科学&テクノロジー

この30年で若者の支出はどう変化したか?:ミレニアル世代とベビーブーマー世代の予算の違い | Business Insider Japan

5月 28, 2024 / nipponese

1716914466
2024-05-28 08:30:00

Leonello Calvetti/Science Photo Library/Getty、Jamie Grill/Getty、4Zevar/Getty、Lalocracio/Getty、Contour-Video/Getty、Yevgen Romanenko/Getty、Yogi Studio/Getty、Abanti Chowdhury/BI

  • Business Insiderは、1989年と2022年で25~34歳の支出がどう変化したのか調査した。
  • 調査結果によると、80年代の若者と現代の若者は、物価と消費習慣が変わっていることがわかった。
  • 特に現在の若者は、アルコールと住宅ローンに対する支出が少ない。

1989年、映画館ではティム・バートン主演の『バットマン』とメグ・ライアン主演の『恋人たちの予感』がヒットしていた。人々は明るい色の洋服に身を包み、ニンテンドーのゲームボーイを購入した。

2022年、パンデミックによる職場混乱のなか、多くの人がまだ在宅勤務をしていた。スポーツと普段着を兼ねたアスレジャーを着こなし、ロバート・パティンソン主演の『The BATMAN—ザ・バットマン—』を観るために思い切って映画館に足を運んだ。

33年の間に、若者の支出傾向は劇的に変わった。Business Insiderは、1989年にベビーブーマー世代の一部(1950~1964年頃までに生まれた人たち)だった25~34歳の若者と、2022年にミレニアル世代(2000年以降に成人を迎えた人たち)の若者の、食品、住宅、教育などさまざまな項目に対する支出データを分析した。

1989年に25~34歳だった人たちは、牛肉やアルコール(インフレ調整後)に多く支出しており、2022年よりも持家比率は高かった。では、両者の支出を見てみよう。

スクリーンショット2024-05-2812.09.26-1

注:米労働統計局の質問者の年齢別表からのデータに基づく。1989年の数字は、1989~2022年の消費者物価指数(CPI)の年率平均で調整後

図表:Madison Hoff/Business Insider・出所:米労働統計局消費支出調査プログラムのデータを使ってBusiness Insiderが算出

この分析に当たり、Business Insiderでは、25~34歳の人が世帯主である家計の1989年と2022年の平均年間支出額を比較した。調査には、米労働統計局が公表する消費支出調査プログラムのデータを活用した。

Business Insiderは、1989年の支出額を2022年の金額で評価するために、消費者物価指数(CPI)のデータを使って1989年のインフレ調整後の数値を算出した。そうすることで、ベビーブーマー世代が若かったときと同じ年齢のミレニアル世代が、2022年に何に支出しているのか比較できると考えたのだ。

1989年と2022年の若者の平均支出の違いは、物価と生活習慣の変化によるものだろう。

たとえば賃貸住宅を見てみよう。主に居住用家賃のCPIデータからは、1989~2022年の増加はほぼ物価上昇で説明できることが示唆されるが、CPIデータはまた、若者が住宅所有よりもアパートを借りる可能性が高いことも示している。

スクリーンショット2024-05-2811.58.05-1

図表:Madison Hoff/Business Insider・出所:米労働統計局の消費支出調査プログラムデータからBusiness Insiderが算出

ミレニアル世代およびZ世代(1990年代前半~2000年代前半生まれ)もまた、昔の人たちと生活習慣や生活環境が異なる。たとえば、米国のミレニアル世代は住宅所有が困難であり、ギャラップ調査によると、35歳未満のアルコール消費量は平均して35年前よりも少ない

総じてこれらのデータからは、医療、魚介類、生鮮果物、住居、中古車の物価上昇と、生活習慣やライフスタイルの変化のいずれかが原因で、若者の予算が過去30年間に変わってきていることが垣間見れる。では何が起こっているのか詳しく見てみよう。

医療と家賃への支出が増えた

1989年と比較すると、2022年は25~34歳の平均的な若者の間で医療費の支出が際立っている。インフレ調整後では、1989年の医療費の支出額は755ドルにとどまる。これが2022年の上昇率は200%を超えているのだ。

スクリーンショット2024-05-2812.16.04

注:1989年の数字は1989~2022年のCPIの年率平均で調整後。

図表:Madison Hoff/Business Insider・出所:米労働統計局の消費支出調査プログラムデータからBusiness Insiderが算出

米労働統計局のエコノミスト、グレース・ヒル氏の2023年11月のレポートは、パンデミックが医療費全体に与えた影響に注目し、年齢やその他グループ別に内訳を調査している。レポートによると、2020年に医療費全体が増加した唯一の年齢層は、25~34歳と45~54歳だった。これら年齢層では医療のなかの最大項目である健康保険料の支出が最も増加した。

また、2022年の若者は1989年よりも家賃や関連費用への支出が多かった。平均的なデータによると、この年齢層はアパートやその他家賃への支出が1989年よりも約6割多い。

中古車や住宅ローンへの支出は減った

2022年の平均的な若者は1989年当時よりもガソリンやエンジンオイルへの支出額が多いものの、中古車やトラックへの支出額はそれほど多くない。

インフレ調整前のデータによると、1989年から2022年にかけて、中古車・トラックの支出は中古車・トラックのCPIよりも増加している。

スクリーンショット2024-05-2812.29.10

注:1989年の数字は1989~2022年のCPIの年率平均で調整後

図表:Madison Hoff/Business Insider・出所:米労働統計局の消費支出調査プログラムデータを使ってBusiness Insiderが算出

消費支出に関する2023年12月の米労働統計局のレポートによると、2022年は若者に限らず家計全般の家賃およびその他関連費用や持家に対する支出が2021年よりも増加した。

住宅価格の上昇、住宅ローン金利の上昇、そしてとりわけアパート家賃の高騰が2022年は支出の上昇圧力となった、とレポートは分析している。「住宅ローン金利と元本返済は持家にかかる必要不可欠な支出であり、住宅ローンをめぐる急激な環境変化が市場を通じて外生的なショックとなった」

またこのレポートは、2022年は平均住宅ローン金利の上昇により「消費者が持家市場から追い出され、賃貸市場に追いやられている」とも述べている。

米労働統計局は持家価格を直接追跡していないもののの、帰属家賃の測定という形で見積もっており、1989~2022年の間に160%以上も上昇している。一方、若者の持家に対する支出額は、インフレ調整前の1989年の数値と比較すると、2022年は120%超増加した。

生鮮野菜、果物、魚介類への支出は増えた

1989年の25~34歳の生鮮野菜・果物(加工野菜を含む)への支出額は2022年よりも少なかった。2022年のこの年齢層に属する平均的な人は、1989年の若者よりも生鮮果実に対する支出が71%多い。また、魚介類に対する支出は22%、鶏肉に対する支出は4%多かった。

分析のために調べた正確な年月ではないものの、ピュー・リサーチ・センターの2016年の報告書では、1970~2014年の間に食習慣がどのように変化したかにスポットライトを当てている。この間、鶏肉とチーズの消費が顕著に増加した。

また、CPIに注目して、インフレが食料支出にどう影響したのかを捉えることも可能だ。1989年のインフレ調整前の数値では、2022年の若者は1989年よりも生鮮果物への支出が304%多かった。

CPIに基づくと、その間の生鮮果物の価格は約170%上昇している。つまり、この間の支出変化の一部は、物価の上昇によって説明できるものの、2022年は1989年よりも若者の生鮮果物の消費量が増えたと言える。

スクリーンショット2024-05-2813.02.01-1

注記:1989年の数値は1989~2022年のCPIの年率平均で調整後

図表:Madison Hoff/Business Insider・出所:米労働統計局の消費支出調査プログラムデータからBusiness Insiderが算出

アルコール、牛肉、乳製品への支出が減った

年間平均支出データによると、2022年の平均的な若者は、1989年よりも牛肉の消費が約4割少ない。また、牛乳や生クリームへの支出も55%ほど少ない。2016年のピュー・リサーチ・センターのレポートによると、2014年は1970年よりも牛肉の消費が大幅に減っていることがわかる。同様に牛乳の消費も減少している。

スクリーンショット2024-05-2813.13.07

注記:1989年の数値は1989~2022年のCPIの年率平均で調整後

図表:Madison Hoff/Business Insider・出所:米労働統計局の消費支出調査プログラムデータからBusiness Insiderが算出

我々の分析では、2022年の25~34歳の平均的な成人は1989年の平均的な若者よりもノンアルコール飲料の消費が多く、アルコール飲料の消費が少ない。ギャラップ調査によると、Z世代を含む2021~2023年に18~34歳だった若者が過去7日間に消費したアルコール量は平均3.6杯だった。一方、2001~2003年の18~34歳の平均アルコール消費量は5.2杯だった。

また、調査結果からは、2022年の若者は、「インスタントや調理済みシリアル、パスタ、小麦粉、加工粉製品、その他コーンミールやコーンスターチ、米などのシリアル製品を含む、シリアルやシリアル製品」の消費が1989年の若者ほど多くないことが分かった。複数の小売店の報告に基づくと、シリアルの人気が落ちている一方で、外出先で食べやすいサンドイッチやバー、その他品目を朝食に取るのが今は人気だ。

#この30年で若者の支出はどう変化したかミレニアル世代とベビーブーマー世代の予算の違い #Business #Insider #Japan