2026年7月4日、ウクライナ軍はロシアのサンクトペテルブルク周辺およびレニングラード州に対し、大規模なドローン攻撃を実施した。この攻撃は同市の石油ターミナルやクロンシュタットの軍事施設を標的としており、ウクライナのゼレンスキー大統領はこれをロシアの戦争資金源を断つ「長距離制裁」の一環であると明言した。
## サンクトペテルブルクでのドローン攻撃と被害状況
7月4日の夜間から未明にかけて、ウクライナ軍はロシア第2の都市サンクトペテルブルクおよび周辺地域に対し、大規模なドローン攻撃を敢行した。サンクトペテルブルクのアレクサンドル・ベグロフ知事は、市内のキーロフスキー地区にある石油ターミナルが攻撃を受けたと報告した。また、レニングラード州のアレクサンドル・ドロズデンコ知事は、同州のヴィソツク港付近にもドローンの残骸が落下し、複数の居住地で軽微な損害が発生したことを認めた。
ロシア国防省は、防衛部隊が500以上の空中目標(大半はドローンだが、10発のフラミンゴ・ミサイルを含む)を撃墜したと主張している。この混乱の中で、プルコヴォ空港の運航が一時停止され、ドローンの誘導を妨害するために市内の携帯電話ネットワークが制限される事態となった。
## ゼレンスキー大統領による「長距離制裁」の意図
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、今回の攻撃について自身のテレグラムを通じて明確な戦略的意図を説明した。
「ウクライナの防衛部隊は、ロシアの戦争資金を生み出す港湾の石油インフラを攻撃した。さらに、ウクライナの国境から850キロメートル以上離れた重要な軍事目標であるクロンシュタットも攻撃した。」ウォロディミル・ゼレンスキー、ウクライナ大統領
ウクライナ軍参謀本部は、過去1ヶ月間で8つの製油所を攻撃し、60基以上の貯蔵タンクを破壊または損傷させたと発表した。これらの一連の攻撃により、ロシアの石油精製能力の42.74パーセントが停止したと主張している。この「長距離制裁」キャンペーンの影響で、ロシア国内および占領地域では燃料不足が深刻化しており、モスクワはガソリンの輸出禁止措置を延長せざるを得ない状況に追い込まれている。
## 戦況をめぐる情報の応酬:コスチャンティニウカの攻防
今回のドローン攻撃と並行して、東部戦線の要衝コスチャンティニウカをめぐる支配権についても激しい情報の応酬が続いている。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、軍服姿でテレビに出演し、同市の制圧を報告した軍部を称賛した。ロシア軍のセルゲイ・ルツコイ大将も、同市が「完全な支配下」にあり、残存するウクライナ兵の掃討中であると主張した。
しかし、ウクライナ側はこの主張を全面的に否定している。ゼレンスキー大統領はロシア側の発表を「またしてもロシアの嘘であり、ニュースを捏造しようとする試みだ」と一蹴した。ウクライナ軍のアンドリー・コバリョフ報道官は、状況は「困難」であるとしつつも、防衛部隊が町を保持していると強調した。
「ウクライナの防衛軍は指定された防衛線沿いで陣地を維持し続けている。状況は困難だが、ウクライナ防衛軍の管理下にある。」アンドリー・コバリョフ、ウクライナ軍報道官
専門家やオープンソース研究グループの「Deep State」によると、ロシア軍はコスチャンティニウカの西側、南側、東側に小規模な部隊を浸透させており、町全体が陥落の危機に瀕しているとの分析も出ている。
## 両国が直面するエネルギーと軍事の損害
戦火はロシア国内のインフラだけでなく、ウクライナ側にも及んでいる。7月4日、ロシア軍はウクライナ中央部のポルタワ州にあるナフトガス・グループのガス生産施設を攻撃した。ナフトガス社のセルギー・コレンスキーCEOは、フェイスブックで「施設で火災が発生し、操業が停止された。被害の程度を評価するのは現時点では不可能だ」と報告した。
ウクライナのエネルギーインフラへの攻撃は、冬の暖房シーズンに向けた準備を複雑化させることを狙っていると指摘されている。一方で、独立系のエネルギーアナリストは、ウクライナによるロシアの石油精製所への攻撃は、ロシアの精製能力の約3分の1に実質的な支障を与えていると推計しており、ロシアの戦争遂行能力に対する経済的打撃は無視できない規模に達している。
ウクライナのエネルギー関連施設への攻撃については、Euronewsが詳細を報じている。また、今回のドローン攻撃がロシアの石油インフラに与えた影響については、AP Newsが詳述しており、これまでの攻撃による業界全体の累積損失は2025年8月以降で135億ドルに達したとThe Guardianが報じている。戦況が膠着する中、双方は相手の経済的基盤を破壊することで、長期戦における優位性を確保しようとする消耗戦の様相を呈している。
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