ジブチ沖で発生した船舶の転覆事故により、多数の死者と行方不明者が出ている。国連の国際移住機関(IOM)によると、過密状態だった船が紅海沿岸で転覆し、犠牲者には子どもも含まれていることが明らかになった。
オボック沖で起きた転覆事故の全容と犠牲者の内訳
事故に遭った船は、ジブチからイエメンへ向けて出航した。ジブチの港町オボック近海で木曜日の夜に転覆した当時、船内には350人もの人々が乗り合わせていたという。10月8日から9日にかけての夜間に発生したこの事故について、生存者の証言をもとに詳細が確認されている。
回収された遺体の内訳について、国連機関は詳細な数値を公表している。犠牲者には男性52人、女性42人、そして9人の少女と6人の少年を含む15人の子どもたちが確認されている。一方で、生存者は80人を超えており、その全員がエチオピア国籍であることが分かっている。

厳しさを増す紅海ルートと避難民の背景
アフリカの角地域からアラビア半島を目指すルートは、世界で最も混雑し、かつ危険な移動経路の一つとして知られている。毎年数万人規模の人々が、安全と仕事を求めて湾岸諸国を目指す。貧困や治安の悪化、気候変動の影響が深刻化する中で、中東各地の不安定な情勢にもかかわらず、人々はこの危険な旅を余儀なくされている。
これは耐え難い尊厳の喪失であり、命の損失です。生存者や、愛する人を失った、あるいは家族の安否が分からないままでいる方々に心からお見舞い申し上げます。
アレクサンドル・コワサック、IOMジブチ事務所長
IOMのジブチにおけるミッションチーフであるアレクサンドル・コワサック氏は、同機関のチームが現場において現地当局とともに緊急支援を行っていると述べた上で、経済的な機会を求めて移動する人々がこの回廊で直面している危険を思い起こさせる悲劇であると言及した。
混乱が続くイエメン情勢と今後の対応
目的地であるイエメン側でも、長引く内戦が状況をさらに悪化させている。サウジアラビア支援の政府軍とイラン支援のフーシ派の間の戦闘が激化しており、2022年の停戦合意以降で最も深刻な緊張状態にある。こうした紛争や混乱の中にあっても、バブル・マンデブ海峡を渡る移動の動きは途絶えていない。
現地当局は、救助活動を継続するとともに、犠牲となった人々のための埋葬手続を進めている。また、救助されたエチオピア国籍の生存者たちに対しても、医療ケアが速やかに提供される体制が整えられているところである。