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2024-09-17 00:00:00
家庭用品を扱うECサイト「Wayfair」初の実店舗。
ドミニク・ロイター/ビジネス・インサイダー
- 新型コロナウイルスのパンデミック後、アメリカの消費ブームは終息しつつあるようだ。
- 消費者は物価上昇の痛みを感じており、何にお金を使うかを慎重に判断するようになっている。
- 小売業者にとっては「誰もが勝者」という環境の終わりを意味するとアナリストは語っている。
何年にもわたって続いてきたアメリカの熱狂的な消費ブームは終わりを迎えたようだ。何にでもお金を惜しまず使っていた消費者に慣れていた小売業者は、厳しい状況に置かれている。
企業は今、ここ数年で最も価格にこだわる消費者の出現に直面している。多くのアメリカ人はパンデミック時に増えた貯蓄を取り崩しており、インフレ率は2022年半ばに見られた数十年ぶりの高水準から低下しているにもかかわらず、彼らは物価高を痛感している。
マッキンゼー・アンド・カンパニー(McKinsey&Company)が実施した調査によると、アメリカの消費者の76%が2024年の第2四半期に「トレードダウン(より安いものを買うこと)」している。例えば、後で買う、バーゲン品を探す、後払い決済(Buy Now Pay Later)を選択するなどだ。
だがアメリカ人が消費をやめたというわけではない。アメリカ国勢調査局のデータによると、7月の小売売上高は予想を上回り、アメリカ人が6月よりも全般的に多く消費していることが示された。
だが、バンクレート(Bankrate)のシニア業界アナリスト、テッド・ロスマン(Ted Rossman)によると、消費者はこれまで以上にバーゲン品を探し、何にお金を使うかを選ぶようになっているという。
彼は、航空会社や旅行関連企業が成功していることを挙げ、アメリカ人は依然として体験にお金を惜しまないと指摘した。しかし、物品には飽きたようで、マッキンゼーの調査によると、消費者の約40%がアクセサリー、インテリア用品、ジュエリー、家具への支出を減らす予定だと回答している。
「人はこれからも消費するが、本当に価値があると感じた時にしか消費しないだろう」とロスマンは述べている。
モントリオール銀行(BMO)投資部門のシニア小売・eコマースアナリスト、シメオン・シーゲル(Simeon Siegel)は、多くのアメリカ人が高品質でお得な商品を求めるようになり、消費習慣が洗練されてきたようだと指摘する。マクドナルド(McDonald’s)のようなローエンドの企業や、LVMHのようなハイエンドの企業が苦戦しているのはそのためだという。
これは、パンデミック後の「リベンジショッピング」によって小売業が利益を伸ばした時代の終焉を意味しており、企業は新たな世界をどう乗り切るか、模索している。
Challenger, Gray&Christmasによると、過去4年間で最も多くのCEOが交代しており、その数は2023年の2倍以上だという。
ほとんどの企業は、消費者が値上げにどのような反応をするのか警戒している。S&P500の主要消費財企業の86%が、第1四半期の決算報告で「インフレ」に言及したと、FactSetのデータが示している。
ウォルマート(Walmart)やターゲット(Target)といった小売業者は、積極的な値下げに乗り出しており、これは小売業者が顧客を呼び込もうと必死になっていることの現れだとシーゲルは言う。
「現金でいっぱいの財布を渡された消費者は、それほど慎重に考える必要もなく、買い控える必要もなかった。そして、誰もが恩恵を受けた。我々は今、優れた小売業者、魅力的な価値を提供する強力なブランドが恩恵を受ける環境に戻っている」
選り好みする消費者
コロナ期に比べて、状況は一変している。
自宅待機命令を受けて、景気刺激策の資金を十分にもらっていたアメリカ人は、欲しかったものをほとんど購入した。
しかし、彼らはその資金をほぼ使い果たし、世帯の貯蓄は2024年第1四半期までには底をついた可能性が高いと、サンフランシスコ連邦準備銀行が推測している。
消費者の中でも特に低中所得層は、生活費の上昇への対処に苦労しているようだ。プリメリカが実施した2024年第2四半期の調査によると、中流の所得層のアメリカ人のうち、自身の財政状況を「非常に良い」または「良い」と回答したのは半分以下で、「収入が生活費を下回っている」と回答したのは3分の2を占めた。
インフレは数年前の高水準から落ち着いてきたが、経済に対する消費者の認識が変化するには時間がかかるため、「選り好み」の傾向が高まっている状況は当面続くだろうと、ロスマンとシーゲルは推測している。
「確かにインフレ率はかなり低下したと言えるが、家賃や食料品代は上がっている。それが落ち着くにはしばらく時間がかかるだろう」とロスマンは述べた。
そのことが小売業者にとってのさらなる痛みとなっており、消費者の感情の変化に多くの小売業者が驚かされたのではないかとシーゲルは推測している。
投資家はすでに不安を感じている。小売株は苦戦しており、SPDR S&P小売ETFは過去6カ月で5%以上下落した。
シーゲルはパンデミック期を振り返り、「企業は商品があるか、ないか、消費者は刺激策があるか、ないかのどちらかだった」と述べ、多くの小売業者は在庫がある限り、パンデミックの間に成功できたと指摘した。
「勝者と敗者がいる環境に戻ったのだと思う」
最弱、あるいは多額の負債を抱えた小売業者の事業は縮小し続けるだろうが、必ずしも企業の破綻の波が来るわけではないとシーゲルは推測している。
「良い時だけを考えて計画を立てる経営陣は、長くは続かないだろう」
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