米国当局による起訴は、2025年4月に公表された。米国検察は、ロチャ氏を含む10人の現職および元職の公務員が、シナロア・カルテルの一派である「ロス・チャピトス」と共謀していたと主張している。告発内容によると、ロチャ氏らは政治的支援や賄賂の見返りとして、麻薬の米国への密輸を助長していたとされる。
麻薬密売関与の疑いで米当局から起訴されたシナロア州知事の復職
米国による起訴と「ロス・チャピトス」との結託疑惑
この起訴は、麻薬のボスだけでなく、現職のメキシコ人政治家を標的とした異例の措置となった。米国務省の報道官は、シナロア・カルテルが「死に至る薬物を米国に密輸するテロ組織」であると指摘し、腐敗した当局者の協力なしには運営できないと述べている。
与党内部での緊張とシェインバウム大統領の対応
ロチャ氏の復帰は、クラウディア・シェインバウム大統領や与党モレナ党内において冷ややかな反応を受けた。シェインバウム氏はX(旧Twitter)で、「原則なき権力は傲慢になる」「いかなる個人的な利益も、国民や国家の利益の上に立つことはできない」と警告を発し、直接的な名指しこそ避けたものの、ロチャ氏の姿勢を強く牽制した。
これに対し、ロチャ氏もXを通じて「シナロア、国家、そして変革の運動はすべてに優先する」との声明を発表した。しかし、ロチャ氏の強引な復職は、与党内部に根深い緊張関係が存在することを浮き彫りにしている。
米メキシコ関係への影響と主権を巡る対立
ロチャ氏を巡る問題は、米メキシコ間の安全保障協力における複雑な対立軸を露呈させている。メキシコ政府はこれまで、米国が十分な証拠を提示していないとして、ロチャ氏の逮捕や引き渡しを正当化する根拠はないと主張してきた。一方で、メキシコ当局による独自の捜査も並行して進められている。

政治コンサルタントの専門家によれば、今回の事態は「モレナ党の政治家と組織犯罪の間に結託の証拠はない」という政府側のメッセージを強調する意図がある一方で、米国政府がこの決定にどう反応するかが焦点となっている。

国際危機グループのシニアアナリスト、デビッド・モラ氏は、ロチャ氏の復帰がシェインバウム大統領を「さらなる米国の圧力に直面させる」という、より困難な立場に追い込んでいると指摘した。
[https://www.reuters.com/3fec1b0a85a0/world/americas/mexican-governor-indicted-by-us-cartel-charges-requests-leave-again-amid-2026-08-23/](https://www.reuters.com/3fec1b0a85a0/world/americas/mexican-governor-indicted-by-us-cartel-charges-requests-leave-again-amid-2026-08-23/) [https://sightmagazine.com.au/news/mexican-governor-accused-by-us-of-cartel-ties-returns-to-office/](https://sightmagazine.com.au/news/mexican-governor-accused-by-us-of-cartel-ties-returns-to-office/) [https://www.latimes.com/world-nation/story/2026-06-03/u-s-is-investigating-two-more-mexican-governors-for-connections-to-cartels](https://www.latimes.com/world-nation/story/2026-06-03/u-s-is-investigating-two-more-mexican-governors-for-connections-to-cartels)