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2025-10-17 01:30:00
- シルバー(銀)は今年に入り70%を超える急騰を遂げ、上昇率50%にとどまっているゴールド(金)を大きく引き離している。
- しかし、この上昇は不安定なものだとゴールドマン・サックスは指摘している。その背景には、アメリカ連邦準備制度理事会の利下げと短期資金の流入があるという。
- また、シルバーは市場規模が小さく、中央銀行による買い支えもないため、ゴールドに比べてはるかに価格変動が激しいとされる。
今年の貴金属市場では、シルバー(銀)が70%を超える急騰を遂げ、上昇率50%にとどまったゴールド(金)を大きく引き離して主役の座を奪った。
ロンドン証券取引所グループ(LSEG)のデータによると、2025年10月13日の世界市場でシルバーは上昇を続け、1オンス(約28グラム)当たり51.38ドル(約7800円)の過去最高値をつけた。
ゴールドもまた最高値を更新し、10月第2週に4000ドル(約61万円)を突破した勢いを保ったまま、1オンス当たり約4060ドル(約62万円)まで上昇した。アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ観測と安全資産需要の高まりが背景にある。
これらの価格上昇は、ドナルド・トランプ大統領が中国からの輸入品に対して追加で100%の関税を課すと発表し、米中貿易戦争を再燃させたことを受けて起きた。
この関税ショックが、すでに熱気を帯びていた市場にさらに火を注いだ。しかし、ゴールドマン・サックスのアナリストは10月12日付のレポートで、シルバーの急騰には注意を促している。アナリストは、FRBの利下げが見込まれるため、中期的にはシルバーも上昇を続ける可能性が高いものの、短期的には「シルバーはゴールドに比べて価格変動が格段に大きく、下落リスクも高い」と指摘し、一方で「ゴールドは構造的に中央銀行による買い支えがある唯一のコモディティだ」と付け加えた。
ゴールドは別格
シルバーとゴールドの価格は歴史的に連動してきたが、近年その関係は変化している。主な理由は、中央銀行による買い入れがゴールドを押し上げていることだ。
一方、シルバーは太陽光パネルなど産業用途への依存度が高く、景気循環に左右されやすいため、ヘッジとしては信頼性に欠けるとゴールドマン・サックスのアナリストは指摘している。
「ゴールドには制度的・経済的な支えがあるが、シルバーにはそれがない。シルバーはIMFの準備資産枠組みに認められておらず、現代の中央銀行ポートフォリオにおいてもほとんど存在感がない」
また、ゴールドの価格の高騰が中央銀行をシルバーにシフトさせる可能性についても、アナリストは否定的だ。
「中央銀行は数量ではなく価値を管理している。金準備は受動的に保有され、運用には使われない」
つまり、金価格が上昇しても、政策担当者は安価な代替品を求めるわけではない。貸借対照表上のドル換算額を維持するために、保有するオンス数を減らすだけだ。
また、ゴールドの物理的特性も準備資産としての実用性を高めている。ゴールドはシルバーより約10倍希少で、オンス当たりの価値は80倍、密度は2倍であり、保管、輸送、セキュリティの面で扱いやすい。
「10億ドル(約1526億円)相当のゴールドはスーツケースに収まるが、同じ価値のシルバーは大型トラック1台が必要になる」
小さな池に広がる大きな波
中央銀行による買い支えがないシルバー市場では、「投資資金の一時的な流出でさえ、大幅な価格調整を引き起こしかねない」とアナリストは警告している。その背景には、シルバーの市場規模がゴールドの約9分の1にすぎず、流入する1ドルあたりの影響力が格段に大きいことがある。
この動きはここ数週間、顕著に表れている。シルバーの価格は8月下旬以降、35%以上も急騰した。さらに、シルバーの現物取引の世界的中心地であるロンドンで、在庫が数年ぶりの低水準に落ち込んだことが流動性の逼迫を招き、この急騰を一層助長した。
ゴールドマンの見解では、シルバーはゴールドの「加速型」のように振る舞うという。投資家がマクロリスクへのヘッジとして貴金属に資金を集中させると、シルバーはゴールドよりも上昇しやすい。一方で、市場のセンチメントが変化すると急落しやすい傾向がある。
「中央銀行による買い支えがない銀の価格は、投資資金の一時的な流出でさえ大幅な価格調整を引き起こしかねない。これは、最近の価格急騰を助長しているロンドン市場の供給不足や逼迫状況が解消されるためだ」とアナリストは記している。
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