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2024-07-19 02:00:00
世界126の国と地域で、7,600軒以上のホテルを展開するヒルトン。
その中でも急成長中のホテルブランドが、「ダブルツリーbyヒルトン」だ。チェックイン時の温かいチョコチップクッキーでのおもてなしやローカル料理をアレンジしたコンフォート・フードの提供など、フレンドリーなサービスで幅広い層から支持を集めている。
「ダブルツリーbyヒルトン」ブランドの日本上陸は2012年。沖縄、富山、京都に続き、2024年5月には「ダブルツリーbyヒルトン大阪城」をオープン。さらに近い将来、ブランドの東京初進出となる「ダブルツリーbyヒルトン東京有明」を開業予定だ。
快進撃を続ける同ホテルブランドの魅力と戦略について、ダブルツリーbyヒルトン 上席副社長 グローバル・ヘッドのショーン・マカティア氏に聞いた。
ブランドの象徴は、温かいチョコチップクッキー
現在、56の国と地域で680軒以上のホテルを展開する「ダブルツリーbyヒルトン」。
レストランやバンケット(宴会設備)などを兼ね備えたフルサービス型ホテルとして、ビジネスやレジャーなどさまざまな目的で利用する人々にブランドならではの滞在体験を提供している。
始まりは、今から55年前の1969年。アメリカのアリゾナ州で「ダブルツリー・ホテル」の名で1軒目を開業し、その後ヒルトンの一員となり、グローバルブランドとして成長を遂げてきた。
そんな「ダブルツリーbyヒルトン」を象徴するアイテムが、温かい“チョコチップクッキー”だ。

1986年にターンダウンサービス(従業員が客室を訪れベッドを就寝用に整えるサービス)の一環として、宿泊客へのチョコチップクッキーの提供を開始。1995年からはチェックイン時に渡すようになり、「ダブルツリーbyヒルトン」のホスピタリティを象徴するサービスの一つとなっている。
「私たちがお渡しするのは単なるチョコチップクッキーではなく、ホテルに到着されたお客様への歓迎の証であり、おもいやりの心そのものです」(マカティア氏)
このサービスは世界中の「ダブルツリーbyヒルトン」で実施され、一日で提供されるクッキーは7万5千個以上。チェックインの際に従業員から手渡しされるチョコチップクッキーの甘い香りと温もりが、宿泊客の心を癒している。
アジア太平洋地域で「100軒目の開業」を達成

ダブルツリーbyヒルトン 上席副社長 グローバル・ヘッドのショーン・マカティア氏。
「ダブルツリーbyヒルトン」がブランドプロミスとして掲げるのが、お客様の心と記憶に残る「Feel Good Moments(心地よい時間)」を提供することだ。
「『ダブルツリーbyヒルトン』はCARE(ケア)の文化を大切にし、自然体で温かく、おもいやりに溢れたブランドを目指しています。
チェックインからチェックアウトの最後の瞬間まで、お客様により多くの心地よさを感じていただきたいと願い、さまざまな取り組みを行っています」(マカティア氏)
チョコチップクッキーに始まり、その国や地域の食材や特徴を取り入れた「コンフォート・フード」、ロビーなどのスペースを活用した、地域の歴史、文化やコミュニティへの理解を深める体験プログラム「リチュアル・ハブ」など、多様なアプローチを実践している。
ブランドを体現する取り組みの一つとして、2024年7月には「Share a Feel Good Moment Month(心地よい時間をシェアしよう月間)」を実施。
これはアジア太平洋地域(APAC)における「ダブルツリーbyヒルトン」の100軒目の開業を記念して企画されたもの。APACの同ブランドホテルの宿泊客全員に特製のポストカードを配布し大切な人へ贈ってもらい、受け取った人がホテルを訪れてポストカードを提示すると、シグネチャーの温かいチョコチップクッキーがプレゼントされる※というものだ。
※ポストカード配布:2024年7月1日~5日、チョコチップクッキーとの引き換え:2024年7月31日まで

全9種類のポストカードは、さまざまな国や地域の子どもたちが「Feel Good Moments(心地よい時間)」をテーマに描いた絵をベースにして作られている。
ダブルツリーbyヒルトン
「私たちはこれまで『Do Good, Feel Good』という考え方のもと、ESG活動の一環として地域の団体とのコラボレーションや子どもたちへの支援をしてきました。
今回の取り組みも、さまざまな地域の皆様のご協力により実現することができました。
この素晴らしいポストカードは、いわば『Feel Good Moments(心地よい時間)』への招待状です。ホテルに宿泊されたお客様から大事な方へ、温もりの連鎖を生み出したい。そんな思いで実施しています」(マカティア氏)
日本は「魅力的な市場」

今後、「ダブルツリーbyヒルトン」は世界で200軒以上の開業を控えているというが、中でも目覚ましい成長を遂げているのがAPACだ。
ダブルツリーbyヒルトン
「ダブルツリーbyヒルトン」ブランドは、2008年の北京を皮切りに、現在までにAPACの15の国と地域で100軒以上を展開。2021年からのわずか3年間だけで見ても新規で30軒以上開業するなど、その勢いは加速している。

日本でのブランドの展開は、2012年に開業した「ダブルツリーbyヒルトン那覇」から始まった。
制作:Business Insider Japan
日本でも2023年以降、富山と京都に合わせて3軒、そして大阪と立て続けに開業。APAC、そして日本市場の可能性についてマカティア氏はこう語る。
「世界における当ブランドの開業予定施設のうち35%はAPACに集中しており、日本というマーケットにも非常に大きなチャンスがあると感じています。何といっても大きいのは、旅行需要が爆発的に高まっていることです。
『ダブルツリーbyヒルトン』は観光やビジネスなどあらゆる目的のお客様を温かくお迎えするホスピタリティに溢れたホテルです。日本のポテンシャルは非常に高いと確信しています」(マカティア氏)
ヒルトンの一員としての「運営実績」と「柔軟性」が強み

この快進撃の裏には、一体どのような戦略があるのだろうか。
「まずはヒルトンの一員として、豊富な運営ノウハウや実績を持つことが挙げられるでしょう。
そしてもう一つは、ロケーションと施設デザインのいずれにおいても『柔軟性のある開発』ができる点も強みです」(マカティア氏)
ロケーションの柔軟性を示しているのが、「ダブルツリーbyヒルトン」が開業するエリアは必ずしも大都市の主要駅前や中心部の立地ではないということだ。
日本に限っても、沖縄に開業している3軒のうち「ダブルツリーbyヒルトン那覇」は市内の中心部に位置する一方、世界遺産に近接した「ダブルツリーbyヒルトン那覇首里城」、目の前に海が広がる「ダブルツリーbyヒルトン沖縄北谷リゾート」と多様な立地に展開し、幅広いニーズに応えている。
加えて、デザインにも幅を持たせることが「ダブルツリーbyヒルトン」流だという。「日本には7つのホテルがありますが、一つとして同じものはありません」とマカティア氏が話すように、ホテルの外観や内装などデザインにはそれぞれの特色がある。

「ダブルツリーbyヒルトン大阪城」の館内。その土地ならではのモチーフが至るところに散りばめられていて、見てめぐるのも楽しい。
「ホテルをコピー&ペーストで増やすのではなく、その地域が持つ歴史や文化、特色に合ったデザインやコンセプトを取り入れてお客様に喜んでいただくこと。
これが私たちの譲れないこだわりです」(マカティア氏)
コンセプトは「大阪・水の都」

2024年5月にオープンしたばかりの「ダブルツリーbyヒルトン大阪城」においても、デザインへのこだわりが随所に散りばめられている。
大阪・天満橋駅から徒歩約5分のウォーターフロントに新設されたホテルの目玉は、目の前に鎮座する大阪城とリバーサイドの美しい景色だ。 「水の都」がコンセプトの客室からは、大阪城や目の前を流れる大川を見渡すことができる。

館内の至る所から、大阪城の天守閣を間近に眺めることができる。

ホテル前に流れる大川。「水の都」であることを感じさせてくれる。
ロビーエリアでは、海運業で栄えたというこの土地ならではの特長を表現。江戸時代に大阪と江戸をつないだ商船「菱垣廻船(ひがきかいせん)」や「港」をイメージしたつくりと、波を模したカーペットで趣のある空間を演出している。

ゲストを非日常に誘う、心地よい空気が流れるロビー。
ダブルツリーbyヒルトン

菱垣廻船の特徴である菱形のモチーフを取り入れたルームプレート。館内のさまざまな場所に菱形のモチーフが取り入れられている。
また「レストラン SEN(千)」では、大阪城の景色とともにバラエティ豊かなメニューをビュッフェスタイルで楽しむことができ、ランチとディナータイムには屋台を模したコーナーにたこ焼きやどて焼きコロッケなど大阪名物をアレンジした料理が並ぶ。

千客万来、天下の台所の栄華を体現する「レストラン SEN(千)」。ビュッフェに限らず、アラカルトでも多彩なメニューを提供している。
マカティア氏の狙い通り、開業から2カ月を迎える「ダブルツリーbyヒルトン大阪城」は、外国人旅行客をはじめ想定以上の宿泊利用があり大きな手応えを感じているという。
またホテルが位置する大阪城東側のエリアでは、大学の新キャンパスや新駅などの開設が計画されており、「キタ」「ミナミ」に続く「ヒガシ」の発展に注目が集まっている。
「コロナ禍以降はビジネスと旅行をきっちり分けるのではなく、家族を伴って目的地を訪れ、仕事を終えてから一緒に休日を楽しむなど、ニーズが多様化しています。
どのような過ごし方をされるお客様にとっても快適な時間と空間をご提供できるホテルブランドとして、愛される存在を目指します」(マカティア氏)
サービスの根底にある「CARE(ケア)」の文化

アジア太平洋地域での100軒目の開業を従業員でお祝い。
ダブルツリーbyヒルトン
「ダブルツリーbyヒルトン」が体現するおもてなしの心。そのまなざしはゲストのみならず、従業員にも向いている。
2023年、米フォーチュン誌とGreat Place To Workによる「働きがいのあるグローバル企業 世界ランキング」でヒルトンは第1位に選出され、ホスピタリティ企業として初めてトップの座を獲得するという快挙を成し遂げた。
今年で勤続32年を迎えたというマカティア氏はこれまでの歩みを振り返り、ヒルトンには互いを尊重し支え合う文化が根付いていると笑顔で語る。
「私たちは従業員をチームメンバーと呼び、お客様と接する時と変わらずに相手を思いやる『CARE(ケア)』の文化を大事にしています。
一緒に働く仲間を家族のように思い、互いに支え合う。そうした健全なカルチャーが育まれ、一人ひとりが『Feel Good Moments』を創るアンバサダーとして活躍しているからこそ、お客様に喜ばれるサービスを体現できていると自負しています」(マカティア氏)
関西では、2024年内には日本初進出となるライフスタイルブランドの「キャノピーbyヒルトン大阪梅田」、ヒルトンのフラッグシップブランドの「ヒルトン京都」の開業を予定し、「ダブルツリーbyヒルトン」以外にも複数のブランドで多様化するニーズに応え続けるヒルトン。
「ぜひ一度足を運んで、世界観を体感いただきたい」とマカティア氏が語るように、上質でありながら親しみやすく、自然体で過ごせるホテルブランドとしての独自展開に注目したい。

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