ドナルド・トランプ米国大統領は2026年9月13日、中国の機関がイランに対しヨルダンの米軍基地に関する衛星画像を提供し、その後の攻撃で米兵3人が死亡したとする報道について、米中双方のスパイ活動を挙げて軽くかわした。中国の習近平国家主席との会談が9月24日に控える中での発言となった。
ヨルダン米軍基地攻撃と中国製衛星画像報道への対応
ドナルド・トランプ米大統領は2026年9月13日、エアフォースワン機内での記者団とのやり取りの中で、イランによるヨルダンのムワッファク・サルティ空軍基地へのミサイル攻撃の前に、中国の機関が同基地の高解像度衛星画像をイラン側へ提供していたとする報道について言及した。トランプは記者団に「中国が我々をスパイしている」との見方を示しながら、次のように発言した。
彼らが言うように、中国が私たちをスパイしているって。あなたが正しいと思います。私たちも彼らをスパイしています。ドナルド・トランプ大統領、Fox News

この発言は、ウォール・ストリート・ジャーナル紙が報じた、中国の機関がイランに高解像度衛星画像を提供したとの情報に対する反応だった。同紙の報道によると、米国当局者は画像の提供元となる中国の機関を特定しなかったが、イランの7月17日のミサイル攻撃で米兵3人が死亡した件について、中国の支援が死傷者をもたらした証拠として明確に挙げている。
トランプは、9月24日に米国で開かれる予定の中国の習近平国家主席との会談について問われたが、直接的な回答を避けた。代わりに「習主席は合理的に行動している。我々も合理的に行動している」と述べ、米中関係の安定を強調した。
習近平主席との関係と広範な米中関係への影響
アイルランドへの週末旅行からの帰途、トランプ大統領は中国の習近平国家主席との現在の関係性について肯定的な見解を示した。中国側は9月24日に米国で開催される予定の会談について公式な確認を行っていないものの、首脳会談に向けた調整が進んでいる。トランプ大統領は習主席の姿勢について次のように評価している。

彼は理性的に振る舞っていると思います。私たちは理性的に振る舞っています。ドナルド・トランプ大統領、Reuters
米国当局者は中国の機関の関与を指摘する一方で、ホワイトハウスのトップが米中双方が互いをスパイしているという現実論を強調して対立の激化を避けようとする構図が鮮明になっている。9月24日に予定される首脳会談に向け、安全保障上の問題や中東情勢をめぐる議論がどのように扱われるのか、今後の動向が注目される。
報じられた事実と今後の外交日程
今回の事案と今後のスケジュールを整理すると、以下の通り事実関係が浮かび上がる。
- 7月17日:ヨルダンのムワッファク・サルティ空軍基地に対するイランのミサイル攻撃により米兵3人が死亡。
- 報道内容:中国の機関が攻撃前に同基地の高解像度衛星画像をイランに提供したとウォール・ストリート・ジャーナル紙が報道。
- 9月13日:アイルランドからの帰途、エアフォースワン機内での記者会見でトランプ大統領が報道について「お互いにスパイ行為を行っている」と発言。
- 9月24日:ワシントンで予定されている米中首脳会談(習近平主席の米国訪問)。
米当局者が中国の機関の関与を指摘する一方で、ホワイトハウスのトップが米中双方が互いをスパイしているという現実論を強調して対立の激化を避けようとする構図が鮮明になっている。9月24日に予定される首脳会談に向け、安全保障上の問題や中東情勢をめぐる議論がどのように扱われるのか、今後の動向が注目される。
また、米国では2026年2月以降に始まった米国とイランの戦争で、少なくとも18人の米軍関係者が死亡している。米国当局者は中国の機関がイランへの支持を続けていることに対して不満を示しているが、トランプ政権は対立を避けるため、米中双方のスパイ活動を平等に扱う姿勢を貫いている。