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アルゼンチンの裁判所、ナチスに略奪された絵画をJacques Goudstikkerの相続人に返還命令

アルゼンチンのマル・デル・プラタの連邦裁判所は、ナチスによって略奪された18世紀の絵画 Portrait of a Lady(貴婦人の肖像)を、元の所有者である美術商 Jacques Goudstikker…

アルゼンチンの裁判所、ナチスに略奪された絵画をJacques Goudstikkerの相続人に返還命令

アルゼンチンのマル・デル・プラタの連邦裁判所は、ナチスによって略奪された18世紀の絵画 Portrait of a Lady(貴婦人の肖像)を、元の所有者である美術商 Jacques Goudstikker の相続人に返還することを決定した。サンティアゴ・インチャウスティ判事は、当事者間の合意に基づき、「絵画を相続人に返還するよう命令が出される」と宣言した。

不動産サイトの写真から発覚した80年の空白

この絵画は、第二次世界大戦後の80年間にわたって行方不明となっていた。しかし、2025年8月、オランダの新聞社 AD の記者が、アルゼンチンの不動産エージェントのウェブサイトに掲載されていた住宅の写真の中で、この作品がリビングルームの緑色のソファの上に掛けられているのを発見した。

住宅の所有者は Patricia Kadgien で、彼女の父 Friedrich Kadgien はナチスの親衛隊(SS)の資金調達担当者であり、ヘルマン・ゲーリングの財務顧問を務めていた。Friedrich は戦後アルゼンチンに逃亡し、一度も起訴されることなく1978年に死去した。

警察が家宅捜索に踏み切った際、絵画はすでに撤去されており、代わりに馬のタペストリーが掛けられていた。しかし、その後 Patricia と夫の Juan Carlos Cortegoso は、1週間後に検察に作品を提出した。彼らは作品の隠匿罪で起訴され、一時的に自宅拘禁状態に置かれていた。

和解条件と相続人 Marei von Saher への返還

Patricia Kadgien とその夫は、裁判での審理を避けるための和解案に合意した。この合意により、彼らは作品の権利を完全に放棄し、地域の母子病院へそれぞれ240万ペソ(約1,400ユーロ)を支払うことになった。The Guardian は、この支払額を合計で約3,200ドルと報じている。

作品は、Goudstikker の義理の娘であり唯一の相続人である Marei von Saher に引き渡される。彼女は数十年にわたり、略奪されたコレクションの追跡を続けてきた。AP通信によると、von Saher 側の弁護士は、作品が正式に引き渡される前に、アルゼンチン国内で展示することを承諾したという。

鑑定による作者の変更と29万ドルの価値

この作品は長年、18世紀のイタリア人画家 Giuseppe Ghislandi によるものとされてきたが、最新の鑑定でその見解が覆った。アルゼンチン国立美術アカデミーによる裁判所命令に基づいた調査の結果、実際には同時代の別のイタリア人画家 Giacomo Ceruti による作品であると結論付けられた。

AP通信が伝えたところによれば、専門家はこの作品の価値を約29万ドルと見積もっている。

Jacques Goudstikker コレクションの悲劇と現状

Jacques Goudstikker は、1940年5月にナチスによるオランダ侵攻から逃れるため船で出国しようとした際、船のホールドに転落して死亡した。彼の死後、ナチスは彼のコレクションから1,000点以上の美術品を略奪した。これらの作品の多くは、ゲーリングらナチス高官によって分割して所有された。

アルゼンチンの裁判所、ナチスに略奪された絵画をJacques Goudstikkerの相続人に返還命令
Photo: dutchnews.nl

戦後、オランダ政府は約300点の作品を回収し、その多くを相続人に返還した。具体的に 2006 年には、202点の作品が相続人に返還されている。しかし、依然として多くの作品が世界中に散在しており、今回の返還はその追跡の成果といえる。

執筆者について: nipponese

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