高市早苗首相は29日、官邸でモンゴルのオチラル首相と会談し、新ウランバートル国際空港の拡張協力や、日本主導の金融支援枠組みであるパワーアジアを通じたエネルギー分野での連携を確認した。中露の影響力が強まる中、日本はモンゴルの自律性を支える方針だ。
高市首相とオチラル首相が官邸で会談
高市早苗首相は29日、首相官邸でモンゴルのオチラル首相と会談を行った。会談では、円借款を活用した新ウランバートル国際空港の拡張協力について確認された。さらに、日本主導の金融支援枠組みであるパワーアジアに基づくエネルギー分野での連携についても一致した。モンゴルは中露と国境が接する交通の要衝であり、エネルギー面ではロシアに依存している。
「第三の隣国」としての支援と自律性の強化
周辺国への影響力を強める中国やロシアを念頭に、日本はモンゴルとの関係強化を進めている。高市首相はオチラル氏に対し、日本はモンゴルの最も重要な第三の隣国として、その自律性と強靱性を支えていくと述べた。外務省幹部も、モンゴルは戦略的に重要な国であり、実体性のある協力を進めることで自律性を高めていくことに貢献すると強調している。

中国とロシアによる日本批判の背景
中国の王毅外相は今年6月にモンゴルの首都ウランバートルを訪問し、バトツェツェグ外相と会談するなど取り込みを図ってきた。中国は高市政権が進める防衛力強化を念頭に新型軍国主義との批判を強めている。この中国の主張に歩調を合わせるように、ロシアのラブロフ外相も26日の国連総会での演説で、日本は軍国主義の道を歩んでいると非難した。
モンゴル側の評価と自由で開かれたインド太平洋
中露の言説に対抗するため、周辺国の理解が欠かせない状況にある。今回の首脳会談でオチラル氏は、日本が平和国家として世界の平和と安定の維持、国際社会の発展に果たしてきた重要な役割と多大な貢献を高く評価していることを強調したいと語った。また、9月にウランバートルで行われた茂木敏充外相とバトツェツェグ外相の会談では、バトツェツェグ氏が高市政権の掲げる自由で開かれたインド太平洋(FOIP)への支持を表明している。
今後の二国間関係と戦略的協力の見通し
モンゴルと中国やロシアとの外交関係が複雑化する中、日本は経済やインフラ整備を通じた支援を継続する方針である。インフラ協力やエネルギー分野での実務的な連携が、地域の安定にどのような影響を与えるのか。日本政府は今後も緊密な首脳・閣僚間の対話を通じて、モンゴルの強靱性を下支えしていく構えだ。