ドイツ政府は月曜日、国連の最高司法機関である国際司法裁判所(ICJ)に対し、ニカラグアが提起したジェノサイド(集団殺害)訴訟は不適切に申し立てられたものであるとして、却下を求める申し立てを行いました。ニカラグアは、ドイツがイスラエルに武器やその他の軍事支援を提供することで、ガザ地区におけるジェノサイドを「助長」し、1948年のジェノサイド条約および国際人道法に違反していると主張しています。
ドイツ、ニカラグアによるジェノサイド訴訟の却下をICJに要求
オランダのハーグに拠点を置くICJでは、ドイツ側による「裁判所の管轄権および一部の請求の受理可能性に関する予備的な異議」に関する4日間の審理が開始されます。ドイツ側は、ICJに本件を裁く権限がないこと、あるいはニカラグアの主張に根拠がないことを立証し、訴訟の取り下げを狙っています。
武器輸出の制限とドイツの主張
審理においてドイツ代表は、イスラエルへの武器輸出ライセンスを大幅に制限した期間があったことを明らかにしました。具体的には、2025年8月8日から11月23日にかけてライセンス発行数を大幅に減少させ、特に8月8日から9月12日の期間は、イスラエルへの最終輸出向け武器輸出ライセンスを一切発行しなかったと述べました。
ドイツ側は、これらの制限が当時のイスラエル軍の攻勢を受けたものであり、武器輸出が国際人道法に適合することを確実にするためであったと説明しています。また、2025年後半に輸出申請の処理を再開した判断は、ガザで合意された停戦に関連していたと主張しました。さらに、ドイツ代表は、2024年以降、ガザ紛争で使用される可能性のある武器のイスラエル向け輸出を許可していないと述べています。
ドイツは、ナチスという過去を持つことから、イスラエルの安全保障を外交政策の「核心」に据えており、イスラエルとの武器取引は国際法の要件を遥かに超える「詳細な精査」の対象となっていると反論しています。また、ニカラグアによる訴えを「著しく偏向している」と否定しました。
ニカラグア側の主張と訴訟の経緯
ニカラグアは、ドイツが政治的、財政的、軍事的な支援をイスラエルに提供しているほか、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)への資金提供を停止したことが、ジェノサイド条約上の義務に違反していると訴えています。2024年の審理において、ニカラグアのカルロス・ホセ・アルゲロ・ゴメス駐オランダ大使は、ドイツがガザに援助を提供しながら同時にイスラエルに武器を供給していることは「情けない」とし、ドイツは自衛とジェノサイドを区別できていないようだと述べました。

本件は2024年に提起され、当時ニカラグアはドイツにイスラエルへのあらゆる援助、特に軍事装備の提供を停止させる緊急措置を求めました。しかし、ICJの16人の裁判官で構成されるパネルは、当時の状況では緊急命令を正当化できないとして、2024年4月にこの要請を却下しました。ただし、訴訟自体を完全に却下することはせず、手続きは継続されてきました。
国際的な法的文脈と今後の展望
この訴訟は、2023年に南アフリカがイスラエルをジェノサイドで訴えた別の事件と並行して進められています。南アフリカのケースでは、ICJは2024年1月にイスラエルに対し、ガザでの死傷やジェノサイド行為を防ぐためのあらゆる措置を講じるよう命じ、2ヶ月後には食料や水などの人道支援物資を届けるための陸路検問所の拡大など、人道状況を改善する措置を命じました。
今回のドイツとニカラグアのケースにおける今後の流れは以下の通りです。

- 審理スケジュール: 月曜日にドイツが主張を提示した後、ニカラグアが回答し、水曜日と木曜日に両国が再度陳述を行います。
- 判決までの期間: この種のケースでは、判決が出るまで平均して6ヶ月かかるとされています。
- 想定される結果: ICJがドイツの主張を認めれば訴訟は完全に却下されます。逆にドイツ側の申し立てを退けた場合は、訴訟の内容(実体)についてより詳細な審理へと移行します。
ICJの判決には拘束力がありますが、強制執行する権限は持っていません。例えば、ロシアにウクライナへの全面侵攻を停止するよう命じた判決は、ロシア側に無視されています。