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2025-02-01 23:30:00
- アメリカ軍のヘリコプター、ブラックホークが訓練中にアメリカン航空機と衝突した。
- ブラックホークは、さまざまな任務に使用される多用途の軍用ヘリコプターだ。
- ブラックホークには数百万時間の飛行実績があり、「ワークホース(働き者)」の航空機として知られている。
アメリカ軍のヘリコプター、UH-60ブラックホーク(Black Hawk)が2025年1月29日の夜、アメリカン航空(American Airlines)の旅客機と衝突した。このブラックホークは、アメリカ軍で最も広く使用されているヘリコプターであり、その派生型はさまざまな用途で運用されている。
ブラックホークについて知っておくべきことを以下に挙げていこう。
ブラックホークの用途
ブラックホークは、ロッキード・マーティン(Lockheed Martin)傘下のヘリコプター製造会社、シコルスキー・エアクラフト(Sikorsky Aircraft)が製造する汎用ヘリコプターで、その多用途性から、「ワークホース(働き者)」とも呼ばれている。戦場での医療搬送、捜索救助作戦、部隊や物資の輸送、特殊作戦などに用いられ、陸軍特殊作戦部隊が関与する重要なミッションにも使用されている。
アメリカ陸軍は1979年からこの機体を運用している。
このヘリコプターは、1993年のモガディシュの戦闘(Battle of Mogadishu)を描いた2001年公開の映画『ブラックホーク・ダウン』にも登場している。
またネイビー・シールズ チーム6(現在はアメリカ海軍特殊戦開発グループ)は、9.11同時多発テロ事件の首謀者ウサマ・ビン・ラディン(Osama Bin Laden)殺害作戦で、特別に改造されたブラックホーク2機を使用した。1機は墜落し、機密保持のために破壊されている。
ブラックホークの仕様
ロッキード・マーティンによると、この中型ヘリコプターは最大12名の完全武装兵士が搭乗でき、武装していなければさらに多くの兵士の搭乗が可能だという。また負傷兵の搬送用の仕様に変えることもできる。
通常、ブラックホークにはパイロット、副操縦士、クルーチーフ(整備責任者)の3名が乗務しており、機体は最大8000ポンド(約3628kg)の貨物を吊り上げることができる。最高時速は約170mph(約273km/h)となっている。
ブラックホークは、専用の武装システムを持たないが、機関銃用やミニガン(Minigun)用のマウント(支持装置)、ロケット弾やミサイルなどの武器を搭載することもできる。

ブラックホークの製造
ロッキード・マーティンによると、同社がシコルスキー・エアクラフトを買収した後も、ブラックホークの製造は続けられていて、これまでに36カ国以上に5000機以上が納入されているという。
このヘリコプターは、アメリカ先住民族のソーク族(Sauk)を率いた勇猛な酋長のあだ名にちなんで命名されており、累計1500万飛行時間以上の実績を誇っている。
過去40年以上にわたりさまざまな派生型の機体も開発されており、ロッキード・マーティンは、より強力なエンジンを搭載した最新型の開発を進めている。将来的に同社は、ホバリングや自律飛行が可能な機体を目指しており、陸軍もその技術開発に向けた協力を検討しているという。

ブラックホークの安全記録
ブラックホークはアメリカ軍や各国の軍隊に広く採用されているため、過去に多くの墜落事故も発生しているが、その事故の原因の多くは、操縦ミスや機体の不具合によるものだ。
2024年、イスラエル軍の所有するブラックホークがガザでの作戦中に墜落した。また2023年には3件の墜落事故が発生し、アメリカ軍の兵士16名が死亡した。これらの事故には空中衝突、地上への墜落、海上への墜落が含まれている。
陸軍のデータを引用して2023年4月にミリタリー・ドットコム(Military.com)が報じたところによると、過去10年間で訓練中の事故で60名が死亡しているという。
今回、ワシントンD.C.近郊で何が起きたのか
アメリカ国防長官のピート・ヘグセス(Pete Hegseth)によると、ブラックホークは、バージニア州にある陸軍の施設フォート・ベルボア(Fort Belvoir)を拠点とする第12航空大隊(12th Aviation Battalion)に所属するものだったという。第12航空大隊は、国家首都圏における軍幹部や政府高官の輸送を専門としている。
「乗員はかなり経験豊富だった」とヘグセス長官は話してる。乗員は暗視ゴーグル(暗闇でも視界を確保するための光学機器)を所持していたが、事故当時に装着していたかどうかは不明だという。
アメリカ軍のパイロットは暗視装置を使用した飛行訓練を定期的に受けている。これは、戦術上のリスクを最小限に抑えつつ、暗闇の中での着陸を可能にするための訓練の一環だという。軍のパイロットは、明るく照らされた滑走路や航空機用の灯火のあるような戦術的リスク(例えば、敵の攻撃を引き寄せる可能性)をもたらすような場所を避け、極めて暗い環境でも安全に着陸できるように飛行訓練を行う必要がある。
ただ暗視ゴーグルは、時として奥行きの知覚(距離などを把握する能力)や周辺視野を制限することがあり、新たに使う者にとっては慣れることが難しいという。
ワシントンD.C.やバージニア州北部の住民にとって、I-395号線(ワシントンD.C.とバージニア州を結ぶ高速道路)やワシントンD.C.周辺を飛行するブラックホークの姿を見かけることは珍しいことではない。
2023年には、国防総省のメディア担当者が、第12航空大隊(12th Aviation Battalion)と協力し、ペンタゴンの空撮のために詳細な飛行計画を立てた。この空撮の計画には、連邦航空局(Federal Aviation Administration)との調整や、ロナルド・レーガン・ワシントン・ナショナル空港(Ronald Reagan Washington National Airport)の航空交通管制官との空中通信なども含まれていた。通常飛行にはこうした手順を第12航空大隊は踏んでいるという。
2025年1月29日の夕方、第12航空大隊のヘリコプターはレーガン・ナショナル空港に向かっていたアメリカン航空の便と衝突した。乗組員および乗客全員が死亡したと見られており、現時点の死者数は少なくとも67名と見られている。
衝突の原因は、現在調査中だ。
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