ハリケーン「サイモン」がメキシコ西中央部の太平洋岸にカテゴリー3の勢力で接近し、沿岸部を強襲しています。一方、南部カリフォルニアや砂漠地帯では熱帯低気圧「レイチェル」の残骸による深刻な浸水や強風の被害が発生しており、当局が警戒を呼びかけています。.
メキシコ西中央部を直撃するカテゴリー3のハリケーン「サイモン」
嵐の中心は海岸線に平行して北西へ移動しており、人気観光地のプエルトバジャルタ(ジャリスコ州)周辺に最も危険な強風と大雨をもたらすと予測されています。同センターの上級専門官フィリップ・パピン氏は、メキシコ本土の最西端が直撃を受ける可能性が最も高いと指摘しています。
「サイモンは週半ばごろにメキシコ西中央部を横断して内陸へ移動すると予想されています。徐々に勢力を弱めると予測されていますが、週半ばにかけてはハリケーンの勢力を維持する見込みです。内陸部に移動した後は、急速に勢力が衰えるでしょう」
国立ハリケーンセンター
沿岸部の避難指示と住民・観光客への影響
暴風雨の接近に伴い、ジャリスコ州当局は沿岸の22自治体で学校の休校を金曜日と月曜日に実施しました。また、危険地域からの住民の避難を進めるとともに、観光業従事者や旅行者が確実にシェルターや安全なゾーンに収容されるよう求めています。メキシコ大統領クラウディア・シェインバウム氏はソーシャルメディアを通じ、ジャリスコ州、コリマ州、ナヤリト州、ミチョアカン州の住民に対し、危険が去ったと政府が通知するまで外出を控えて安全な場所にとどまるよう強く呼びかけました。

プエルトバジャルタでは、国家警備隊の車両が街を巡回し、警察官がメガホンを使って海岸沿いをジョギングや犬の散歩で歩いていたわずかな人々へ避難を促しました。警察官は通りすがりの人々に向けて次のように警告を発しました。
「ボードウォークは閉鎖されています。責任ある行動を取ってください。理解してください!」 現地警察、プエルトバジャルタ
こうした中でも、昨年から4日間の休暇を計画してグアダラハラから訪れた観光客のリカルド・ラミレス氏とブレンダ・ビジャレアル氏のように、状況の深刻さを十分に把握できていない旅行者も到着していました。ビジャレアル氏は「危険の規模がまだ分からない。何が起きているのか把握し始めたところだ」と述べています。
カリフォルニア州と砂漠地帯を襲う熱帯低気圧「レイチェル」の残骸
メキシコ沖のハリケーン活動の一方で、北方の米国南西部では熱帯低気圧「レイチェル」の残骸が激しい気象を引き起こしています。10月10日朝に上陸したレイチェルの残骸は、南カリフォルニアや砂漠地帯にかけて沿岸洪水、強風、内陸部の鉄砲水をもたらしました。
ネバダ州南部(ラスベガスを含む)、ユタ州西南部、アリゾナ州北西部にはレベル3の洪水警報が出され、多くのフラッシュフラッド(急な洪水)が発生する恐れが指摘されています。サンディエゴやラスベガスでは1インチ以上の降水量が予想されており、これは両地域における10月ひと月分の降水量の約2倍から3倍に相当します。
広範囲に及ぶ豪雨の規模と沿岸部の警戒
国立ハリケーンセンターは、メキシコのコリマ州、ジャリスコ州、ナヤリト州、シナロア州の一部でさらに2から4インチ(最大8インチ)の降雨を予測しており、ミチョアカン州、コリマ州、ジャリスコ州の一部では最大30インチ(約76センチ)の孤立した最大総雨量に達する可能性があると警告しています。
この記録的な降水量は、急峻な地形の地域において命にかかわる洪水や土石流を引き起こし、既存の浸水被害をさらに悪化させる恐れがあります。また、太平洋の強いエルニーニョ現象に伴う高水位と相まって、日曜日から月曜日にかけての満潮時には道路の冠水や沿岸建造物の損壊リスクが高まっています。