える」と言う。
5. 必要な住宅の修繕を終わらせておく
退職して時間ができてから住宅の修繕をすればいいと思うかもしれないが、ビーチ氏はすぐに取り組むことを勧める。
「金融面から言うと、通常子どもが独立してからリタイアまでの間が、最も収入面で余裕がある」と、ビーチ氏は言う。この時期に大きな支出に対応してしまおう。
そうすれば、市場動向がどうなっているかわからないリタイア後に、多額の出費リスクを軽減できる。
6. 相続計画をアップデートする
最後に相続計画を見直したのはいつだろうか。最近見直していないなら、いまこそ更新するときだ。すでに何十年も貯蓄をしてきたので、いまが純資産額のピークだろう。したがって、どういう状況下で、誰に自分の資産を相続させるのか考えることは重要だ。
たとえば、信託を活用すれば、贈与者が亡くなった後でも受益者に対する資産の支払方法、その時期、理由を管理できると、マクナミー氏は言う。また、税務状況を考え、増加した純資産に国税や地方税がかかるかどうかも確認した方が良い。
「子どもが小さく、まだ資産が多くないときに相続計画を立てる人が多い。だが、リタイアまであと5年に迫ったときは、子どもは成人し、資産は大きく増えている。資産を大幅に変更し、それに伴い遺産計画を更新する必要がある」
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