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「核のごみ」問題で住民「誘導尋問には答えず」 対話で会社側「見落とし」認める:東京新聞 TOKYO Web

原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分を担う原子力発電環境整備機構(NUMO)は1日、国内初となる北海道寿都町と神恵内町での文献調査の見直し報告書を経済産業省の審議会に提出した。異論はなかったが、NUMOが住民との「対話」について謝罪する一幕もあった。市民団体も「対話」のあり方を問う報告書をまとめた。このまま計画を進めて本当にいいのか。(木原郁子) 寿都町役場近くに設置された看板(右端) - 2020年撮影 ◆NUMO職員が「不誠実で不十分」と謝罪 NUMOの担当者は1日の経済産業省の審議会で「大きな見落としだった。後付けで申し訳ない」と深々と頭を下げた。 文献調査は処分場選定の第1段階。NUMOは両町村で住民らが参加する「対話フォーラム」を計36回開いた。また、他地域の参考にするという名目で両町村の計51人から聞き取り調査「振り返り」も行っている。 ヒアリングにはNUMOの外部から匿名の参加者が参加し、NUMO職員が回答を誘導していたことが判明。同社は6月の協議会で「介入的な発言はしていない」と回答を全面撤回し、「不誠実で不十分な点があった」と前例のない謝罪に至った。 ◆ 北海道寿都町の住民が警戒強化 取材を受けた一人、寿都町の住民でつくる町民会共同代表の三木信義さん(52)は「NUMOと調査会社のどちらかから取材を受けることを選択できたので、調査会社にお願いしたが、なぜか当日はNUMOの職員もいた。中心人物の調査会社は寿都町の現状を全く知らず、何しに来たのかと思った。結局、NUMOの職員から取材を受けることになった」と振り返った。 同じく聴取を受けた土谷和幸さん(75)は「自分の答えがどう解釈され、どう使われるかわからない。人の考え方を変えるような質問には答えていない」と緊張感を隠さなかった。 協議会では委員からも懸念の声が上がった。NUMOは会合での意見を参考に対話フォーラムの評価報告書を作成する。文献調査の報告書自体は今秋以降に地元自治体に提出される予定だ。 ◆「このままで本当にいいのか」と賛同を表明する団体も しかし、計画策定にストップをかけている団体がある。道内の住民でつくる「核のゴミをめぐる対話を考える市民プロジェクト」だ。 7月中旬にまとめられた30ページの報告書は、地層処分事業のリスクに関する情報提供や双方向のコミュニケーションの在り方に触れ、「『対話』という言葉を使うことで、常に公平な対話が行われているという印象を与えている」と指摘。「最終処分事業に伴うさまざまな葛藤や混乱を地元に受け入れさせるようなやり方で、このまま進めていいのか」と問いかけている。 プロジェクト代表の宮崎詩織さん(31)は2019年に北海道に移住し、20年8月に寿都町が文献調査の申請を検討していることを知り、町民を注意深く見守ってきた。「町民が抱える葛藤は、最終処分場受け入れの是非をめぐる意見の相違よりも複雑だ。対話と言いつつも、事業者側の説明を理解してもらうことに注力し、地域の不和に向き合っていない現状は、対話と言えるのか」と疑問を呈する。 北海道寿都町中心部(2020年撮影) ◆「専門家が国民に指導し、この取り組みに参加してもらいます。」 町民も町外からの支援を歓迎している。前述の三木さんは「自分たちの問題として捉えている」と言い、土屋さんは「寿都町だけの問題ではない。核のごみ問題運動の真髄だ」と付け加えた。 問題のある「対話」だけで次の段階に進んで本当にいいのでしょうか? 北海道大学大学院農学研究院の吉田祥子客員准教授(科学技術史)は「専門家と市民の対話は、市民の『知りたい』という欲求に対して専門家が『教える』立場で情報提供し、市民がアンバランスに巻き込まれる場になりがちだ。NUMOがこのまま議論を進めても、地域に生まれた溝は埋まらず、むしろ深まるだけだ。対話は共に作るもの。対話が続かなければ溝も埋まらない」と指摘する。  2024-08-03 03:00:00 1722726257 #核のごみ問題で住民誘導尋問には答えず #対話で会社側見落とし認める東京新聞 #TOKYO #Web

「核のごみ」問題で住民「誘導尋問には答えず」 対話で会社側「見落とし」認める:東京新聞 TOKYO Web

原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分を担う原子力発電環境整備機構(NUMO)は1日、国内初となる北海道寿都町と神恵内町での文献調査の見直し報告書を経済産業省の審議会に提出した。異論はなかったが、NUMOが住民との「対話」について謝罪する一幕もあった。市民団体も「対話」のあり方を問う報告書をまとめた。このまま計画を進めて本当にいいのか。(木原郁子)

寿都町役場近くに設置された看板(右端) – 2020年撮影

◆NUMO職員が「不誠実で不十分」と謝罪

NUMOの担当者は1日の経済産業省の審議会で「大きな見落としだった。後付けで申し訳ない」と深々と頭を下げた。

文献調査は処分場選定の第1段階。NUMOは両町村で住民らが参加する「対話フォーラム」を計36回開いた。また、他地域の参考にするという名目で両町村の計51人から聞き取り調査「振り返り」も行っている。

ヒアリングにはNUMOの外部から匿名の参加者が参加し、NUMO職員が回答を誘導していたことが判明。同社は6月の協議会で「介入的な発言はしていない」と回答を全面撤回し、「不誠実で不十分な点があった」と前例のない謝罪に至った。

◆ 北海道寿都町の住民が警戒強化

取材を受けた一人、寿都町の住民でつくる町民会共同代表の三木信義さん(52)は「NUMOと調査会社のどちらかから取材を受けることを選択できたので、調査会社にお願いしたが、なぜか当日はNUMOの職員もいた。中心人物の調査会社は寿都町の現状を全く知らず、何しに来たのかと思った。結局、NUMOの職員から取材を受けることになった」と振り返った。

同じく聴取を受けた土谷和幸さん(75)は「自分の答えがどう解釈され、どう使われるかわからない。人の考え方を変えるような質問には答えていない」と緊張感を隠さなかった。

協議会では委員からも懸念の声が上がった。NUMOは会合での意見を参考に対話フォーラムの評価報告書を作成する。文献調査の報告書自体は今秋以降に地元自治体に提出される予定だ。

◆「このままで本当にいいのか」と賛同を表明する団体も

しかし、計画策定にストップをかけている団体がある。道内の住民でつくる「核のゴミをめぐる対話を考える市民プロジェクト」だ。

7月中旬にまとめられた30ページの報告書は、地層処分事業のリスクに関する情報提供や双方向のコミュニケーションの在り方に触れ、「『対話』という言葉を使うことで、常に公平な対話が行われているという印象を与えている」と指摘。「最終処分事業に伴うさまざまな葛藤や混乱を地元に受け入れさせるようなやり方で、このまま進めていいのか」と問いかけている。

プロジェクト代表の宮崎詩織さん(31)は2019年に北海道に移住し、20年8月に寿都町が文献調査の申請を検討していることを知り、町民を注意深く見守ってきた。「町民が抱える葛藤は、最終処分場受け入れの是非をめぐる意見の相違よりも複雑だ。対話と言いつつも、事業者側の説明を理解してもらうことに注力し、地域の不和に向き合っていない現状は、対話と言えるのか」と疑問を呈する。

北海道寿都町中心部(2020年撮影)

◆「専門家が国民に指導し、この取り組みに参加してもらいます。」

町民も町外からの支援を歓迎している。前述の三木さんは「自分たちの問題として捉えている」と言い、土屋さんは「寿都町だけの問題ではない。核のごみ問題運動の真髄だ」と付け加えた。

問題のある「対話」だけで次の段階に進んで本当にいいのでしょうか?

北海道大学大学院農学研究院の吉田祥子客員准教授(科学技術史)は「専門家と市民の対話は、市民の『知りたい』という欲求に対して専門家が『教える』立場で情報提供し、市民がアンバランスに巻き込まれる場になりがちだ。NUMOがこのまま議論を進めても、地域に生まれた溝は埋まらず、むしろ深まるだけだ。対話は共に作るもの。対話が続かなければ溝も埋まらない」と指摘する。


2024-08-03 03:00:00
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#核のごみ問題で住民誘導尋問には答えず #対話で会社側見落とし認める東京新聞 #TOKYO #Web

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