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スタンフォード大、ダンサー→マイクロソフト1年で辞めて起業。「正直に言うと退屈だった」 | Business Insider Japan

決められた枠組みを進むのではなく、「自分らしく、社会にもやさしい選択」をしてキャリアやライフスタイルを大きくシフトさせた人にインタビュー。第4回はWebacy CEOの五十川舞香さん。 ライフインサイダー アメリカ・サンフランシスコを拠点に、Web3でユーザーのデジタル資産を安全に管理するサービスを提供しているWebacy(ウェバシー)。 CEO の五十川舞香さんは、他に類を見ない“異色の経歴”の持ち主だ。 名門・スタンフォード大学に入学した直後、趣味で続けていたアクロバットの才能を見出され、エンターテイメント集団であるシルク・ドゥ・ソレイユからオファーが届く。大学を2年休学して、世界中の超人が集まるサーカス劇団の一員として活動した。 復学後はAIなどのテクノロジーを学び、マイクロソフトに就職したものの、わずか1年で退職して起業家として生きる道を選ぶ。 大企業からスタートアップへの転身も躊躇しない。大胆なキャリア選択の軸になっている信念とは一体何なのか。 名門大入学直後に、千載一遇のチャンス 2014年にスタンフォード大学に入学。 シャッターストック / CravenA アメリカ人の母親と日本人の父親のもと、幼い頃から日米を行き来して育った五十川さん。 「子どもの頃から身体を動かすことが好きで、乗馬やスイミングを習っていました。その後はサーカスを見ることにはまって、アクロバットを始めたのは11〜12歳の頃だったと思います。 当時は趣味のような感覚で、自分がプロとしてステージに立つとは思っていませんでした」 好奇心旺盛な性格で、子どもの頃の夢はAstrophysicist(天体物理学者)。物理や科学が好きで、宇宙に関わる仕事がしたいと思っていたという。 スタンフォード大学に入学した後も物理学を専攻したが、一方、トレーニングを継続していたアクロバットも趣味には収まらないレベルに上達していた。 「最初はラスベガスを拠点とするアブサンというサーカス団体で活動していて、それがシルク・ドゥ・ソレイユからヘッドハンティングされるきっかけになりました。 当時、日本公演最新作の『TOTEM(トーテム)』を準備しているタイミングで、ちょうど私くらいの年齢と体格を備えたアジアにルーツを持つ女性パフォーマーを探していたようです。ラッキーでしたね(笑)」 シルク・ドゥ・ソレイユに入団 Webacy CEO の五十川舞香さん。 撮影:佐藤翔 アメリカでは大学を休学してその時にしかできないことに挑戦する学生は少なくない。しかし日本人の父親は難色を示した。 「父は地に足をついた考え方をするところがあるので、同級生よりも勉強が遅れてしまうリスクを心配していたようです。 でも、シルク・ドゥ・ソレイユに入団するというチャンスは、人生で2度と巡ってこないかもしれない。入らなくて後悔するくらいなら、リスクを取る。それが私の選択基準でした」 吊り輪の演目やバックダンサーとして活躍。 自分で用意したもの 『TOTEM』のメンバーとして来日した五十川さん。最高の思い出は、日本で暮らす親族に晴れ舞台を見せることができたこと。また、世界中を飛び回る過程で大切な仲間を作ることもできた。 その後、休学する際に定めた“2年”という期間が経ちシルク・ドゥ・ソレイユを退く。 「アクロバットは好きですし、華やかなシルク・ドゥ・ソレイユのショーに参加するのは本当に楽しかったです。 ただ、自分よりも10歳も20歳も年齢が上の仲間の姿を見ていると、私は違う将来を目指したいと考えるようになっていました。 大学に戻ってやりたいことがたくさん残っていたこともあり、当初の予定通り復学しました」 1年で辞めた理由は「正直に言うと、退屈だった」 スタンフォード大学の日々は「刺激的な毎日でした」(五十川さん)…

スタンフォード大、ダンサー→マイクロソフト1年で辞めて起業。「正直に言うと退屈だった」 | Business Insider Japan

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2024-10-01 12:10:00

決められた枠組みを進むのではなく、「自分らしく、社会にもやさしい選択」をしてキャリアやライフスタイルを大きくシフトさせた人にインタビュー。第4回はWebacy CEOの五十川舞香さん。

ライフインサイダー

アメリカ・サンフランシスコを拠点に、Web3でユーザーのデジタル資産を安全に管理するサービスを提供しているWebacy(ウェバシー)。

CEO の五十川舞香さんは、他に類を見ない“異色の経歴”の持ち主だ。

名門・スタンフォード大学に入学した直後、趣味で続けていたアクロバットの才能を見出され、エンターテイメント集団であるシルク・ドゥ・ソレイユからオファーが届く。大学を2年休学して、世界中の超人が集まるサーカス劇団の一員として活動した。

復学後はAIなどのテクノロジーを学び、マイクロソフトに就職したものの、わずか1年で退職して起業家として生きる道を選ぶ。

大企業からスタートアップへの転身も躊躇しない。大胆なキャリア選択の軸になっている信念とは一体何なのか。

名門大入学直後に、千載一遇のチャンス

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2014年にスタンフォード大学に入学。

シャッターストック / CravenA

アメリカ人の母親と日本人の父親のもと、幼い頃から日米を行き来して育った五十川さん。

「子どもの頃から身体を動かすことが好きで、乗馬やスイミングを習っていました。その後はサーカスを見ることにはまって、アクロバットを始めたのは11〜12歳の頃だったと思います。

当時は趣味のような感覚で、自分がプロとしてステージに立つとは思っていませんでした」

好奇心旺盛な性格で、子どもの頃の夢はAstrophysicist(天体物理学者)。物理や科学が好きで、宇宙に関わる仕事がしたいと思っていたという。

スタンフォード大学に入学した後も物理学を専攻したが、一方、トレーニングを継続していたアクロバットも趣味には収まらないレベルに上達していた。

「最初はラスベガスを拠点とするアブサンというサーカス団体で活動していて、それがシルク・ドゥ・ソレイユからヘッドハンティングされるきっかけになりました。

当時、日本公演最新作の『TOTEM(トーテム)』を準備しているタイミングで、ちょうど私くらいの年齢と体格を備えたアジアにルーツを持つ女性パフォーマーを探していたようです。ラッキーでしたね(笑)」

シルク・ドゥ・ソレイユに入団

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Webacy CEO の五十川舞香さん。

撮影:佐藤翔

アメリカでは大学を休学してその時にしかできないことに挑戦する学生は少なくない。しかし日本人の父親は難色を示した。

「父は地に足をついた考え方をするところがあるので、同級生よりも勉強が遅れてしまうリスクを心配していたようです。

でも、シルク・ドゥ・ソレイユに入団するというチャンスは、人生で2度と巡ってこないかもしれない。入らなくて後悔するくらいなら、リスクを取る。それが私の選択基準でした」

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吊り輪の演目やバックダンサーとして活躍。

自分で用意したもの

『TOTEM』のメンバーとして来日した五十川さん。最高の思い出は、日本で暮らす親族に晴れ舞台を見せることができたこと。また、世界中を飛び回る過程で大切な仲間を作ることもできた。

その後、休学する際に定めた“2年”という期間が経ちシルク・ドゥ・ソレイユを退く。

「アクロバットは好きですし、華やかなシルク・ドゥ・ソレイユのショーに参加するのは本当に楽しかったです。

ただ、自分よりも10歳も20歳も年齢が上の仲間の姿を見ていると、私は違う将来を目指したいと考えるようになっていました。

大学に戻ってやりたいことがたくさん残っていたこともあり、当初の予定通り復学しました」

1年で辞めた理由は「正直に言うと、退屈だった」

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スタンフォード大学の日々は「刺激的な毎日でした」(五十川さん)

シャッターストック / パンドラ ピクチャーズ

世界を飛び回って視野を広げた五十川さんは、大学に戻った際に専攻を物理学からコンピューターサイエンスに変更した。それは「早く社会に出て活躍すること」を優先した決断だった。

「物理学の世界で研究者を目指すには、5年以上は勉強する必要があります。

休学中に社会に出て働く楽しさを知った私としては、早くビジネスに関わる道を選びたかったのです。そして、コンピューターサイエンスを学べばビジネスに応用できるので、将来の選択肢が広がると思いました。

スタンフォード大学には何らかの分野で一芸に秀でた変わり者が多かったので、私はそこまで浮いた存在ではなかったと思います(笑)。

コンピューターサイエンスのコミュニティは優秀な人が多く、アップルやアマゾンなどの大企業に就職した友人や起業した人、投資家になった人もいる。刺激に満ちた環境でした」

在学中はフィンテックやサイバーセキュリティの技術を扱うスタートアップでインターンを経験。そこで現在のWebacyの事業につながる知識を得て、起業家という生き方にも魅力を感じていた。

「大学生の頃から将来はファウンダーになることに興味を持っていましたが、大学を卒業する時期はコロナ禍だったこともあり、マイクロソフトに入社しました。最初からスタートアップを始めるより、大企業の視点から社会を見てみたい気持ちもありました」

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大学卒業後はマイクロソフトに入社。

自分で用意したもの

マイクロソフトは給与水準が高く働きやすい環境も整っていた。しかし、わずか1年後、五十川さんは再び大胆な決断に踏み切る。

「私は国家防衛のプロジェクトにサイバーセキュリティーの担当者として携わっていたのですが、業務の性質上、何も変化が起きない日もあり、正直に言うと退屈でした(笑)。

私じゃなくても担当できる業務でしたし、社会の役に立っている手応えを実感しにくい環境でした。それならば、シルクのパフォーマー時代のように、私自身がワクワクしながら取り組めて、世の中にインパクトを与える仕事がしたいと思って。

入社から1年後にマイクロソフトを退社して仲間と一緒にWebacyを立ち上げる決断をしました」

起業する道を選んだのは、五十川さんのいとこが20代後半で亡くなってしまったことがきっかけでもあったという。

人生はいつ終わるか分からない。「後悔しない選択をする」という、もともと大事にしてきた信念が一層固くなった。

「何事も自分で決める=自由であること」が幸せ

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「Web3の技術を駆使して、ユーザーのデジタルライフを守り、管理し、継承していくためのインフラを構築すること」をミッションにWeb3関連サービスを立ち上げた。

自分で用意したもの

2021年8月にWebacyを創業するも、当初は苦労の連続だった。

CEOとしてスタッフに指示を出すのも、弁護士とのコミュニケーションも、投資家に資金調達の交渉をするのも、すべてが初体験。

それでも心が折れなかったのは、シルク・ドゥ・ソレイユ時代にレジリエンス(困難をしなやかに乗り越えて回復する力)を日々身につけていたことが大きい。

「シルク・ドゥ・ソレイユでは、たとえ体調が悪くても、お客さんに厳しい評価を受けても、気分がすぐれなくても、機材トラブルが起きても……毎朝起きて舞台に向かい、一度きりの舞台でベストパフォーマンスを出すことが求められます。

それは起業家となった今も同じです。どんなに厳しい事があっても毎日目の前のことに向き合い、ベストなパフォーマンスを安定して出す。今にもつながる力を身につけることができました」

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タフな心と身体をキープするには、パフォーマー時代の経験が生きているという。

自分で用意したもの

Web 3の 世界で起業する女性は珍しい存在で、それをハンデに感じる瞬間もあった。

「『女性にテクノロジーのことが分かるのかい?』と、色眼鏡で見られることも多々あります。

ある時の企業との打ち合わせでは、私は広報やマーケティング担当だと思われていて、CEOだと伝えると驚かれたこともありました。

ただ、臆することなくやるべきことをやるだけ。今は自分の性別を負い目に感じることはありません」

Webacyは、デジタル資産にアクセスできないなど”もしも”の事態に備えられるツールを提供するコンシューマー(消費者)向けサービスと、Web3へのセキュリティ事業を展開するエンタープライズ(法人)サービスを開発・提供。

創業3年目の現在、コンシューマー向けサービスでセキュリティ提供をしている総資産額は20億ドル(約2800億円)を突破。ユーザーから寄せられる感謝の声が五十川さんのモチベーションになっている。

「今後デジタル社会が一層進む中で、人々が安心して暮らすためにはセキュリティ基盤を構築していくことが不可欠です。

まだWeb3は黎明期。ユーザーのフィードバックを得ながら改善すべきポイントも多く、創業から3年が経っても使命感に燃えています」

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撮影:佐藤翔

傍から見ると大胆な選択をしてきたように見える五十川さん。年収や肩書き、安定した生活よりも「自分の人生を自分で決める」ことを重視してきたと話す。

「私は何事も自分で決めること、つまり自由であることに幸せを感じます。人生は想像以上に短いので、やりたくないことをやるよりも、好きなことをやる選択肢を取りたいと考えています。

もちろん失敗することもあるし、当初の夢が途絶えてしまうこともあるでしょう。

そうなったら、また元の道に戻ってもいいし、まったく違う分野の仕事に挑戦してもいい。そう考えれば、最初の1歩目を踏み出すのが楽になるかもしれません」


Webacy CEO五十川舞香さん
1996年生まれ。米国と日本を拠点に育つ。2015〜17年の約2年間、スタンフォード大学を休学してシルク・ドゥ・ソレイユのパフォーマーとして活動。卒業後はマイクロソフトへ入社。政府のサイバーセキュリティーのエンジニアとして社会人生活をスタートさせるも約1年で退社し、2021年8月にWebacyを創業。

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