米国市場の動向とインフレへの期待
7月15日のニューヨーク株式市場が記録した主要指数の上昇
7月15日、ニューヨーク株式市場は、インフレ圧力の低下を示す経済指標と堅調な企業業績を背景に底堅い動きを見せた。ダウ工業株30種平均は150.91ポイント(0.3%)上昇し、52,659.18で終了。S&P 500指数は0.4%高の7,572.43、テクノロジー株主体のナスダック総合指数は0.6%高の26,269.23で取引を終えた。翌16日早朝の先物市場でも、ダウ平均に連動する先物が0.1%(50ポイント)上昇するなど、堅調さが維持されている。
今回の市場上昇の背景には、予想を下回る米国生産者物価指数(PPI)の発表がある。6月の最終需要PPIは前年比5.5%の上昇にとどまり、市場予想の6.2%を下回った。食品・エネルギーを除いたコア指数も前年比4.7%増と、予想の5.1%を下回った。この結果は、インフレが沈静化しつつあるとの見方を強め、連邦準備制度理事会(FRB)による金利据え置きへの期待を支えている。
ジョン・ウィリアムズ総裁の見解と金融政策
ジョン・ウィリアムズ総裁が示したインフレ沈静化への根拠
金融政策の先行きについて、ニューヨーク連銀のジョン・ウィリアムズ総裁は市場を安心させるコメントを残した。同氏は、「インフレ率は間違いなく高すぎるが、インフレはピークに達しており、今後数四半期で低下していくと期待する根拠がある」と述べている。

また、市場の戦略家からも慎重ながらも前向きな見解が示された。マイケル・カントロウィッツ(パイパー・サンドラー、チーフ・インベストメント・ストラテジスト兼ポートフォリオ戦略責任者)は、CNBCの「Closing Bell: Overtime」にて次のように語った。「市場が拡大するためには、金利が横ばいか低下する必要がある。現在の環境下では、雇用が比較的低調に推移することが、金利上昇を抑え、利上げを防ぐために最善の背景となるだろう」
アジア市場での半導体株の急落とグローバルな影響
韓国KOSPIの7%超下落と中国のGDP成長率鈍化
一方で、グローバル市場では動きが分かれた。アジアでは、韓国の総合株価指数(KOSPI)が7%超、コスダック(Kosdaq)が5%下落するなど、チップメーカーを中心とした急落が発生した。日本の日経225は3%、トピックスは1.19%それぞれ下落した。中国の経済指標については、第2四半期のGDP成長率が前年比4.3%と予想の4.4%を下回り、過去3年半で最も低い伸びとなった。また、6月の中国の新築住宅価格は前月比0.15%下落し、37ヶ月連続のマイナスを記録した。

個別銘柄と今後の注目材料
ASMLの決算とアップルの生成AI承認による市場への影響
米国市場内では、ASMLの強力な決算が人工知能(AI)向けのチップ需要を裏付け、テクノロジー株を押し上げた。また、中国での生成AI機能の導入が承認されたことを受け、アップル株が4%以上上昇し、マグニフィセント・セブンの一角として市場を牽引した。一方で、エレバンス・ヘルスは第2四半期のガイダンスが予想を下回ったことで株価が急落し、ヘルスケア銘柄の重石となった。住宅市場では、7月10日までの週の住宅ローン申請件数が2.7%減少し、30年固定住宅ローン金利は前週の6.58%から6.65%へと上昇した。

投資家は、引き続き今週発表される小売売上高データや新規失業保険申請件数(午前8時30分ET発表)に注目している。これらは、インフレを制御しつつ、経済が急激な景気後退に陥っていないかを確認するための重要な指標となる。また、ユナイテッドヘルスやネットフリックスといった主要企業の決算発表も、今後の市場の方向性を左右する要因として注視されている。
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