コーネル大学のフラタニティ寮で発生したとされる性的暴行事件をめぐり、警察に手がかりを提供した学生が、大学や当局の対応に強い不信感を表明している。2024年10月の事件発生から約2年が経過する中、被害女性による民事訴訟の提起を契機に捜査の不備や対応への批判が広がっている。
警察と検察の初期対応に不満を抱く学生
警察での聴取は約30分間にわたり、担当官の対応自体は通常の面談のようであったと振り返る一方で、提供した情報が十分にいかされなかったのではないかという思いを抱いている。トンプキンス郡検察局のマシュー・ヴァン・ハウテン検察官は当時、警察から提出された署名付きの書面ではニューヨーク州法上の犯罪要件を満たさないとして刑事訴追を見送っていた。
チャットの存在とフラタニティ内の動き
事件をめぐる大きな焦点となっているのが、学生間でやり取りされていたチャットの内容である。訴訟書類には、事件当夜に被害女性がいた部屋について「free
被害女性は、大学の警察署を訪れる前日に当時のメンバーであるマシュー・インガルスとの電話で上記のように語っていた。インガルスは刑事訴追されておらず、大学の調査に対しては、自身も泥酔して同意能力がなく、むしろ被害女性から被害を受けたと主張していたと学校記録には記されている。
大学側の処分と特別検察官の任命
コーネル大学のマイケル・I・コティコフ学長はビデオ声明を発表し、一連の告発内容について「深く憂慮すべきもの」であると述べ、大学がどのように対応してきたかについて疑問を投げかけている。大学側は外部の法律事務所による独立した調査を実施する方針を歓迎する意向を示した。また、大学の内部調査と学内手続きの結果として、一部の学生が退学や停学処分を受け、問題となったチー・ファイのチャプターはキャンパスから閉鎖され、引き続き立ち入りが禁止されている。
事件をめぐっては、被害女性が同年9月16日にコーネル大学、フラタニティ組織、自身の所属していたソロリティ、地元のバーなどを相手取って民事訴訟を提起したことで、全国的な注目を集めることになった。

訴えを起こした女性は「ジェーン・ドゥ」という仮名で呼ばれており、事件当夜に複数の男性から薬物を投与された上で性的暴行を受けたと主張している。批判が高まる中でトンプキンス郡のヴァン・ハウテン検察官は捜査の再開に同意したものの、ニューヨーク州のキャシー・ホークル知事は当時のコーネル大学警察および検察局の判断に疑問を呈した。
ホークル知事は、州司法長官であるレティシア・ジェームズを特別検察官に任命し、トンプキンス郡検察局に代わって事件の捜査を主導させる決定を下した。被告側の弁護人を務めるアンドリュー・ミルテンバーグなどは、ジェームズ司法長官が事前に公開の場で疑惑を支持するような発言を行っていたとして、公平性の観点から担当を外れるべきだと主張している。
事態の深刻さが増す中、ニューヨーク州のキャシー・ホークル知事はトンプキンス郡の対応への不信感を表明し、州司法長官のレティシア・ジェームズを特別検察官に任命して捜査の立て直しを図る方針を示した。