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2025-08-25 22:30:00
中国のフィギュアメーカー「POP MART」のキャラクターであるLABUBU(ラブブ)が世界的ブームになっている。8月25日にはユニクロがラブブとのコラボ商品を日本で発売した。
都内の店舗をのぞいてみると、子どもを連れた女性二人組が「そういえば今日ラブブのTシャツが発売らしいね」と話していた。「そんなに人気になるほどかわいいかなあ」「でも〇〇ちゃんはラブブ大好きみたいで、ユニクロのTシャツも超楽しみにしてたよ」という会話を聞いていると、認知と人気の高まりを実感する。
POP MARTが8月19日に発表した2025年1月から6月までの最終アカウントは、ラブブ効果が存分に反映され、売上高、純利益ともに過去最高だった。決算では初めて地域別の売上高が公開され、同社を5年ウォッチしていた筆者も初めて知る内容が満載だった。飛ぶ鳥を落とす勢いのPOP MARTの成功要因と将来性を知ることのできる10のポイントを、前後編に分けて紹介したい。
株価は年初の3.5倍に

① 売上高、純利益は前年の数字を半年で超える
POP MARTの2025年上期の売上高は前年同期比3倍(204.4%)増の138億8000万元(1元=20.5円で計算、約2800億円)、純利益は同5倍の45億7000万元(約940億円)だった。
上半期の段階で売上高、純利益ともに2024年通期の実績を上回った。創業者の王寧氏CEOは「当社は昨年100億元の売上高を計上し、今年は200億元を目指していますが、現在では今年300億元も容易に達成できると感じています」と自信を示した。
決算発表翌日の8月20日、同社の株価は一時12.54%上昇し、1株あたり316香港ドル(1香港ドル=18.8円で計算、約5900円)に達した。株価は年初の3.5倍に上昇し、なお天井が見えない。
②粗利益率は6.3ポイント上昇
売上高に対して純利益の伸びが大きいのは、粗利益率が前年同期の64%から6.3ポイント拡大し70.3%となるなど、収益性が向上しているからだ。
POP MARTによると海外市場の顧客単価が中国国内より高く、海外販売比率が増加したことで粗利益率を4ポイント押し上げた。また、プロモーション活動を減らしたり、コラボ先に支払うライセンス料や金型費の比率が低下したことも、粗利益率の上昇に寄与し、2025年1~6月期の純利益率は非国際会計基準33.9%に達した。
同社CFOによると、下半期の純利益率は35%前後を見込んでいる。
最高益もたらした海外市場と新カテゴリ
ラブブやPOP MARTの歴史については、本連載で数回取り上げているので、過去の記事を一読してほしい。
2025年1~6月期が最高益になったのは、以下の要因が挙げられる。
③ラブブが爆発的ヒット
ラブブは10年前に香港のデザイナーによって生み出された森の妖精ファミリー「THE MONSTERS(ザ・モンスターズ)」の1キャラクターで、POP MARTが2018年にライセンスを取得して商品化した。
2025年1~6月期はザ・モンスターズの売り上げが同7.7倍の48億1000万元(約990億円)と爆発した。売り上げ全体の34.7%を占め、前前年同期の5.7%、前年同期の13.7%から急拡大している。
④海外売り上げが5倍超に

本家の中国では脇役のイメージが強い古参IP「ラブブ」のヒットは海外事業の拡大と切り離せない。韓国のガールズグループBLACKPINKのタイ人メンバーであるリサがSNSで紹介するようになって2024年以降人気が拡大したのはよく知られているが、POP MARTは同年、海外店舗を50店舗増の120店舗に広げていた。
グローバルで活躍するセレブが推したことと、それが買える店舗があったことが、人気爆発を呼んだ。
2025年1~6月の売上高を地域別にみると、中国市場は同135.2%増の82億8000万元(約1700億円)、対して海外売上高は同5.4倍の55億9000万元(約1100億円)で、全体の40.3%に達した。
POP MARTは8月、バンコクに店舗面積760平方メートルの世界最大規模の旗艦店をオープンし、中東や南米など新たな市場を開拓していくと表明した。
一方、中国の売り上げは2.3倍に拡大しているにもかからわず、店舗数は12しか増えていない。王寧CEOは「今は中国の店舗数は純増で10店舗以下にとどまる見通し。店舗拡大よりも既存店舗の運営効率向上に注力する」と語り、中国の消費低迷、グローバルブランドの苦戦などを念頭に、国内での規模を追わず海外に注力する姿勢を鮮明にした。
⑤アメリカ市場の急伸
POP MARTは2025年4月に大中華圏、北米圏、アジア太平洋圏、ヨーロッパ圏にそれぞれ地域本部を設置、本決算では各地域の売上高が初めて公表された。
- アジア太平洋地域:同3.5倍の28億5000万元(約580億円)
- 北米地域:同12倍増の22億6000万元(約460億円)
- 欧州とその他:同8.2倍の4億8000万元(約98億円)
ラブブ人気は東南アジアから始まっており、同地域の成長は想定通りだが、北米(実質的にアメリカ)市場が前年同期比で12倍伸び、アジア太平洋地域に近づいていることは本決算のサプライズだった。
POP MART共同COOの司徳氏は「アメリカは2024年下半期から急速な成長期に入った。その背景として、第一にアメリカ市場の規模と購買力の強さ。第二に中国のサプライチェーンがアメリカの需要に素早くに対応できること、第三にアメリカの小売りシステムが非常に発達していることがある」と説明した。
2025年通期の売上高は北米がアジア太平洋地域を、海外が国内をそれぞれ上回る可能性が高いという。
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