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2025-08-04 04:21:00
KDDIは8月1日、2025年度(2026年3月期)第1四半期決算を発表した。売上高は前年同期比3.4%増の1兆4363億2800万円、純利益は同3.3%減の1711億2200万円と増収減益となった。
4月1日からKDDIの代表取締役社長に就任した松田浩路氏は、8月1日の決算会見で「主要事業は順調に推移している」とし、減益要因も一過性の要素を含む「過年度の販促費影響」だとした。

8月1日の決算会見ではKDDIの金融事業完全子会社の「auフィナンシャルホールディングス(auFG)」が、7月30日に公表したネット証券大手・SBI証券との業務提携に注目が集まった。
KDDIの金融事業は「auマネ活バリューリンクプラン」など、今や個人向け通信事業と切ってもきれない関係性になっている。
決算会見で松田氏や、KDDI 取締役執行役員常務の勝木朋彦氏が語ったKDDIの金融と通信の戦略について解説しよう。
金融事業再編を機に優遇対象の証券会社を拡大

auFGとSBI証券が7月30日に発表した業務提携の具体的な内容は、auFG傘下の銀行・auじぶん銀行の口座からSBI証券の口座への入金がリアルタイムで可能になる「リアルタイム口座振替」が主軸となっている。
リアルタイム口座振替により、スムーズな資産運用が可能になるだけでなく、同機能を設定したユーザーにはauじぶん銀行の円普通預金金利を+0.10%(税引前)優遇するという特典を用意する(2025年秋から実施予定)。
現在もauじぶん銀行は「三菱UFJ eスマート証券」(旧auカブコム証券)と同様の金利優遇施策を実施していたが、SBI証券との連携はこの動きを拡大させる動きと言える。
その背景にはKDDIの金融事業の再編がある。
もともとauじぶん銀行もauカブコム証券も三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)とKDDIのそれぞれの子会社が出資する合弁会社だったが、2024年11月にauカブコム証券はMUFG、auじぶん銀行はKDDIの完全子会社になることが公表された。
そして2025年2月に、MUFGはauカブコム証券を三菱UFJ eスマート証券に改称。auじぶん銀行と三菱UFJ eスマート証券は業務提携関係を続けているため、従来のau金融経済圏のユーザーには大きな影響は出ていない。
証券会社を手放したKDDIは「協業戦略」に舵切り

ただし、この動きは近年の「通信と金融」の一体戦略からやや外れたものとなる。
KDDIの競合であるNTTドコモは「マネックス証券」、ソフトバンクは「PayPay証券」、楽天は「楽天証券」というように証券事業をグループ傘下に持ち、一定のシナジーを生み出しているからだ。
KDDIがauカブコム証券を手放したのは、MUFG側の意向が強い。
MUFGは6月に新ブランド「エムット」を発表。三菱UFJ eスマート証券はエムットの資産運用領域において、2025年1月にTOB(株式公開買付け)が成立したロボアドの「ウェルスナビ」と双璧を成す存在となっている。
証券会社を手放したKDDIが考えた次の戦略が「パートナーと共にやっていく」(松田氏)という協業戦略となる。要は、証券事業においては資本関係にある会社がないため、逆に手を組める相手とは広く手を組もうというわけだ。

KDDIの勝木氏は「今後もその他の証券会社と提携の拡大を目指すよう検討していきたい」「複数社と協議を始めている」とし、SBI証券との連携は協業戦略の第1弾であることを明言した。
なお、SBI証券の親会社であるSBIホールディングス(SBIHD)は5月29日に「NTTドコモによる住信SBI銀行のTOB」「SBIHDにNTTが約1100億円の出資」を発表するなど、NTTグループとの関係性を強めている。
提携先として競合企業と資本関係のある企業を選んだことについて松田氏は「特に問題はない」と発言。
勝木氏は「1月にMUFGと資本関係の見直しをして、それからだいぶ経ってからドコモ(NTT)との話が開示された。それ以前から我々は協議していた」とした。
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