南米チリの中南部で9月24日に発生した豪雨により河川が氾濫し、各地で道路が冠水するなどの大きな被害が出ている。FNNプライムオンラインの報道によると、異常気象は世界各地で相次いでおり、チリのアタカマ砂漠では数年に一度の開花現象が観測されたほか、メキシコやブラジル、ヨーロッパ、チェコでも深刻な自然災害や環境変化が報告されている。
チリのアタカマ砂漠で数年に一度の花咲く現象
地球上で最も乾燥した地域の1つとされるチリのアタカマ砂漠で、白や紫など色とりどりの花が砂漠一面に咲き誇っている。デシエルト・フロリドと呼ばれる奇跡的な現象だ。アタカマ砂漠では、様々な植物の種や球根が休眠状態にある。エルニーニョ現象がもたらした大雨により、これらの植物が一斉に芽吹いた。乾いた砂漠に花が咲き乱れるこの現象は、10月にピークを迎える見通しである。開花範囲は約1万5000平方キロメートルにまで広がる可能性があるとされている。
メキシコ南部沿岸に接近したハリケーン・ポロ
メキシコ南部では、エルニーニョ現象で発達したとみられるハリケーン・ポロが9月23日に太平洋側の沿岸部に接近した。高波は海辺にあるレストランのテラスにも打ち寄せた。一時、5段階で最も強いカテゴリー5のハリケーンとなったポロの影響は24日、南西部沿岸にも及んだ。強い風と雨とともに高波が打ち寄せる事態となった。
ブラジル・サンパウロで続く大規模な洪水被害
南米ブラジルでも洪水の被害が出ている。9月11日から12日にかけて、ブラジル最大の都市サンパウロで豪雨による洪水が発生した。15日になっても街の大部分が冠水していた。住民らは家屋などの復旧作業に加え、ごみの片づけ作業にも追われる厳しい状況が続いている。
多国籍海上合同演習で行われた災害救助訓練
こうした中、9月10日から24日にかけてアメリカやペルー、コロンビア、スペインなど24カ国が参加する多国籍海上合同演習が行われた。その中で16日に行われたのが、エルニーニョ現象によって災害が発生した後の救助活動を想定した大規模な訓練である。被災地に取り残された人を救助する訓練や、壁を破壊して救助に向かう訓練、さらにロープを使って川を渡る訓練などが実施された。
ヨーロッパ各地を襲った猛烈な大雨と洪水
大雨の被害はヨーロッパにも及んでいる。スペイン東部や北東部で9月16日、猛烈な大雨により洪水が発生した。東部のバレンシアでは、道路が車道と歩道の区別がつかないほど冠水した。道路沿いの店舗は大部分が浸水した。バルセロナでは、トンネル内が冠水し、川と化した路上で車が動けなくなった。地元当局によると、洪水で車が流され、48歳の男性が死亡した。
干上がったチェコの川底と露出したムール貝
一方、チェコで起きているのは猛暑と干ばつである。その影響で、ムール貝に深刻な影響が出ている。チェコで最も長いブルタバ川が干上がり、数十万匹ものムール貝が川底に露出する事態となった。ムール貝は周りの水をろ過し、川をきれいに保つ役割もある。環境団体やボランティアは、露出したムール貝を1つずつ手で川に戻す作業に追われている。
世界各地で異常気象による災害や環境変化が相次ぎ、各国で復旧作業や警戒が続けられている。チリのアタカマ砂漠における大規模な開花現象は10月にピークを迎えるとみられる一方で、各地で続く気象異変への対応が急務となっている。