フィリピンのフェルディナンド・マルコス・ジュニア大統領は、両国間の対立が激化し続けている南シナ海で中国に対し一線を越えないよう警告した。
同氏は、中国の故意の行動によってフィリピン人が死亡した場合、フィリピンはそれを「戦争行為」に近いものとみなし、それに応じた対応を取るだろうと述べた。
マルコス氏は米国や中国を含む世界各国の防衛長官らが出席したシンガポールでの安全保障フォーラムで演説した。
これに対し、中国軍報道官はフィリピンが「中国への責任転嫁」と「中傷と攻撃」を行っていると非難した。
ここ数カ月、南シナ海の領有権をめぐる中国とフィリピン間の長年の争いは、激しい衝突へと激化している。
マニラは、中国の巡視船がフィリピンの船舶や補給船に放水砲を発射したことについて声高に抗議している。
中国政府は自国の主権を守っていると述べている。金曜日にはこれに先立ち、中国軍報道官がフィリピンが「挑発行為」を行っていると非難した。
観測者たちは、いかなるエスカレーションも南シナ海で中国と米国の間で紛争を引き起こす可能性があると懸念している。米国はフィリピンと締結した条約により、もし攻撃を受けた場合には東南アジアの国を防衛する義務がある。
米国はこれまで、同地域の同盟国に対する「断固たる」約束を守ると述べており、先月フィリピンと日本との首脳会談を開催するなど、同盟国との関係強化に努めてきた。
金曜日、マルコス大統領がシンガポールのシャングリラ対話の開会演説を終えた直後、代表団の一人が、中国の放水砲がフィリピン兵を殺害したという仮定の状況を提示した。大統領は、これを越えてはならない一線と見なすか、また、これは米比条約に抵触するかどうかを問われた。
「もし故意の行為によってフィリピン人が、軍人だけでなくフィリピン国民でさえも殺された場合、それは我々が戦争行為と定義するものに非常に近いと私は考えており、したがって我々はそれに応じて対応する。そして我々の条約締結国もまた同じ基準を持っていると私は信じている。」
同氏は、最近の衝突でフィリピン人が負傷したが、まだ死者は出ていないと指摘。「その段階に至れば、間違いなくルビコン川を渡ったことになる。これは越えてはならない一線か? ほぼ間違いなく越えてはならない一線になるだろう」
BBCの質問に対し、中国報道官は「戦争を引き起こす紛争や事故でたった一人の人員が偶然に死亡した場合、その国はまさに好戦的な国だと私は思う」と述べた。
マルコス政権は軍事費を増強しており、米国とインドからミサイルを購入している。インド太平洋地域の同盟国に対する米国の軍事支援案のかなりの部分を獲得しようと画策している。
この問題は、金曜日早朝に行われた米国のロイド・オースティン国防長官と中国の董俊国防長官との重要な会談でも取り上げられた。
中国軍は、フィリピンが「外部勢力に勇気づけられ、支援されている」とし、マニラが軍事拠点を設置している係争中のセカンド・トーマス礁をめぐって「自らの約束を破り、挑発行為を行っている」と述べた。
彼らはまた、最近の合同軍事演習で米国がフィリピンに中距離ミサイルシステムを派遣したことに反対し、「地域の安全保障に真の脅威を与えている」と述べた。
しかし、米国と中国はともに、コミュニケーションの道を開いておくことに熱心であるという姿勢も示した。
会談に関する米国の声明では、軍司令官間の電話会談の再開に取り組んでいると述べられた。電話会談は2022年に当時のナンシー・ペロシ下院議長の台湾訪問後に途絶えた重要な連絡手段だった。また、危機対応コミュニケーション作業部会の設置にも取り組んでいるという。
呉氏は記者団に対し、会談は「前向きで、実用的かつ建設的」だったと語った。また、米中関係は「さらなる悪化から安定しつつある」とも付け加えた。