ウィル・フェレルによる新たなスポーツコメディの挑戦
Netflixで2026年7月16日に配信が開始された『The Hawk』は、全10話構成のゴルフコメディシリーズです。本作は、ウィル・フェレルが主演を務めるだけでなく、ハーパー・スティール、クリス・ヘンチーと共に制作総指揮にも名を連ねています。これまで『タラデガ・ナイト オーバルの狼』、『俺たちフィギュアスケーター』、『俺たちプロボウラー』、そして『ユーロビジョン歌合戦 〜ファイア・サーガ物語〜』といったスポーツを題材にしたコメディ映画で成功を収めてきたフェレルにとって、本作は自身が愛し、実際にプレイするゴルフをテーマにした新たな挑戦となりました。


フェレルが演じる主人公ロニー・“ザ・ホーク”・ホーキンスは、かつての栄光を失ったナルシシストな伝説的ゴルファーです。物語の序盤、ロニーは「ジェネシス招待」の会場で、周囲のキャディが驚くような無謀なクラブ選択から見事なショットを放つなど、そのキャラクターの奇抜さが描かれます。ハヤブサのような髪型にバイザー、そして女性用のゴルフウェアを彷彿とさせる紫色のノースリーブトップスという独特の出で立ちで登場するロニーは、かつてのフェレルの名作を彷彿とさせるコメディの空気を纏っています。
モリー・シャノンとの再共演とキャスティングの舞台裏
本作において、フェレル演じるロニーの別居中の妻役には、長年のコメディ仲間であるモリー・シャノンが起用されました。二人の共演は、『サタデー・ナイト・ライブ』(SNL)時代から、1999年の映画『スーパー・スター』、2006年の『タラデガ・ナイト オーバルの狼』へと続く長い歴史があります。フェレルは、この重要な役柄にシャノン以外の選択肢はなかったと語っており、二人の揺るぎないオン・スクリーン・ケミストリーが本作の核となっています。

このほか、キャスティングにはジミー・タトロ、フォーチュン・フェイムスター、クリス・パーネル、デヴィッド・ホーンズビーといった豪華なコメディ俳優陣が集結しました。特に、物語の中盤では、ロニーが長年疎遠だった息子ランス(ジミー・タトロ)と対峙する場面が登場します。この親子の対話は、ロニーが父親としての責任や愛情を不器用ながらも伝え、二人が前に進もうとするシリーズにおける重要な転換点として描かれています。
評価と業界における位置づけ
2000年代のコメディ界を牽引した「フラット・パック」の一員として、ベン・スティラー、スティーヴ・カレル、セス・ローゲン、オーウェン・ウィルソンらと共に、当時のコメディ映画の基準を築き上げたフェレル。『アンカーマン』に代表される彼の過去の作品群は、ブッシュ政権時代の男性像を風刺しつつも、多くのファンにとって深い愛着の対象となってきました。しかし、今回の『The Hawk』に対する評価は分かれています。本作は、「期待された笑いが十分に生成されていない」といった厳しい指摘も受けており、過去の傑作と比較して「淡白な模倣」であるとの声も上がっています。

フェレルは本作のプロモーションのために積極的に活動してきましたが、レビューの中には、そのプロモーションに注力した熱意が作品の完成度にも向けられるべきだったという辛辣な意見も見られます。10話という長尺のフォーマットは、映画よりも視聴者の時間的投資を必要とするため、キャラクターや物語が視聴者の心に届かない場合、その不満はより大きなものとなります。Netflixという巨大なプラットフォームを通じて世界に届けられた本作は、コメディ界のレジェンドであるフェレルにとっても、新たな評価の分かれ道となる作品となりました。
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