…身長189センチのスキンヘッドにひげという風貌で、モデルの和見龍弥さん(52)が注目を集めている。かつて薄毛や高身長に抱いたコンプレックスを強みに変え、49歳でモデル事務所に所属。昨年にはパリコレクションのランウェイを歩き、現在はフランスやドイツの事務所とも契約を結ぶなど、世界を舞台に活躍している。…
高身長と肥満に悩んだ少年時代の葛藤
和歌山県内の「超田舎」で育った和見さんは、幼少期から周囲と異なる体格に悩みを抱えていた。保育園の頃から背が高く、実年齢よりも年上に見られることが多かったという。小学生時代には体重も重く、「手を広げると赤ちゃんのように指の付け根にくぼみができるほどだった」と振り返る。当時は甘い物が好きで運動は苦手だった。同級生からは「鉄人28号」というあだ名をつけられ、目立つことを好まない性格も重なって、常に猫背で過ごす日々を送っていた。
高校時代に突きつけられた「薄毛」の現実
中学生になると身長が伸びるにつれて肥満体型は自然と解消されたが、高身長という特徴は変わらなかった。高校生で189センチに達し、ハンドボール部の副キャプテンとして活躍する一方、私生活では新たな悩みが芽生えた。高校2年で現在の妻と交際を始めた際、彼女から突然「ハゲてんちゃう?」と指摘されたのだ。その後、大学生の頃になじみの美容師から「二十歳で地肌が見えている」と告げられたことで、薄毛を決定的なコンプレックスとして強く意識するようになった。
システムエンジニアからモデルへの転身
大学卒業後は独立系システムインテグレーターに就職し、システムエンジニアとして多忙な日々を送った。26歳で長女を授かり、休日返上の徹夜対応も重なる中で薄毛はさらに進行した。実は就職活動中、知人のカメラマンからCM出演の打診を受けたことがあった。しかし、当時の就職氷河期という社会情勢や家庭の安定を優先し、モデルの道を一度は断念している。長年、仕事と家庭に追われながらも、自身の外見に対する葛藤は消えなかった。
38歳で決断したスキンヘッドという選択
38歳でスキンヘッドにする決断を下したことが、和見さんの人生を大きく変える転機となった。薄毛を隠すのではなく、あえて剃り上げることで吹っ切れたという。長い年月をかけてコンプレックスと向き合ってきた経験は、49歳でモデル事務所に所属するという新たな挑戦の土台となった。カメラの前で眼光鋭くポーズを決める現在の姿からは、かつて抱いていた「目立ちたくない」という面影は消え、プロのモデルとしての風格が漂う。
パリコレクションから世界へ広がる活躍
昨年までには、世界的なファッションの祭典であるパリコレクションへのデビューを果たした。オーディションを勝ち抜き、つかんだチャンスだった。現在はフランスやドイツの事務所と契約を交わし、活動の場を世界へと広げている。中高年になってから夢をかなえた和見さんの歩みは、年齢や過去のコンプレックスが必ずしも限界ではないことを体現している。かつて「背筋を伸ばしなさい」と母から注意されていた少年は、今、世界中のランウェイで堂々と胸を張って歩いている。
世界を舞台に見据える今後の展望
和見さんは現在、モデルとしてさらなる高みを目指している。異国の地で新たな価値観に触れ、自身の個性を武器にキャリアを築く姿勢は、次世代のモデルや同世代の人々にとっても一つの指標となりそうだ。パリをはじめとする海外の市場において、日本の「イケオジ」モデルがどのような存在感を示していくのか。和見さんの今後の挑戦は、年齢を重ねることで得られる深みと、コンプレックスを昇華させた強さを軸に、より広範な領域へと続いていく。