茨城県つくば市大穂に建設が予定されている大規模データセンターを巡り、事業者の物流不動産会社「グッドマンジャパン」が開催した周辺住民向けの説明会が、環境への懸念と飲食提供をめぐって波紋を広げている。市民からは巨大施設による電力消費への不安や、コース料理がふるまわれたことに対する批判の声が上がっている。
グッドマンジャパン主催の説明会でコース料理が提供された経緯
つくば市などによると、住民説明会は8月17日と18日に市内のレストラン、19日につばくエクスプレスつくば駅近くの会議場で実施された。事業者は敷地から150メートル以内の住民に招待状を送り、グッドマンジャパンのアジア地域の統括責任者を務めるポール・マクギャリー氏らが対応にあたった。レストラン会場ではコース形式の料理が提供され、会議場では弁当が用意されたという。
18日に参加した70代の女性によると、入場は無料でメニューにはローストビーフやカニのスープ、カニピラフなどが並んだ。説明会は約1時間にわたって通訳を介した計画説明と質疑応答が行われたが、事前申し込み制で録音や写真撮影は禁止されていた。この女性は説明会というより接待のようだったと振り返り、おいしいものを食べさせて丸め込もうとしていると感じたと批判している。
国内最大級の総受電容量1000メガワットがもたらす懸念
建設予定地を巡っては、国内最大級の最大1000メガワットという総受電容量を確保していることが市の確認で判明している。莫大な電力を消費するデータセンターの進出に対して、環境への影響や地域への負荷を懸念する声が一部の市民から出ている。インフラにかかる負担や電力供給のあり方について、住民の間では慎重な議論を求める意見が根強い。
全体像が見えないと指摘される事業計画の全貌
19日の説明会に参加した50代の男性は、データセンターの工事を何期かに分けて実施するなどの説明はあったものの、計画の全体像は見えなかったと語っている。細かな施工スケジュールや地域環境への具体的な対策について、十分な説明がなされていないという不満が参加者の間から漏れており、今後の情報公開のあり方が問われている。
事業者側の姿勢と今後の見通し
住民からの「接待のようだ」という批判に対し、事業者側は時間を割いていただいたことへの気持ちであると説明している。1棟目のデータセンターなどの建設が進む現場周辺では、住民説明会を契機として計画に対する賛否や懸念の声が表面化している。今後は巨大な電力需要を伴うインフラ計画に対し、行政と事業者がどのように住民理解を深めていくのかが注目される。