沖縄県宜野湾市嘉数2丁目の集合住宅で20代女性が殺害された事件で、沖縄県警は30日、女性が以前から元交際相手によるストーカー被害を相談していたと発表しました。県警は事件前日の29日にも被害者から事情を聞いており、那覇市内で発見された元交際相手の男が事件に関与した疑いがあるとみて捜査を進めています。
宜野湾市で発生した女性殺害事件の経緯
9月30日午前8時半ごろ、宜野湾市嘉数2丁目の集合住宅敷地内で、20代の女性が血を流して倒れているのが発見されました。女性は首などに刺し傷を負っており、その場で死亡が確認されています。近隣住民からは、現場から若い男が逃走する姿が目撃されていました。県警は殺人事件として捜査を開始し、行方が分からなくなっていた元交際相手の捜索を県内全域で実施しました。
元交際相手の発見と病院への搬送
捜査の結果、県警は同日午前9時半ごろ、那覇市真嘉比の集合住宅で元交際相手の成人男性を発見しました。男性は首に切り傷を負った状態で、発見時には現場に刃物が残されていました。男性はすぐに病院へ搬送され、治療を受けています。県警は、発見された男性が女性の殺害に関与していると断定し、本人の回復を待って詳細な聴取を行う方針です。女性の傷と発見された刃物との関連性についても、鑑定を含めた調査が進められています。
ストーカー規制法に基づく過去の対応
県警の発表によると、被害女性は以前から元交際相手によるストーカー行為に悩まされていました。2025年12月31日、女性から宜野湾署に対し「元交際相手からの電話やLINEの連絡をやめさせてほしい」との相談が寄せられています。これを受け、県警は男性に対して警告を行いました。しかし、警告後も連絡が続いたため、今年2月にはストーカー規制法に基づき、付きまといなどの行為を禁じる「禁止命令」を発令していました。県警は事件前日の29日にも被害者から近況を聞き取っており、継続的な対応を行っていた状況でした。
なぜ防ぐことができなかったのか
警察による警告や禁止命令といった法的な措置が講じられていたにもかかわらず、今回の悲劇を防ぐことはできませんでした。ストーカー事案は、加害者側が命令を無視して接触を試みるケースが多く、警察の介入と被害者の安全確保の難しさが浮き彫りになっています。沖縄県内ではストーカー事案に対する相談や摘発が続いており、2024年には県内で29件の摘発と151件の相談が確認されています。警察は現在、禁止命令が出されていたにもかかわらず犯行に至った経緯を精査しており、当時の対応に問題がなかったか検証が進められる見通しです。
今後の捜査と事件の解明
県警は現在、搬送された男性の回復を待ち、殺人の容疑で本格的な取り調べを行う予定です。今回の事件は、警察が把握していたストーカー事案が深刻な殺人事件へと発展した事例であり、再発防止策のあり方や、禁止命令の実効性についても今後の捜査を通じて重要な論点となるでしょう。現場となった集合住宅の検証や、周辺住民への聞き込み調査も継続しており、事件の全容解明に向けて県警は全力を挙げています。