ディズニーの『モアナ』実写版が北米興収4300万ドルで低迷
ディズニーの『モアナ』実写版は、公開初週末の北米興行収入が4300万ドルにとどまり、世界累計でも9500万ドルの低調なスタートとなりました。3,827の北米劇場で公開された本作は、週末の興行チャートで1位を獲得したものの、製作費2億5,000万ドルという超大作としての期待値には遠く及ばない結果となりました。
ディズニーは公開前、国内で6000万ドルから6500万ドル、世界市場で1億4,000万ドルのデビューを予測していましたが、実際の結果はこれらの目標を大きく下回りました。この数字は、2025年春に公開され2億560万ドルの世界興収に終わった『白雪姫』(国内初週4220万ドル)や、『ダンボ』と並び、ディズニーの実写リメイク作品の中で最も弱い部類に入ります。
デビッド・A・グロス氏が分析するディズニーの過去リメイクとの乖離
「ディズニーはこのアニメーション映画を基にした実写現象を生み出し、これまで目覚ましい成功を収めてきました。しかし、今回のオープニングはディズニーの過去のリメイク作品とは比較になりません」と、ボックスオフィス・ニュースレター「FranchiseRe」を発行するデビッド・A・グロス氏は指摘しています。
『モアナ』の苦戦を招いた背景には、公開タイミングの難しさがあります。2016年のオリジナル版アニメ公開からわずか10年、そして続編から2年足らずという短いスパンでの実写化は、観客のノスタルジーを刺激するに至りませんでした。特にアニメ版はDisney+で15億時間以上ストリーミングされ、数千万単位の玩具が販売され、260億回以上の音楽ストリーミングを記録するなど極めて人気が高いフランチャイズであるだけに、スタジオにとって今回の結果は「本当に心を痛めるもの」となっています。
さらに、本作は競合作品との市場競争にも直面しています。ファミリー層に向けたユニバーサル/イルミネーションの『Minions & Monsters』や、ディズニー自身のピクサー作品『Toy Story 5』、さらにはFIFAワールドカップの準々決勝といったイベントが、観客の関心を分散させる要因となりました。
ドウェイン・ジョンソン扮するマウイに集まる女性層の支持
一方で、作品に対する評価は決して低くありません。本作はCinemaScoreで「A-」を獲得し、Rotten Tomatoesの観客スコアでは90%、Comscoreの調査では4.5/5という高い評価を得ています。特に女性層からの支持は厚く、女性観客全体で「A」評価を獲得しました。また、PostTrakの調査では、女性観客の78%が本作を積極的に推薦しており、ドウェイン・ジョンソン扮するマウイの姿が観客を惹きつけていることがうかがえます。
『Spider-Man: Brand New Day』公開までの興行の粘りに期待
本作の製作・マーケティング費用は合計で少なくとも3億ドルに達しており、損益分岐点に到達するためには、今後「レッグ(興行の粘り強さ)」を見せることが不可欠です。月末に『Spider-Man: Brand New Day』が公開されるまではファミリー層向けの大きな競合がないため、ディズニーは口コミによる動員増に期待を寄せています。しかし、現時点では、この人気IPの収益化は映画単体ではなく、テーマパークやマーチャンダイジングといった周辺事業に依存する形となる見込みです。
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