1969年式トヨタ「スポーツ800」を新車から57年間所有し続ける堀家直利さんは、9月13日に新潟県糸魚川市で開催された「第35回日本海クラシックカーレビュー」に自走で参加した。走行距離11万キロを超える個体は、長年の丁寧なメンテナンスにより、当時のオリジナル状態を色濃く残している。
57年間のワンオーナーが守る「ヨタハチ」の歴史
1965年にデビューしたトヨタ・スポーツ800は、パブリカのコンポーネンツを流用して開発されたライトウェイト・スポーツカーです。排気量790ccの空冷水平対向2気筒エンジンは45馬力と控えめですが、軽量ボディにより最高速度155km/hを誇り、当時のモータースポーツでも活躍しました。この名車を新車購入から57年間、一度も手放さずに乗り続けているのが堀家直利さんです。今回、糸魚川市で開催された「第35回日本海クラシックカーレビュー」において、その貴重な個体が披露されました。
新潟まで自走で駆けつけたコンクール・コンディション
イベント会場のフォッサマグナミュージアム駐車場に展示された堀家さんの愛車は、ナンバープレートに「旭5」のシングルナンバーを掲げていました。北海道在住の堀家さんは、地元の友人に誘われて新潟までフェリーで移動し、その後は自走で会場入りしています。納車日は1969年10月24日。組み立てラインを出た最後の10台のうちの1台という、トヨタ・スポーツ800の最終期にあたるモデルです。57年間を経てもなお、極めて良好なコンディションを維持しています。
リッター20キロを超える優れた燃費性能と整備記録
トヨタ・スポーツ800の魅力について、堀家さんはその経済性にも触れています。オドメーターは11万6000kmを指していますが、現在でもリッターあたり20〜24キロという高い燃費性能を維持しているといいます。
- 納車:1969年10月24日
- 走行距離:約11万6000km
- 燃費:リッター20km〜24km
- メンテナンス:50年以上馴染みのメカニックが担当
この個体が良好な状態を保っている理由は、半世紀以上にわたる一貫したメンテナンス体制にあります。消耗品以外の主要パーツは当時のオリジナルのまま運用されており、大きなトラブルを経験することなく今日に至っています。
次世代のレストア指標となる「教科書」のような存在
2025年はトヨタ・スポーツ800の誕生60周年にあたります。各地で記念イベントが開催される中、堀家さんの車両は他のオーナーから注目を集めることが少なくありません。オリジナルの状態が極めて忠実に残されているため、他の所有者が整備やレストアを行う際の「教科書」として参考にされることもあります。オーナーの愛情が注がれたこの1台は、日本の自動車史を物語る生きた資料と言えます。
これからも走り続ける名機の未来
57年間という長きにわたり、日常の足として、そして趣味の相棒として堀家さんと歩んできた「ヨタハチ」は、今後もその輝きを失うことはないでしょう。多くのヒストリックカーが姿を消していく中で、適切なメンテナンスを重ねることで、当時の姿を後世へと受け継ぐ奇跡的な個体として存在し続けています。次なる節目に向けて、このスポーツ800がどのような歴史を刻んでいくのか、多くのファンがその健在ぶりを見守っています。